ほぼ全員結婚できて、離婚率は2%以下。 インドに学ぶ成功する結婚の秘訣

■今、結婚が難しい

今、日本は色々な意味で結婚が難しくなっていると思います。
ネットでちょっと検索すれば、結婚が出来ない、結婚生活がうまくいかないと言う記事が山ほど出てきます。

自分の周りでも、結婚したいのに出来なかったり、そもそも結婚を諦めていたりする人たちがそれなりの数います。また、やっとこ結婚したけど、生活習慣がうまく合わなくて、結局、すぐに離婚しちゃった人もそれなりの数います。

インドに通い続け、その状況を見ているうちに、今の日本の結婚の仕組みにか何か問題があるのではないかと思う様になりました。
正直、何かがおかしいのではないかと感じるようになりました。

インドは、ほぼ全員結婚できて、離婚率は2%以下と言う驚異的な状況です。
なぜ、インドと日本がこんなにも違うのか。

今日はインドの結婚と日本の結婚についての違いを比較し、説明してみたいと思います。

■魅力的じゃなければ結婚できない

なんで今の日本では、こんなにも結婚が難しいんでしょう。

結婚が難しいことについては、色々な要因がありますよね。その要因を一つ一つ分解していくと、例えば収入の問題であったり、容姿の問題であったり、コミュニケーションスキルの問題であったりするんだと思います。

見た目がいい人は結婚に有利だったり、収入がある人は結婚に有利だったり、人間関係が得意な人は結婚に有利だったりする訳です。

今の日本で結婚するとなると、恋愛結婚です。
そして、恋愛結婚するには恋愛をしなければいけないんですよね。

恋愛をするって言う行為自体が、人間関係が苦手な人にとっては、すごくハードルが高いものです。
シャイな人にも、ものすごくハードルが高い。

筆者自身、男子中高卒であり、女性の少ない大学の卒業ですから、凄いその辺の気持ちがわかるんですが、恋愛をするっていうのは恋愛を今までしたことがない人にとってはすごく難しいものです。

もちろん女の子に興味はあるとして。彼女が欲しいとするじゃないですか。

でも、女の子とどう喋っていいかわからない。
女の子を前にすると、自然になれないのです。

デートしたいと思っても、そもそも女の子と会話するのだって難しいのですから、どうやってデートに誘っていいかがわからない。デートの約束を取り付けても、どこに行って、どういう風にデートすればいいかわからない。

デートの時に手を繋いでいいかどうかも分からないし、手を繋いだら嫌われちゃうんじゃないかとか、延々と悶々と考えたりするものです。手を繋ぐことですらそうなのだから、夜、一緒に一晩過ごそうよなんて夢のまた夢。

恋愛って、今まで恋愛したことない人にとってはハードルが高すぎることばっかりなんですよね。

そうすると、もう、恋愛自体が面倒くさいということになってくるわけです。
面倒になるから、なんだかんだ理由をつけて結局、恋愛から逃げてしまいます。


■じゃあ婚活はどうなのか

じゃあ婚活はどうなのかということを考えてみます。

婚活してる人もやっぱり収入が500万円以上ないとダメとか、800万円以上ないとダメとか。
みんな、色々な条件をつけて結婚相手を探していると思います。

そうすると、スペックの高い人は結婚相手に出会えるけれども、スペックの低い人は結婚に不利だったりする。本当に困っていて、伴侶が必要な人が、結婚相手に出会えなかったりする。

結婚するのに、人間と人間の間の競争原理が働いている事がわかります。

美人競争オークションになっちゃっている。結婚が、オークションの原理で決まるのが今の日本であると言っても間違いではないと思います。

結婚するしないという、人生の生活設計が、恋愛のスキルや、個人の収入などのスペックで変わってきてしまう。
恋愛が上手だと結婚できる。
収入が高ければ結婚できる。

恋愛が下手な人は結婚できなくってもう諦めてしまっていて。収入の低い人も諦めてしまっている。
しかし、人生設計って、そんなもので決まっていいものだとは思えません。

■恋愛は一過性のもの

そしてまた、恋愛して結婚できたとしても、次の問題が出現してきます。
多くの場合、恋愛は一過性のものだからです。

恋愛結婚してから3-4年すると離婚が目に見えて増えるのは、「ホルモンが見せる夢が終わる」からなんだと思うんですよね。実際、「離婚 3年 ホルモン」とかで検索すると、様々なブログが出てきます。

