キングコブラが食べられる! ベトナムの不思議なレストラン

■知らないことに全部チャレンジしたい
ティラキタ買い付け班は年に3-4回位買い付けに出かけています。インドやタイ、ネパールにインドネシア。いろいろな国に行って商品を探して歩くのが仕事であり、雑貨屋と言う生き方をしている中で一番の楽しみでもあります。

時々ティラキタに「インドに住んでいるので雑貨の買い付けの仕事をさせてもらえませんか?」って言うオファーが来るのですが、「一番楽しい部分を人にお願いしたくないよね?」と僕らは絶対にOKと言いません。現地に行って自分たちの足で歩く、現地に行って何でも見てくる、それがティラキタの面白さの根っこを支えているのだと思っています。

僕らは好奇心いっぱい! だから商品を探し歩くだけでなく、カブトガニを食べて死にそうになったり、タイの地獄寺に行ったり、アジア最大のスラムに行ったり、ありとあらゆる様々な所に行っています。

さて、今回のおもしろアジアレポートは…ベトナムのレメットに行き、キングコブラを食べてきました!! せっかく買い付けに来たんだし、雑貨だけでなく、色々なものを食べたいよねと思って探し当てたのが蛇を食べさせてくれるという不思議な食文化の町でした。
■1000年以上も続く伝統料理

蛇を食べられるレメットはハノイの中心部からタクシーで30分位の場所です。タクシーの値段はハノイの中心部から10万ドン、500円くらい。タクシーに乗り、「Le mat」とか、「スネーク」とか言っておけば連れて行ってくれます。ベトナムではレメットの蛇料理は大変有名ですので、言葉が通じなくても問題なく辿りつけます。

レメットに到着し、何人かに聞き、無事に蛇レストランを発見!! この時は時間が遅かったので2軒の蛇レストランしか見つけられなかったのですが、レストランオーナーの説明によるとレメット全体では11軒の蛇レストランがあるのだそうです。蛇はたいへん特別なもので、重要な人の接待や、人生の節目等の特別な時に、一匹の蛇を10人や20人で分けて食べるのだそうです。レメットには1000年を超える蛇を食べる伝統があるとのことです。

2軒の蛇レストランを比較し、1軒目のXuan Chu Restaurantがあまりに豪華すぎて腰が引けたので、2軒めのシンプルな内装のNhà hàng Restaurantに入ることにしました。トップの写真の蛇酒館の看板の方です。

蛇酒館の中に入ってみると…蛇のケージが並んでいました。蛇のケージは木製で、さらに厳重に金網で覆われていて、更に大きな鍵がかかっていました。


店主に頼んで蛇を取り出してもらいます。ここでは3種類の蛇が食べられるのだそう。一つはバンブースネーク。 バンブースネークはアジアや中国圏でよく生息している蛇で、日本のアオダイショウみたいな感じのシンプルな蛇です。もう1種類はコブラ、そしてキングコブラが食べられるのだそう。

キングコブラってエリみたいなのが飛び出してくるヤツだよね?そんなの滅多に食えないよ!と興奮し、値段を教えてもらいました。

お値段はバンブースネークが1Kg 40$コブラが1Kg 60$キングコブラが 1Kg 70$!

料理を作るには1匹の蛇を殺さなければいけないのだが、支払う値段はその蛇の重量によって変わるのだとか。キングコブラの一番小さいのでも2Kg位はあるので、140US$するのだと言います。

「え?そんなに高いの!!」

びっくりです。正直、どっからどう考えても高すぎます。興奮が一気に冷めていきます。ツーリスト料金でしょうか。それともとても高級なものなのでしょうか。初めての事で判断がつきません。とは言うものの、ベトナム人はきっと、この2-5割位の値段なのだと思います。だって、現地で生活してたらこんな値段払えませんもん…。

でも、世界中どこを探しても蛇を食べられるところはなかなかないので…諦めて食べることにしました。「レアである」と言うことは「高いお金を取れる」ということなのだと思います。仕方ないです。

オーナーが言うには、蛇のレストランを開くにはライセンスが必要で、ベトナムでもレメットでしか取得できない特別なもの。ライセンスだけでなく、安全管理も厳重に行われていて、蛇は鍵付きのケージに入れられているのだそう。蛇が逃げ出したら大変ですものね。猛毒を持っているキングコブラが逃げ出したら大騒ぎになることでしょう。レストランの経営は伝統的に家族単位で行われていて、家族の中には蛇に噛まれて指をなくしたり、体の一部の感覚がなくなっている人も多いとの事です。

