世界最大手のソーシャルな会社がインドで靴業界に参入か!?
インドに買い付けに行くと、毎年、新しいものや素敵なものが出現しています。今回、ティラキタ買い付け班のターゲットになったのはこちらのインドなデザインの夏物のサンダルです。ビーズやラメが散りばめられ、インド模様の刺繍が入っているとってもかわいいサンダルたちです。 値段もお手頃で1580円位で売りに出せます。
「これはいいね!!」
「カワイイ!」
「インドらしくってキュート!」
という事で、早速サンプルをインドに頼みました。程なくしてサンプルがデリーから届きました。段ボール箱を開けてみると、中からとっても可愛いサンダルたちが出てきました。
「なんか、インド人、僕らの欲しいものが判ってきたんじゃない?」
「凄いよね! 僕ら、インド人の教育に成功したよ!!」
「だって、もう15年も付き合ってるんだよ」
「15年かぁ…」
「そりゃ、判るようになるよなぁ…」
と、その長い道のりを感慨深げに思い返します。思い返してみると、過去には色々なことがありました。邪悪なミ●キーの音のなるコップが来たこともありました。自動車のバックミラーが再利用された伝統的なミラーが来たこともありました。ヒドい石彫りのお香たてが来たこともありました。
そんな長い道のりを経て、やっとこ、やっとこ、インド人が僕らの好みを解ってくれたのです。
苦節15年。文句を言い続けた甲斐があります。
嬉しくって泣きそうです。
一個一個サンプル見ていくと…そのうちの一つに、靴底に何か文字が書いてありました。
「あ!! これ! 靴底にFace○ookって書いてある!!!」
「そもそも、この会社、靴メーカーだったっけ?」
「違うよ!!」
「SonyをRonyとか、AiwaをALWAにするとかは見たことあるけど…これは新しいな!」
「どう考えても、靴は絶対に作ってないヨ!!」
「Face○ookの靴とか…新しい!! 新しすぎる!! 斬新だな!」
と、スタッフ全員爆笑しつつ、すぐにインドにクレームを入れました。
「あのね、インドでは著作権違反は問題ないけど、日本ではダメなんだよ」
「判ってる。今回はサンプルだから送ったんだ。次は送らないよ」
「ホント? 大丈夫?」
「ノープロブレム!! ジャパニ!! トラストミー!!」
「Face○ookの文字がついてる靴はダメだからね!」
サンプルだから送ったのだそうです。もう送らないそうです。
「判った! トラスト ユー!」という事で1000足の注文を入れました。数ヶ月経って、靴がやってきて。一個一個検品して行ったら…やっぱり!! やっぱり!!
ちょっとだけ商品の中に混じっていました。1000足位の中にこっそり5足だけ混じっていました!!!
黒地に銀色のスパンコールが刺繍されたシックでオシャレなサンダルなのですが…
裏を見ると、Face○ook!! しかも文字超でかいし…。
砂浜で歩いたらいい宣伝になりそうです。
「トラストミー!」って言ったのに! 日本の事解ってくれると思ってたのに!!
やっぱりなぁ…
文句を言うと「5足だけだからいいじゃないか。細かいこと言うなよ」ときっと逆ギレされることでしょう。日本では5足でもダメなものはダメなんだよ!
こういう大雑把さ、細部のツメの甘さはやっぱりインドだよなぁ…と思います。
ま、でも、うちはインドと取引しているので仕方のない事ですよねぇ?。
やってきてしまったFace○ook製の靴。
5足だけですが、当然、売れません。
すぐに廃棄です。
そして残りの995足は、こんな感じで売りに出されることになりました。