恋愛すると、相手のすべてがよく見えてしまう傾向にあります。恋は盲目っていう言葉があるように、恋愛すると、相手の嫌な部分が余り目につかなくなります。また、嫌われたくないと言う気持ちが自然に起こり、相手にできるだけ合わせようとします。それは非常に自然なことだと思います。

だから生活環境の違う人とでも、恋愛してしまえば、最初はうまくいくんです。でも、3年の恋愛ホルモンが出る期限が終わると、夢から覚めるから、「なんか違かったね。僕らうまくいかないね。じゃあ離婚しようね」と言う事になる。

それは最初からうまくいかない相手だったのに、自分の脳内で出る恋愛ホルモンに自分たち自信が騙されているから起こる悲劇なのです。

そのそも、恋愛と結婚は本当は違うものだと思います。
恋愛は3年とか4年とかの期間で夢を見ている状態ですが、結婚はそうではありません。

結婚とは、一生の生活設計であり、一緒に子供を育てて行きながら家族を作っていく、子供ができないとしても、何気ない日常を二人で生きていく。そして最終的には、自分が体が動かなくなって困った時に無償で助けてもらえる相手を作る行為です。結婚とは、生活の基礎を作る事だとおもいます。

結婚とは、誤解を恐れずに言えば、自分のセーフティネットを作る行為だと思います。

二人の人間がいて。
お互いがお互いを信頼し合って。
一緒に生活していく。
困った時は、お互い様だから、助け合っていく。

それは、本来盤石でなければならない筈のものです。
しかし、今の日本の恋愛をベースとした結婚システムでは、その人生の基本設計が、恋愛オークションに勝てるかどうかで決まり、その後、恋愛ホルモンの賞味期限と戦う事になる。

好きな人と結婚して、一緒に生活をして、赤ちゃんを作ってという事が、日本では理想とされていますが。
そりゃ、恋愛結婚がうまくいけば理想ですが…。現実、なかなか難しいのではないでしょうか。

夢と現実が一緒になっているのが大きな問題なのではないかと思うのです。

熱に浮かされた、一時的な恋愛で将来を決めようとしているからみんな上手くいかないんだと。
インドに行って、現地の事情を見つづけててきた筆者はそう思うようになりました。

■インドの結婚とは

インドの結婚とは、以前の日本にもあった、お見合い結婚です。
そして、日本のお見合い結婚を、もうちょっと社会的なシステムにしたものです。

「なーんだ。お見合いか。そんな廃れたもの。」と思いますが、実はこれが、馬鹿にしたものでもありません。恋愛結婚の離婚率は40%を超えるのに対し、お見合い結婚の離婚率が10%だという調査結果もでているくらいです。

インドの伝統的な結婚を説明しましょう。
インドの結婚はだいたい同じカーストの中で行われます。

近所に理想的な相手が居ないと、この様に新聞広告を出して探したりもします。
新聞広告の中には、どの様な階級の家庭なのか、年齢、信仰、カーストが書かれています。

同じカーストの中で行われているという事はどういうことかと言うと、自分の家の習慣と、結婚する相手の家の習慣が、ほとんど一緒だということです。

日本では結婚しても、すぐに離婚してしまう場合がありますよね。それはなぜかと言うと、結婚が恋や愛と言った一時の熱情によって行われるため、結婚相手の生い立ちであるとか、生活習慣であるとか、教育についての考え方であるとか、そういうものに対して目をつぶって結婚することになるからだと思います。

恋愛ホルモンが出ている三年か四年間は、その違いに目をつぶれても、段々とお互いにその違いに気がついてきて、そこでうまくいかなくなって離婚してしまう。

でもインドではお互いに同じカーストの中で結婚をします。
同じカーストだと生活習慣もほぼ一緒なので、生活の上での行き違いが起こりづらくなります。

その次に、親同士がお互いに話し合って、結婚相手を决めます。
恋愛結婚ではありません。

経験のある親の目で、冷静な視点で、将来性や、お互いの家庭の事情などを考えながら、結婚を決めていきます。

私の娘はおてんばだから、ある程度しっかりした男性がいいのではないかとか。
うちの家と同じ様な家の子供がいいとか。

親が子供の将来と、幸せを考えながら結婚相手を決めるのです。

これにはどう言う利点があるかと言うと、結婚する子どもたちをよく知っている人が冷静な視点で、同じ社会的な地位の人と結婚させるので、非常に結婚のミスマッチが起こりづらくなるんですね。

