ネパール大地震レポート – やってくるモンスーンに備えて
■やってくるモンスーンに備えて
多くの建築物と数ある世界遺産を崩壊させていった4月25日のネパール大地震から一ヶ月が経ちました。日本の新聞やTVでは既にこの地震関連のニュースは見かけなくなってきていますが、現地ではこれからやっとこ復旧にかかろうかというところです。
6月1日にインドの西の端、グジャラート州でモンスーンの雨が降り始めたという連絡がやって来ました。インド亜大陸を覆うモンスーンはこれから徐々に東に進み、一ヶ月もしないうちにネパールを覆います。2ヶ月間くらい続く長雨の季節がやってきます。
地震で住む家を失った人たちは雨が降ったらどうするのでしょう?
つい先日までネパールの人々は「余震が来ると建物が崩壊して危ないので家の中には入らないで」と頻繁にラジオで流され、キャンプのような生活をしていたそうですが、雨が来るとなったら、やっぱりどうしたって家の中に入る事になります。
だから、今、ネパールの人たちがやっている事は「これから来る雨期のモンスーンをどうするか」なのです
友人のラムさんの実家がランタン谷の方にあるのですが、そのラムさんち実家の崩壊から、とりあえず雨が凌げる部屋ができるまでを写真でレポートします。
■地震で完全に崩壊した実家
地震で完全に崩壊してしまったラムさんちの実家です。緑の部分には鉄筋が入っているのですが、やはりレンガ造り、地震には脆かったようです。
実家の中に入ったラムさん。呆然とし、疲れきった様子…。
使える木材をチェックしているところでしょうか。
同じ村の崩壊した家屋の写真です。もう、ぐちゃぐちゃ。
家の半分が崩れ落ちています。素焼きのレンガ、土、木とトタンだけで出来ていることがよく判ります。
同じように崩れ落ちた家屋。
夕方になっても見て回ります。
多くの家々が同じ状況になっています。
■まずは住める家を
すぐにモンスーンがやってくるので、家の再建を始めました。日本だったら地震があったとしても家は工務店に頼み、自分たちの手で再建することはないと思いますが、ここネパールの山の中ではなんでも自分たちの手でやらなければいけません。
まず穴を掘って…子供も手伝います
穴の深さを確認します
穴が出来ました。
掘った穴に木材を立てます。木材の上には青竹を組み、屋根とします。地面に直接木が立っているとそこから虫が入ってきて、食われてしまいますが、多分、それを考えてどうにかする余裕は今はないのだと思います。
だんだん出来てきました。震災で材料がなかなか手に入らない中、ある材料だけで作っていきます。
屋根の上に登って、針金で止めていきます
青竹の上に、トタンを葺いています。
屋根が無事に出来ました
そして、なんとか家の形が出来ました。自分たちの手だけで家まで再建しちゃうネパールの人たち、凄いなぁ…と思います。
近くに寄ってみました。
中に入ってみました
きっと、ある材料を持ち寄って作ったのでしょう。色々な所がつぎはぎです。地面を整地する為のコンクリートもないので地面は土のまま。隙間も開いていて、風が吹いたら寒そうです。でも、とりあえずこれでモンスーンは越せそうです。
広島?長崎?阪神・淡路?・・・・福島?広島市安佐南?ネパール・・・・→未来は??
世界中どこでも、誰にでも 諸行無常の響き有り です。合掌