そんな説明をして貰っているうちに、初老の男性が蛇を取り出しにかかりました。蛇は金網のケージの中で更に白いコットンの袋に入れられていました


出ました! キングコブラ!! このキングコブラは結構大きい方の個体で4Kg位あるのだとか。4Kg=280US$=30000円 チーン!! さすがにこの値段は出せないので、丁重にお断りしてもっと小さいのを頼むことにしました。


写真の男性が蛇レストランのオーナーなのですが、彼も何回か蛇に手を噛まれ、指を一本失い、手全体の感覚がなくなっているのだとか。まさに命がけのレストランです。


これから食べられちゃうヘビちゃん。丸々とした目がなんだか可愛い感じです。


オーナーは手慣れた感じで蛇を殺し、一番最初に蛇の胸の所を切開していきます。


蛇の胸から取り出されたのはまだ動いている心臓でした。ピクピクと脈打っています。心臓に米で作った蒸留酒(ルア・モイ)を少量入れ、多少飲みやすくしてくれました。これから出される料理は10種類。殺した蛇を全部使います。とにかく蛇の全てが健康に良いと信じられていて、蛇をまるごと全部食べるのだそうです。


その次に出てきたのは蛇の生き血です。自分の生き血を蛇に吸われるのではなく、まさか自分が蛇の生き血を飲む日が来ようとは! 時代と場所が違ったら魔女呼ばわりされてしまいそうです。味はものすごく生臭い感じでした。


その次に出てきたのが蛇の胆汁。お味の方は…胆汁の臭みを消すためにお酒とカクテルで出してきたのでよく分かりませんでした。


この後の料理は火を通したものが出てきます。蛇のチャーハン、蛇の唐揚げ、茹で蛇、蛇の春巻きなど、蛇を10種類の料理にして出してくれました。どの料理もとても美味しいのですが、蛇の肉は小骨が多く、またゴムみたいな感じで噛み切れません。口の中で反発する感じです。1.5Kgの蛇を2人では食べきれず、結局ちょっと残してしまいました。


オーナーに話を聞く所によると、蛇レストランはだれでも出せるわけではなく、ベトナムでも特別な免許が必要なのだとか。その免許の中では蛇の保管方法や、きちんとした養殖方法なども指示されているのだそうです。また、レメット村では毎年3月20-23に蛇フェスティバルが開かれるほど住民と蛇の関係は深いのだそうです。

さて、気になる蛇の効果ですが、数時間後にホテルの部屋に帰って休憩していると、なんだかいつもより胸がドキドキする気がしました。これが蛇の効果なのでしょうか…

残念なことにエッチな気分になったりはしませんでした。正直、あまり効果は良くわかりませんでしたが、なんとなく、元気になった気はしました。
■レメットのレストランがビデオやHPを作っていました
この記事を書くためにいろいろ調べていたら、レメットのレストランが自分たち自信でHPを作っていたり、ビデオを公開しているのを発見しました。

Nhà hàng Xuân Chuレストラン

Bamboo Snakes Gardenレストラン


■レストランのパンフレット
僕達が訪問したレストランのパンフレットを掲載しておきます。蛇はベトナムでも高級品ですので、「中国の宮殿かよ!」って思う非常に立派な作りのレストランで出されます。日が暮れる前にレメットを訪問し、何軒かレストランを訪問し、リサーチしてから食べるのがいいかと思います。「蛇は特別なときに食べる高級料理」と言う事が非常によく伝わってきます。

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■日本でも蛇を食べたい
蛇は遠いベトナムでしか食べられないんだろう。

つい最近までずっとそう思っていたのですが…なんと、日本でも蛇が食べられることが判明しました!! その名は珍獣屋 横浜の野毛にあるお店です。早速行ってきました!!

珍獣屋の看板。ダチョウ? カエル? ワニ? 鹿? なんだか色々あるそうです。


メニューを見ると…ひよこ、イモリ、ワニ…
蛇は大丈夫ですが、ひよこちゃんは可哀想過ぎてムリです。


そしてこれが蛇。ベトナムで食べたのと違って全然ゴムっぽくなく、むしろ、鳥のささ身みたいな感じで美味でした。店長に仕入先を聞くと、ベトナムからだとか。ベトナムから食用の蛇を独自のルートで入荷しているそうです。部位や料理法によって蛇も美味しく頂ける食材になるのですね。


5人で珍獣屋に行って食べて2時間位でお値段は25000円。あっという間にディズニーランドに行けちゃう金額が飛びますが、珍しい物好きにはオススメのお店です。
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