足の水を飲む?ネパールのTeej Festival
■サラダちゃんがやってきた
前回のメルマガで書いたネパール人のサラダちゃんが9月1日からティラキタで働き始めることになりました。本職はデザイナーですが、まずは会社に慣れてもらうため、色々な仕事をやってもらうことになりました。皆様、これからよろしくお願いいたします。さて、昨日サラダちゃんの洗濯機を一緒に買いに行こうと思ってサラダちゃんちに行ったら、なんとサリー姿で出迎えてくれました。「どうしたの?」とビックリして聞いてみたら
「今日はティージ・フェスティバルなんです」との事。
「赤いサリーを着る日なの?」と聞くと
「赤いサリーを着て、断食します。夫のために断食します」
「自分ではなく、旦那のために?」
「そうです。夫はシヴァと同じだから、シヴァのために祈るのは夫のために祈るのと一緒です」
■足の水を飲むネパールのTeej Festival
ティージ・フェスティバルとは8月末から9月頃に行われるネパールのお祭りで、既婚の女性がシヴァ神と、夫の健康のために断食をする日なのだそう。未婚の女性も良い伴侶が現れますようにと願って断食をするそうです。
sorce:wikipedia
他に何かするの?と聞いたら…
「夫の足の水を飲みます」
「え? 足の水?」
「私はやった事ないのですが、昔の人はやってました」
「足の水って…」
足の水を飲むって…いくら伝統的な事といえども、我慢の限界を超えているような気がします。足の水は臭ければ臭いほどいいのでしょうか? 臭う靴下はどうするのでしょうか? 洗わない足の汗が効果あるのでしょうか…想像はどんどん変な方向に向かっていきます。なんか妄想している脳内が変態的になってきました。
翌日、ティラキタのみんなに聞くと、
「旦那の足の水? 嫌ですよ!! 絶対そんなの飲みませんよ!!」
「エー! それはあり得ない!!」
との当然といえば当然すぎる反応。
「ねえ、サラダちゃん、足の水ってどう飲むの?」と改めて聞くと…
「まず、旦那の足の指をよく洗います」
「あ、洗うのね! 良かった…ホッとした…」
「それで両方の足の指を並べておくんですが、その足の指の上から水を流すんです。そして、親指に触った水を手で受け止めて、頭の上にかざし、その後、ちょっとだけ飲みます」
足を洗って、儀式的にやるということは理解できました。
決して、SMチックだったり、変態的であったり、ビザールなものではなさそうです。ちゃんとした宗教的なもののようです。
「神さまの体から出たものを取り入れることはいいことですよね?」
「うん、それは判る。」
「そして、旦那はシヴァと一緒。だから旦那の足の水を飲みます。」
「あー、そう言う考え方か…」
「結婚式の時、新郎も新婦も神さまと同じ扱いです。だから、親族は新郎新婦の足の水を飲みます」
「今でもやってるの?」
「やってますよ、私の結婚式でもやりましたし」
これはヒンドゥー教の教えと、ネパールの民間信仰がミックスされた習慣の様です。私が知らないだけかもしれませんが、インドでは足の水を飲むなんて話、聞いたことがありませんし。
写真をWebで探してみたら、綺麗に着飾って足にメヘンディを施した新婦が聖なる水を足にかけられている写真が出てきました。
「足の水ってこれ?」
「これですこれ!!」
あーーーー!!! なるほど!!!
なんか、ネパールでやってそうな気がする!!
ちゃんとした、聖なる儀式としてやってそうな気がする!!!
インドとネパールに関わり始めて20年が過ぎましたが、彼の地についてはまだ知らないことばかりです。
知れば知るほど面白い、インドとネパール。
これからサラダちゃんを通して、僕達がまだ知らないネパールの姿を日常的に見ることができそうです。
サラダちゃん・・既婚ですよねぇ。旦那様がいらっしゃるのですから。わかっていますが、ファンになってしまった!(笑) 不謹慎ですみませんでした。
何時も素晴らしいレポートありがとう。
サラダちゃん日本で頑張ってね。