ここで重要なのは、結婚相手を見つけて生活を一緒に共にするという人生にとって最も重要なことが、本人たちの恋愛ホルモンによって衝動的に行われるものではないということです。恋愛結婚はうまくいかないのだとインド人は経験的に知っていて、それを防止するように社会システムが出来ているんじゃないかとすら思われます。

そして、インドで最終的に結婚を決める判断材料になるのが、ジョーティッシュと呼ばれる星占いです。インドでは赤ちゃんが生まれる時に、占星術師に見てもらって、この子はどういう風な人生を送るかという事を占います。この場合のインドの占星術は、四柱推命みたいなものです。

お産の日が占星学的に見て悪かったりすると、帝王切開や、薬などで生まれる日をコントロールしたりするほど、インド人たちは自分の人生と星の運行に何かしらの関連があると信じています。インド人の知人に聞いてみれば分かりますが、彼らにとっては、占星術はとても大切なものです。

だから、結婚するときも、彼は何月何日の何曜日に生まれているから、何月何日の何曜日に生まれている女の子との相性はどうなのか?と、最終的に星の相性を見て結婚させます。インド占星術を信じない僕らからすると、非科学的だなぁ…と思いますが、これは、最終的に本人たちが納得するためのプロセスの一つなんだろうなという風に思うんですよね。

そうして、結婚が最終的に決まります。

同じ環境の家庭の相手から選ばれ、親同士が冷静な視点で判断し、最終的には星占いで決断されるという3ステップを経た後の結婚ですから、離婚率が2%以下になるのも信じられます。

■インドの家庭は幸せそう

20年以上、色々なインドの家庭を見てきましたが、僕が見たインド人の家庭というのは、みんな、すごく幸せそうに暮らしていました。豊かな人々も幸せそうでしたし、貧しい人々もまた、幸せそうでした。

熟年夫婦に「パートナーのことを愛してる?」と聞くと、「もちろん大好きだよ」とみんな言います。
インドは、幸せな家庭がある土地なのでした。

自由恋愛が普通だと思っている私達日本人から見ると、親同士が决めた相手なんて好きになるもんかと思いますよね。
でも、人間ってそういうものではないらしいのです。

人間というのは同じ屋根の下で生活して、一晩過ごすと、大体、好きになってしまう。
インドで、その姿をたくさん見てきました。


■何かしらのヒントにはならないだろうか

今まで褒めてきたインドの結婚システムですが、だからと言って、インドの結婚システムが100パーセント素晴らしいかと言うと、そう言う訳ではないと思います。インドの結婚システムだって問題が数多くあります。

なくなったと言われつつも根強く続いているダウリー(持参金)の問題もあります。
親同士が決めて、自分が生理的に好きになれない人と結婚する場合もあるでしょう。
政略結婚みたいな状態なことになる事もあるでしょう。

やっぱり物事には良い面も悪い面もあって、100%日本の恋愛結婚が悪いわけでもないし、100%インドの結婚システムが素晴らしいわけでもありません。

とはいうものの、日本のように結婚するには恋愛オークションに勝たなければいけないとか、結婚してからお互いの生活習慣が違うのが判明し、うまくいかないから、すぐ離婚するとか。そう言う残念な行き違いを結婚前から防止する事になっているインドの結婚システムは、今の日本の困った状況に対する、ひとつの回答なのではないかと思うのです。

じゃあ、これからの僕達はどうするのかと言われても、できる答えはないのですが。

昔いたような、結婚世話焼きおばさんみたいなのが、また復活してもいいんじゃないかとか。
お見合い結婚に対する偏見をもうちょっと無くしたら良いんじゃないかとか。
新しい、結婚に変わる、お互いが支え合う生活スタイルを作ったほうが良いんじゃないかとか。

