積み重なる職人たちの時間 – インド家具の作り方[インドモノ辞典]

2021年6月24日     No Comments    Posted under: インドが大好き!!, 商品について

■異常に手間のかかっている木製品たち

インドの木製品をよく見てみると、「異常なまでに手間がかかっているのではないか?」と思えるものがあります。

例えばこのお香立てに空いている多くの穴。ざっと数えて150個ほどの穴が空いています。

穴をアップにしてみてみると、芸が細かいことにひし形になっています。

「この穴は一体全体、どの様に空けられているのであろうか?」と思うのです。
昔からある手工芸品なので、まさかコンピュータ制御のボール盤など使ってないだろうし…。

でも、手で一個づつ開けていくにしては、穴の数が多すぎるし。

「いくらなんでも手で開けてなんかいないよね?」
「もっと、楽ちんな方法を使っているよね?」
と、長いこと思ってきました。

という事で、今回はインド政府が出資しているデジタル学習サイトD’Sourceの記事をもとに、ウッタール・プラデーシュ州サハランプールでの木製品の制作過程を見ていきたいと思います。

■インド木製品の町サハランプール

デリー周辺で購入できる木製品の多くはサハランプールで作られています。

もちろんティラキタにも、多くの木製品がサハランプールからやってきています。小さなお香立てから、大きな家具まで、いろいろなものがサハランプールで作られ、海を超えてやってきます。

インドにカーストがあるのはご存知だと思いますが、カーストとは簡単に言うと世代を超えた職業グループです。洗濯屋の子供は洗濯屋になり、僧侶の息子は僧侶になり、音楽家の子供は音楽家になります。

そして、サハランプールは木製品カーストの町です。サハランプールには何世代にもわたって木製品を作ってきた、達人級の職人たちがいて、今日、この瞬間も木製品を作り続けています。

こちらが、サハランプールの町中です。
いい感じのインドの田舎町のようですね。

サハランプールの町中にあるスイーツ屋さん。揚げたてのジェレビーが美味しそう!!

■木工芸に従事している人々

サハランプールは木工芸の街ですから、ほとんどの人々が、木工芸に従事しています。その数は、なんと40万人以上。どうりで木工芸品の多くがサハランプール産な訳です。

40万人のうちの9割がイスラム教徒で、彼らの作るデザインは同じくイスラム教徒の多い、カシミール地方のデザインの影響を強く受けています。

■木製品の製作工程 – 穴をあけて彫刻する

それでは、これから、サハランプールでどの様にして木製品が作られているのかを見ていきましょう。

材料となる木を切り出します。なお、インドでは4-5年前から資源保護のために、特別なライセンスがないと、シーシャムウッド製品を海外へ輸出できなくなりました。

ベルトソーで木材を希望の大きさに切っていきます。

ベルトソーで切り出した木材に穴を開けていきます。

穴が空きました。これで糸のこを通せるようになります。

その穴に糸のこを通して切っていきます。一つの穴ごとに糸鋸を付けたり外したり。

繊細な作業で、一つのミスも許されません。きれいに、きれいに切っていきます。

全部切り上がったところです。

数え切れないお香立ての穴も、この様にして作られていました。

切って、穴を開け終わったこちらの木材に、彫刻が入る様子を見ていきます。

こちらが彫刻に使われる道具たち。

なんと、コンコンと木でノミを叩き始めました。

足で押さえつつ、丁寧に彫っていきます。

外側のカーブを作っています。

ノミで丁寧に彫っていきます。

一刀一刀、気を抜けない作業が続きます。

時間をかけて掘り進め

大きな部材も根気よく彫り続けます。

そして、この様に私達が見たことのある、インドの木製品が姿を現してきました。

椅子を作っている所です。椅子一個作るだけで、想像もつかないような時間が費やされているのがわかります。

■木製品の製作工程 – 象嵌する

インドの木製品を見てみると、金色の象嵌が入っていることがありますが、この象嵌の作り方を見ていきましょう。

象嵌の元になる金属を切り出します

プレス機にかけて、象嵌用の金属を切り出します。

階段状の金属が同じ様に切り出されているのがわかります。

たくさんの金属の小花ができました。

切り出した、余りの金属達。こちらは再度溶かして製品として再生されます。

この工房ではこれだけの種類の象嵌を作れるのだそうです。
象嵌コレクションの上にはイスラム教徒らしく、カアバ神殿とクルアーンのポスターが掲げられています。

作られた象嵌はハンマーで木材に叩き入れられます。

コツコツ…

コツコツ…

この様にして、象嵌が作られます。

■最終組立

色々なパーツができたので、最終組立の工程に掛かります。

プレス機で切り出したパーツたちを

一個一個、木に取り付けていきます。

コンコン、コンコン…

素敵なテーブルが出来上がりました。

出来上がった製品は最終的にこの様に箱詰めされて、出荷されます。


参考文献:D’source – Wood Carving of Saharanpur
The art of wooden crafts by Sakshi Gambhir, IDC, IIT Bombay


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