今はデリーに行くのを考えたほうがいいかも…深刻なスモッグ警報発令中!

■スモッグの中、18台の自動車が多重衝突!!

インド人たちもスマホを難なく使いこなす今日このごろ。何か目新しいニュースがあると、すぐに連絡がやってきます。最近、大気汚染が酷いという話は聞いていたのですが、そんな話の中で、送られてきたのがこちらの動画です。

こちらは2017年11月8日にデリー近郊のデリー・ヤムナー・エクスプレス・ハイウェイ上で起こった18台の自動車の多重衝突の映像です。

スモッグで周りが全く見えないじゃん!と思いながら見ていると、霧の中から後続車が現れ、次から次へと衝突するという、驚きの内容でした。



■インドのニュースを見てみると…
The Indian Expressの記事「Delhi smog: Expert tips on how to save yourself from air pollution」によると

現在、デリー近郊だけでなく、ハリヤナ州やパンジャブ州と言った近隣の州が厚いスモッグに覆われています。深刻な大気汚染のため、数多くの交通事故や死亡者もでている模様です。インド政府は安全のために学校を休校にし、子どもたちを危険で有害な空気から守るようにと要請を出しました。

しかし家の中にいたとしても安全ではありません。多くの人々はマスクを着用し、空気清浄機も導入しています。全インド医科大学のランディープ・グレリア教授は、現在の汚染状況ではN95マスクと空気清浄機でも完全に効果的ではないと言います。深刻な大気汚染のため、窒死性の呼吸器疾患の患者数が大幅に上昇しています。

と言った、日本であれば国難とも言える緊急事態が起こっています。

また、同じくThe Indian Expressの記事「As Delhi air quality worsens, expats in a dilemma to leave or stay」によれば

デリーの大気汚染の悪化により、駐在員達が帰国するか留まるか思案中。

英国から家族でデリーにやってきたエミリー・ビルドさんもその一人だ。室内には3台の空気清浄機があり、空気の汚染度を測る機械も購入した。2歳の息子と3歳の娘はマスクを付けながら生活している。大気汚染の状況がこのまま続けば、帰るしか選択肢はない

とのこと。

日本の駐在員さんたちも帰国を考えているのでしょうか…
これを書いているインドパパも、デリーに何名も友人がいますので、大変心配です。

■Twitterでもレポートが
11月8日のデリーの模様です。昼の3時だと言うのに、空気が赤い色を帯びて夕方のように見えます。デリーでは厚いスモッグで全小学校が休校しているとのこと。 公衆衛生緊急事態です。


国際的な大気汚染の基準は1平方cmあたりPM2.5の濃度が25ugだそうですが、現在のデリーは1平方cmあたり317-492ugと、国際基準の19倍に達しています


子どもたちはマスクを付けて登校中


空気が汚すぎて何も見えない状況になっています
■スモッグの発生原因は
昨年まではスモッグの原因はディワリの花火によるものだとされていました。しかし、今年、ディワリの時期の花火の販売が禁止されたので、昨年よりも大気汚染は少なくなったはずです。しかし、大気汚染はまだまだ続いています。

インドのニュースサイト#SWARAJYAによれば、大気汚染の原因はディワリの花火ではなく、農民たちの野焼きによるものだと言います。2017年11月に撮影されたNASAの衛星写真には、白い雲と赤い点が写っていますが、これがパキスタンとインドを厚く覆うスモッグです。

スモッグが厚くインド亜大陸を覆い、決して晴れることがない状況が見て取れます。写真に写っている赤い点が、高温を検知した所ですが、赤い点はインドの農村地帯に広く分布しています。と言う事は、高温の理由は、刈り取った農作物の野焼きによるものだと想像がつきます。



野焼きを禁止する法律もでき、政府としては厳しく取締をしているようですが、農民が幹線から遠く離れたところで野焼きをしていても見つけることも、取り締まることも難しいのでしょう。

実際に、私達、ティラキタ買い付け班がインドを訪ねてみると、まだ普通に石炭が使われていたり、郊外のゴミ集積所が燃えていたり、トラックが黒煙を吐きながら走った行ったりと、「これじゃあ大気汚染は良くならないよなぁ…」と強く感じます。急激な社会の発展に、公衆衛生の意識が追いついていないと言う感じがします。

この写真は実際にティラキタ買い付け班がジャイプルを訪問した時に撮影したものですが…あまりの汚さに言葉もありませんでした。ポイポイとゴミを気軽に捨てるなよ!!って日本人だったら誰もが言うでしょう。



また、インド人達の家の中は大変綺麗にするが、外は一切綺麗にしないと言う不思議な習慣も、状況の悪化に拍車をかけている気がします。インドは汚い国だと僕らのような外国人は思いますが、実際にインド人の家にお邪魔してみると、驚くほど綺麗だったりします。外は汚しても低カーストが片付けてくれる(低カーストに仕事を与える)場所であるから汚してもよく、家の中は自分の場所なので、できるだけ綺麗にすると言った様な昔からの習慣があると思われます。

私たちはきれい好きな国民なのよって、何回かインド人マダムの口から聞いたことがあります。正直、冗談かと思いましたが、彼女たちは至って真面目です。きれい好きだったら、外もきれいにしろよって思いますが、彼女たちにとっては、それは何かが違うようなのです。

この様に、インドの大気汚染の問題は、彼らの使っている燃料や、野焼きなどの習慣だけでなく、彼らの精神性に根ざしている部分もあります。大気汚染問題がインド人達自身の力で解決できるようになるまでには、都市部だけでなく、田舎に住んでいる人々の意識の変革も必要になりますから、最低でもあと10年はかかるでしょう。もしかしたら20年以上かかるかもしれません。

大気汚染のないインドになった時、インドが真に豊かになったと言えるのだろうなと思いますが、その時に、インド人たちのメンタリティがどの様に変化しているのか…大変、気になる所です。

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