その回答は、やはり、これから社会を作っていく僕達一人一人が决めていくのだと思います。

結婚する、しないに関わらず、できるだけ多くの人たちが、幸せな人生を送れますようにと思いながら今回のブログを終えることにします。長い文章をお読み頂き、有難うございました。

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7 Comments + Add Comment

  • ティラキタさん、いつも通信を楽しく拝見させていただいています。インド式の占星術はすごく説得力があります。インド式占星術には奥深さを感じます。当たる当たらないという表面的なものではなく、魂を向上させてくれるので、どん底を味わう羽目になったり、七転八倒させられます。それでも助け合い、笑って生きられる人生を送る事が出来るのがインド式占星術です。
    私も重要な決定はインドの占星術師さんにお願いしてきましたが、仲介の会社が問題を起こしたらしく、利用できなくなりました。今、自分で勉強している宿曜占術はベースが近いものがあります。でもインド式占星術にはかないません。インド人の知性の高さを思い知らされます。そんな魂レベルの占星術で結婚を決められるなんてインド人がうらやましいです。離婚率が低いのも納得です。
    これからもすてきなインドの文化、雑貨の情報を配信してください。応援しています。

  • インドに何度も訪問していますが、本当に 幸せな家族が多いのは分かります。

    家庭の幸せが ほぼ、人生の幸せのほとんどですから、素晴らしい事だと思います。
    翻って日本ーこの殺伐とした空気感は 一番身近な人間すら信用しない、または、頼らない 現在の日本人の 人間関係のあり方のように 思えます。
    恋愛結婚しかり、自由な選択が必ずしも人を幸せにするわけではない、というのは、人間の不思議な側面ですね、、、

  • Taraさん、書き込み、ありがとうございます。
    そうなんですよね。インドは、不思議と幸せな家族が多いと思います。
    家族の幸せがほぼ人生の幸せのほとんどってその通りですよね。
    自由と幸せは必ずしも両立しないのかな…と思いますよね。

  • Toshikoさん、書き込み、ありがとうございます。
    インド式の占星術だけでなく、四柱推命など、古来からの占いにはそれなりの知識の集積がありそうですね。将来のことはわからないのだから、最後は占星術で決めるっていうのも良いのかなあ…と感じる時があります。

  • インドに行きましたが確かに両親をとても尊敬していて人と人との信頼が厚いですね
    人間性のレベルが高く、自分がとてもちっぽけに思えました。

    自分の親は離婚してます
    輪廻ってなんですかね
    もし生まれ変われるなら幸せな家庭に生まれたいです

  • ローカルに聞いたんだけど、ラムジュラに日本人妻三人、子供多数いるガンガ近くのチャイショップの男、入れ替わりたちかわり日本人の女変えて女のビザが終わると別の日本女に乗り換えて繰り返してるらしい。日本女から仕送りとラムジュラにいる間の性のはけぐち目的。女は他の人と話さないようにコントロールされてるから、地元の人もよく思ってないけど、見てみぬふり。今もまた別の日本女がチャイショップに毎日通ってるみたい。で、女同士はシラサレテナイ。日本人妻が他にいることさえ、子供がいることさえ知らないでしょう。周りからするとあそこいつも違う日本女と一緒にいるって見えるんだけど、女は知らない。気付いたら打破すべきだと思います。彼女らが日本女の価値を下げているのは間違いない。

  • インドで離婚率が低いのは女性が経済的に自立していないことが大きな理由です。インドは世界の低年齢結婚の4割に達し、さらに 2013年に国連が発足した「低年齢結婚撲滅国」への加盟を拒否しています。

    また、女性の多くは学校に女性の教師がいないため学校に行くことができていません。彼女たちの多くは学校へ行くために経済力のある男性と結婚せざるを得ません。しかし、未成年と結婚した女性の多くが家庭内暴力、性的虐待、中絶する傾向にあります。女性の家族は男性の家族から大金を得ることができます。未成年の女性の多くがこのような背景で結婚させられます。

    そのため、彼女たちは離婚することができないのです。このような背景を無視してインドの結婚が幸せにあふれていると思いますか?女性の人権を無視した上に成り立っている結婚から見習うことがあるのでしょうか?

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