積み重なる職人たちの時間 – インド家具の作り方[インドモノ辞典]
目次
■異常に手間のかかっている木製品たち
インドの木製品をよく見てみると、「異常なまでに手間がかかっているのではないか?」と思えるものがあります。例えばこのお香立てに空いている多くの穴。ざっと数えて150個ほどの穴が空いています。

■インド木製品の町サハランプール
デリー周辺で購入できる木製品の多くはサハランプールで作られています。もちろんティラキタにも、多くの木製品がサハランプールからやってきています。小さなお香立てから、大きな家具まで、いろいろなものがサハランプールで作られ、海を超えてやってきます。インドにカーストがあるのはご存知だと思いますが、カーストとは簡単に言うと世代を超えた職業グループです。洗濯屋の子供は洗濯屋になり、僧侶の息子は僧侶になり、音楽家の子供は音楽家になります。そして、サハランプールは木製品カーストの町です。サハランプールには何世代にもわたって木製品を作ってきた、達人級の職人たちがいて、今日、この瞬間も木製品を作り続けています。こちらが、サハランプールの町中です。 いい感じのインドの田舎町のようですね。

■木工芸に従事している人々
サハランプールは木工芸の街ですから、ほとんどの人々が、木工芸に従事しています。その数は、なんと40万人以上。どうりで木工芸品の多くがサハランプール産な訳です。40万人のうちの9割がイスラム教徒で、彼らの作るデザインは同じくイスラム教徒の多い、カシミール地方のデザインの影響を強く受けています。








■木製品の製作工程 - 穴をあけて彫刻する
それでは、これから、サハランプールでどの様にして木製品が作られているのかを見ていきましょう。材料となる木を切り出します。なお、インドでは4-5年前から資源保護のために、特別なライセンスがないと、シーシャムウッド製品を海外へ輸出できなくなりました。


















■木製品の製作工程 - 象嵌する
インドの木製品を見てみると、金色の象嵌が入っていることがありますが、この象嵌の作り方を見ていきましょう。










■最終組立
色々なパーツができたので、最終組立の工程に掛かります。プレス機で切り出したパーツたちを




参考文献:D'source - Wood Carving of Saharanpur The art of wooden crafts by Sakshi Gambhir, IDC, IIT Bombay
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