美しい音階で身も心も満たされる インド古典音楽合宿に参加してみた

■インドは宇宙を見ていると思う
インドって、すごい不思議な土地でして、本当に様々なモノ、ヒト、文化がマンダラのようにあります。一番最初にインド文化の魅力に取り憑かれてしまったのは、インド古典音楽からでした。

インド文化を勉強してて思うのは、

インド古典音楽も、アーユルヴェーダも、ヨーガも、インドの伝統的な文化って、最終的にはすべて宇宙を見ているよなぁ

という事でしょうか。シタールを勉強していた時、シタールの先生に

シタールを勉強して、お前は誰に向けて演奏をするんだ?

え? もちろん、聴いてくれる方ですよね? 日本でシタールを知らない人に聴いてほしいです

お前は間違っている。演奏は、神に向かって演奏するものなのだ

神様ですか?

そうだ。お前の演奏を聞かせる相手は観客なんかではない。神なんだよ

と言われて、衝撃を受け、今でも明確にその日のことを思い出します。

その時にシタールの先生が指さしていたのは音楽の神様サラスバティでしたが、結局、それは私達をこの世界に生み出してくれた宇宙そのものを意味するのだなと後になって思ったのです。

■AI全盛の時代に合宿で音楽を習う意味とは?
そして、この神様論と正反対の所にありそうなのが、最近、急速に発展してきているAIです。AIがあまりにも凄すぎて、時々、そもそも人間が必要なのかどうかが疑問になる時があります。

絵もAIが書くし、曲もAIが作曲するし。動画もAIが作るし。写真から動画が作れたりするし。

コンピューター上のものだったら、もう全てAIが作れるような気がします。

今まで一生懸命ドット絵を書いていた日々。
1個1個音符を置いて行った日々。
ブラシで絵を書いていった日々。

そんな日々があっという間に昔のものになりました。

人間が人間である拠り所であった、創作物を作るという根源的なところが、AIによって脅かされようとしてるような気がします。

そんな時代に、合宿で音楽を習う意味とはどこにあるのか。そしてわざわざ古典音楽を習う意味とは。

そんなことを思いながら、寺原太郎さん主催のインド音楽合宿に参加してきました。

■みんなで音楽は楽しかった♪
とりあえず最初から結論を言うと。 みんなで音楽合宿はとっても楽しかった

AIやコンピュータ、そしてスマホの画面越しでは絶対に味わえない、豊かな時間がそこにはありました。

合宿が始まったのが、土曜日の午前中。午後一番からコンサートだったので、きっとその準備をゆっくりするんだろうな…と思っていたら、まさかの朝一番からラーガ(音階)の講義と実践が始まります。

各ラーガには踏んでいい音と、そうでない音があって
午後のコンサートでやる Raga Madhuvantiを午前中は練習しましょう

との先生の声のもとに、全員で練習が始まりました。



インド古典で面白いのは、すべてのインド楽器は人間の声を模倣しているので、声が最上級の楽器として位置づけられていることでしょうか。シタールでも、バンスリでも、サーランギでも。彼らが演奏している内容は声の模倣です。だから、自分の声で参加するのが一番正しい感じ。

自分が生まれた時から持っている、一番親しんでいる楽器=声で参加できるのは気が楽ですね。

どのラーガもただ音階を踏めばいいというわけではなくて
踏み方、歩き方というものがあります
それをチャランと言います。
コンサートでも、同じチャランを出しますので、よく覚えてくださいね

という先生の指導のもと、みんなで発声練習

パニサガ レサニサ ガマパマ ガレサニ
パニサガ レサニサ ガマパマ ガレサニ

と唱えます。文字で書くと、何かのお経ですねwww 

これだけの音階なのに、もうすでにインド古典になっている!!!
そして、声を出すって楽しい!!
自分の声で体が震え、身体が楽器になる感じがとても楽しい!!!

どんな形でも思い出せるように、何百回と繰り返すんですよ 夢に出るくらいまでやりましょう


同じチャランを何回も繰り返しているといつしか意識が瞑想状態に入っていきそうになります。そこを見計らったように先生が

はい、次は倍速で行きましょう! 次は4倍速! そしてまた半分に

と変化を加えてきて、それにみんなでついて行くのもまた楽しい♪

気がつくと、午前中の2-3時間があっという間に過ぎていました。

音楽ってこんなにいいもんだったかな~

■そして手作りのカレーがまた美味しい!!!
レッスンの後は、太郎さん自らキッチンに立ってどんどんとカレーを作っていきます。


え? 先生、カレーも作るの?
大忙しじゃない?

と思っていたら、素敵な奥様 百合子さんのサポートのもと、あっという間に超絶美味しそうなカレーがどんどんと完成していきます。

ちょっと味見をして、コリアンダーが足りないとか、パクチーが足りないとか、色々ブツブツ言いながらカレーを作る姿は、もう完全に日本人が日本食の味見をしながら作るその感じ!!

こちらは最終日のお昼ご飯。
エッグダールに、マライチキンに、そして残り物のサブジでした。


インド古典では師匠と弟子の関係性をとても大切にしているんですよ
ただ、お金を払ってサービスを受けるのとは全く違うんです
学校で習うこととも違います
だから、ご飯もみんなで食べて、みんなで合宿するんです

太郎さん、4日間の料理を全部作って、そして音楽も存分に教えて、3泊4日間のインド古典合宿、疲れないですか?

いやいや、ただひたすら楽しくてリラックスですよ!!

■凄い楽しかったので、次回もやります!!
ただただ気持ちいいでしかない
そして骨の髄までインド古典のラーガが身に染みる。美しい音で心がいっぱいになる。

そんな贅沢な4日間でした。

この合宿で、一番大切だよって言われた事は。

1音1音はちゃんと正確であること
あるべき所に音があること

という、あまりにも当たり前で基本のことでした。

合宿形式のインド古典レッスンなんてあまりにもハードルが高そうだったのですが、実際に参加してみると大違い!!

ビギナの方はまずは音を楽しみ
プロの方はプロなりに音の正確さと美しさに入り込める

仲間と一緒に自分の内面と向き合いつつインド古典を習える空間でした

日帰りでも大丈夫だし
合宿しても大丈夫だし

日程が長いというのは参加する人への気遣いなのだなと感じたり。
日帰りの通いで3日間来た人もいましたっけ。

他の音楽をやってる方でもウェルカムだなと強く感じました。
音楽のレパートリーや知見を広げたいという方にもおすすめです。

太郎さん曰く、インド音楽に興味のある方ならどなたでもOKだそうです。

あまりにも楽しかったので、次回の合宿をおねだりして。
3月末に設定してもらいました♪

次回のインド古典音楽合宿は2026年3月28-31です。場所は同じくいりやまずのおうち@神奈川県横須賀市です。
参加の連絡は寺原太郎さんまで。
参加費用はこれから太郎さんが決めると思いますが、ご飯つき&宿泊&一日レッスン付きと考えると、とてもリーズナブルなお値段に設定されるとは思います。

寺原太郎
090-4297-1230
srgm@i.softbank.jp

楽器ができなくても
音楽がわからなくても
なんかとっても楽しい♪

身体一つでやってきて、一番慣れ親しんでる声という楽器で参加できるのがとっても気が楽です。

しかも基本的には単純なことの繰り返しを延々とやるので落ちこぼれる人が一人もいないのも魅力!

上達しかないのが嬉しい素敵な会でした!

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