インド人の薬剤師、効果のありそうな薬をフルコースで出してきた!! 人生初 一日50回トイレに行った日

目次
■緑色の便が出てくる!!











今回、インドの洗礼を受けたのは1年半前にティラキタに入社してきた鈴木くん。ティラキタには、新人は、必ず一回は海外買い付けに同行するというルールがあり、今回は鈴木くんと一緒にインドにやってきました。
鈴木くんはもともと、中央アジアを旅行していたり、キューバに行っていたりしていたハードコア旅行者なので、「きっと大丈夫!! インドの洗礼は受けないだろう…」と僕も彼も思っていたのですが…
実際に来てみると、数日デリーに滞在しただけで体調を崩し、緑色の水下痢に、悪寒、嘔吐、腹痛、頭痛、発熱というフルコースの苦しみを味わうことになってしまいました。

■初めてインドに行くとほぼ必ず体調を崩す
インドに行くのがはじめての人と一緒に買い付けに行くと、ほぼ必ずと言っていいほど体調を崩します。数年前はアメスピくんが体調を崩し、インドの列車の中でゲロしたり、4つの薬が混合された、とんでもない薬を飲まされる羽目になったりと散々な目に会いました。
現地でお世話になっているドグラさんには

と言われる始末。返す言葉がありません。
■なにがいけなかったのか…
インドに来るとだいたい体調を崩すので、僕たちも口にする物には、相当気を使っています。基本的に火を通したもの以外は口にしませんし、食事前にはちゃんと石鹸で手を洗って食べます。飲む水はもちろんミネラルウォーターのみ。
正直、何が原因なのか全然わからないんです。
ティラキタの買い付けがちょっと過酷だからでしょうか…。

ティラキタの買い付けは、狭い市場の中とか、曲がりくねった路地の奥や、イスラム人街のど真ん中などの、インドの最深部まで行きますので、当然、普通の観光旅行よりも、衛生状態が悪いところに行きます。
そしてまた、取引先から「チャイはどうだ? 昼飯はどうだと?」と誘われ、なかなか断れない状況に陥ることもしばしば。
だからこそ、衛生面にはだいぶ気をつけて、病気にならないようにしているんですが…日本の生活になれきった僕たちの体は、やっぱりインドの病原菌に負けてしまうのです。
インドにいる菌は日本の菌とは違う。
インドにいる菌は日本の菌よりも凶悪である。
そう思って、もっと自衛が必要なのかもしれません。
とは言っても限界があるんですけどねぇ…
■薬局に行って薬を買ってきた
鈴木くんが体調を崩してから、一日ほど様子を見ていたのですが、全く体調が良くならず、完全にヤラれてしまい、ゾンビのような目をしているので、薬局に薬を買いに行きました。
テクテクと薬局に歩いていき…


と、4つの薬を出してくれました。お値段は4つの薬で合計400ルピー。600円ほどです。インドはほとんどの薬を自国で生産しているので、薬の値段は他の国に比べてとても安いのが特徴です。
早速宿に帰って袋を開けてみると…

まず、どの薬もやたらデカい!!!
日本ではお目にかかったことのない大きさで、飲むのが大変そうです。
そして見るからに危険そうな色をしています。
オレンジとか黄色とか、この色は薬の色じゃないよ!! 薬の色は白だよ!!

この薬なんて、中に変な色の小さなつぶつぶが入ってるよ!!
こんなの見たことないよ!!!
■飲んでもいいかどうか日本の薬剤師に聞いてみた
これをそのまま飲むのは怖いので、飲んでもいいかどうか、友人の薬剤師に写真を送って聞いてみることにしました。
インドで薬を買ったんだけど、ちょっと見て欲しいんだよ。





それから、この悪そうな色のやつ。これは、ロペラミドとオフロキサシン、オルニダゾールって書いてあるけど。。


オフロキサシンは抗生物質ね。オルニダゾールは日本では発売されてなくて、アメーバ赤痢や、ランブル鞭毛虫などの感染症に使う抗生物質。



そういえば、この薬はどこで買ったの?


ちなみにこれ一日何回飲むように言われたの?


今一度、薬局に行って出された薬をまとめると…
・胃酸分泌抑制薬ラベプラゾール 日本の処方の2倍分
・吐き気を抑える薬ドンペリドン 日本の処方の3倍分
・ピタリと下痢を止める薬ロペラミド
・アメーバ赤痢や、ランブル鞭毛虫などの感染症に使う抗生物質
・もう一個抗生物質オフロサキシン
・抗がん剤の吐き気のとき使う薬オンダンセトロン
これを一日2回飲めと言うのです。
インド人の薬剤師、効果のありそうな薬をフルコースで出してきたのでした。
■薬が簡単に買える国 インド
インドの薬局で薬を買うときは、基本的には日本と同じように薬の処方に医者の処方箋が必要なはずです。薬のパッケージにも処方箋なしでは購入できませんとちゃんと書いてありますが。でも、この国ではそんなルールがあってないようなもの。薬局に行けば、抗生物質から、麻薬に属するオピオイド系の薬まで、ほぼ、どんな薬でも簡単に購入することができます。
普通に考えると、すごい便利なようですが、薬同士の飲み合わせも管理できないでしょうし、通常量の数倍が入っているということは、副作用も強いでしょうし。
また、あまりにも安易に抗生物質が処方されることで、薬剤耐性菌ができ、結果としてその抗生物質が使えなくなります。薬剤耐性菌が多い国で、病気になったら…打つ手もなく死ぬのを待つしかなくなる可能性があります。インドだけでなく、ベトナムや中国でもこのような問題が発生していると聞きます。
ですから、薬が簡単に買えるのは全く良いことではないのですが、インドではそんなことよりも、目先の病気がすぐに良くなるほうが、みんな嬉しいんですよね。
インドは自由な国で、自由って凄くいいけど、自由すぎるのも問題だよなぁ…と、インドの薬を飲んであっという間に回復した鈴木くんを見ながら思うのでした。

いつも読ませてもらっています、今回はインドに初めて行くと発症するということで、仕事柄
薬品名も出て、興味津々で読みました。インドは凄い所ですね、いつかは行ってみたいと思ってます。
内容は衝撃的でした。
投稿、ありがとうございます。
インドに初めてと言うよりも、インドに身体が慣れるまでは、何回訪問しても下痢するんですよね。それが面倒なところです…
でも、ちゃんとしたレストランで食べて、観光だけだったらここまで体調を崩さないとは思います。下痢以外はすごく楽しいところですので、ぜひ一度、遊びに行ってみてくださいませ