インド人の宗教観と優しさがあふれ出る 牛のうんちの化粧品爆誕!!
目次
■インドとアジアから化粧品を集めまくった3年間!!
ティラキタでは3年ほど前から、化粧品の輸入をしています。ここで言う化粧品とは、アイシャドウや口紅のことだけでなく、石鹸やシャンプー、マッサージオイルも含んだ、いわゆるドラッグストアで売っているような製品たちのことです。
一般の方々はあまり知らないことですが、実は、石鹸も法律上の区分けでは化粧品です。法律では私達の肌に触れるものであれば何でも化粧品なんですね。
海外では、素敵な石鹸やスキンクリームなどが店頭に並んでいますが、あれらは免許がなければ輸入ができません。
法律で規制がかかっている理由は「肌につけるものは、なにか有害な物質が含まれているかもしれない」という安全上の観点からなので、「自分たちの生活を守るためだもんね」と納得するしかありませんが。
でも、今は所定の手続きを経て輸入できるようになりました。
という事で、ここ数年、インドやアジア諸国から伝統的でナチュラルな製品の輸入を開始しているのですが…
なんとインドから、驚きの化粧品の輸入話が降ってきました。
■インドから化粧品はいらないかと連絡がやってきた
2023年7月の事です。ムンバイの取引先、ネハちゃん、ヒーラルちゃんたちから、「あなたの好きそうな化粧品があるのよ!」と連絡がやってきました。ブランド名はCowpathy。牛を主題にした化粧品会社を紹介してくれました。Webサイトも今風に丁寧に作られていて、ちゃんとした会社の様です。
サイトタイトルは 「Cowpathy | Pure and Natural Products from Cow」ですから「ピュアでナチュラルな牛の製品たち」という事で、これまた好感が持てます。サイトの中を見ていくと…シャワージェルや、石鹸や、リップクリーム、ハンドサニタイザーまで色々な製品が並んでいます。
例えばこちらの歯磨き粉。パッケージデザインもいいし、これはこれで輸入したら売れるかな?と思って、成分表を見ていった所…。
■牛のうんちの歯磨き粉だった!!!!
なんと、成分表には「Cow dung Ash(牛のうんちの灰), Cow ghee(牛のギー), cow Urine(牛のおしっこ)」だけが書かれています。
「え????? 牛のうんちの灰??」
更に付け加えると、牛のうんちやおしっこが何%製品に含まれているかの項目があったりします。
サイトの中をより詳しく見ていくと、Cow Dung Soap(牛のうんちの石鹸)があったり。Ubtanという牛のうんちを15g使ったフェイスパックがあったりします。
どうやらこの、Cowpathy、牛を全面的にフィーチャーした、だいぶユニークな会社のようです。
■私達の使命は牛のうんちとおしっこを使用した製品を作ること
Cowpathyの会社紹介によれば、Cowpathyの使命は、今まで役に立たないと思われてきた雄牛や、乳を出さない老牛に対して、活躍の機会を与えるとのこと。インドでは牛は聖なる動物として大切にされてはいますが、とは言うものの、実際の所、雄牛や老いた牛は邪魔な存在として扱われてきていました。
そこでISKCONのメンターであるGovinda Dasが提案したのが>「牛糞から石鹸を作れないか」と言うアイデア。牛糞とおしっこが活用できれば、すべての聖なる牛を保護できると言う訳です。
という訳で、Cowpathyでは牛の糞、尿、ミルク、ギー、ヨーグルトという5つの成分を使った消費者製品を作っています。これらの成分は、伝統的なインドの医学であるアーユルヴェーダにおいて高い薬効があるとされているのだそうです。
■面白い!! 輸入したい! けどなぁ…
いやぁ、牛糞から製品を作り出すなんて!!思ってもいなかった!!!
インドってやっぱり面白い!!!
って言うのが正直な感想でしょうか。
インドの方々が牛をことさら大事にしているのはよく知っていますし、農村部に行くと、毎日の生活に牛がどれだけ役に立っているのかはよくわかります。
牛のうんちは乾燥して燃料になりますし
牛はトラクター代わりになりますし
牛の乳は食料になります
しかし、近代化されたインドの都市部においては、牛はもはや生活を支えてくれる神聖な動物ではなく、道路の端っこに寝そべっている邪魔っけな動物に成り下がっているのを目にしたりもします。
きっと、ISKCONのメンターも、そしてこのCowpathyの創業者も、信仰の対象である聖なる牛が、あまりにもおろそかに扱われている状況を憂いて事業を始めたのでしょうね。実際にインドに行って、年々、牛ちゃんが街から減っていく状況を見ている僕としても、創業理由が分からない訳ではありませんもの。
牛のうんちの化粧品。
インドならではの、インドにしかない、なかなかいいアイデア商品だと思います。
でも、輸入するかとなると…
うーーん。流石になぁ…どうかなぁ…。
輸入できたとしても、お役所に睨まれてしまうかもしれないし、お客様に気持ち悪い会社として思われちゃうかもしれないし。
ここは日本だし!!という事で。
残念だけど、これは輸入しないほうがいいよね。
そもそも、牛のうんちは化粧品成分表のどれにも該当しないしな…お役所に怒られた時に言い訳が立たないよ。
という、極めて真っ当なところに議論が落ち着いたのでした。
■無料のアーユルヴェーダ&スキンケア カタログができました!!
という事で。残念ながら、うんちの化粧品は輸入しないことになりましたが、インドやアジアにはたくさんの素敵な伝統的な化粧品たちがあります。素晴らしいけど、日本にまだ紹介されていない!というのをテーマにアジア各地から色々な商品を選んできまして。
ティラキタのアーユルヴェーダ&スキンケア カタログができました!!
~インドとアジアのハーブをもっと身近に~
のコンセプトを基に、創業以来培ってきたインドとアジアへの知識とネットワークを活かし、様々な素晴らしい製品たちを輸入してきたのですが、3年経過しまして、やっとこカタログの形になりました!!
ぜひ、皆様、お買い物のついでに貰って行ってくださいね。