アジアの各地で見かけるマッサージ器は誰が作っているのか?

■よく見かけるマッサージ用品は誰が作っているのか?
タイのバンコクやバリ島等の、アジア各地のおみやげ屋さんでよく見かける木のマッサージ用品ですが、その形も素材も驚くほど似ています。バンコクに行ってから、バリに行くとまた同じのが売られています。バリからトランジットでシンガポールの空港に行くとまた同じのが売られていました。その後、台北から友達が同じ風合いのものをおみやげに買ってきてくれました。どうやら、この木のマッサージ器はアジア全域に同じようなものが流通しているようですが、一体、誰がどのようにして作っているのでしょうか? この木製のマッサージ器具は、街や空港のおみやげ屋さんだけでなく、お洒落なスパ等でも売っていますが、もちろん彼らが作っている訳はないのです。

誰が作っているんだろう?
どんな所で作られているのだろう?
どのように作られているんだろう?


アジアの国々に行き始めて20年、現地の街をどれだけ歩きまわっても、その源流を発見することができなかったのですが…苦節20年、やっとこマッサージ用品の工場を発見したのでレポートしてみたいと思います!!

■秘密のマッサージ器工場に潜入!
マッサージ用品の工場はハノイから車で1時間ほど離れた所にありました。バナナが路肩に茂り、抜けるような青空の南国っぽい風景を抜け、小さな小道を進みます。


小道は乗用車がやっとこ一台通れるくらいの広さしかありませんが、僕らを載せた車はお構いなしに進んでいきます。たまに対向車がやってきますが、その時はちょっとした窪みを見つけて何とかやり過ごします。

ベトナム人は普段から狭い所を通り慣れているからなのか、狭い道での対向車のやり過ごし方が本当に上手です。「これはムリ! 物理的に通らないよ!」って言う路地でも魔法のように車を通してしまいます。


工場に到着したので、早速中を見てみましょう。まず、目についたのは大きい木です。この木はこれからマッサージ器として切り分けられる前の木で、素材はチーク材など。一本の木からはもっと大きな木材が取れますが、一番大きなところは家具や家に使い、残った部分でマッサージ器が作られるのだそうです。


バンドソーで木を切り分けていきます。一見、スイスイ切っているように見えますが、このバンドソーは超危険! 触るとあっという間に怪我をしてしまいます。この人、素手でバンドソーを扱ってるけど大丈夫なのかな…


大雑把に切り分けられた木がブロック状になって転がっていました。


鉛筆で下絵を描きます。


近づいてよく見ると、この下絵、大分大雑把でした…これでも大丈夫なのかなぁ…


下絵を鉛筆で描いた後、バンドソーでマッサージ器の形にしていきます。一箇所を切るのに必要な時間はほんの数秒。スイスイとまるで紙を切るかのように簡単に切っていきます。


大体の形が出来上がりました!! まだ木を切ったばかりですので、表面がザラザラしています。


粗削りの木片を電動ヤスリで削って形を整え、マッサージ器の形にしていきます。電動の工具で削っていくとあっという間に驚きのつるつる加減に!


最後に水をつけてもっとピカピカになるまで磨き上げます。水とヤスリだけでつるつる、ピカピカになるまで研磨していきます。このマッサージ器はラッカーなどの塗料は一切使っていません。ただ磨くだけで、まるでワックスをかけたかのような状態になります。
■アジア全域に行ってます


工場長の話によれば、この工場では一ヶ月に1万個以上のマッサージ器を作っているのだそう。作られたマッサージ器は、半量が台湾に輸出され、その他にインドネシアやタイにも輸出しているそうです。ベトナムで作って、アジア全域に輸出され、各国で販売されているのだそうです。

「ベトナムでは使ってないの?」
「使ってるけど、ベトナムで使うのは2割くらいかな」
とのオーナーの返事。
「うちのマッサージ器は台湾でよく売ってるよ」とも。

もしかしたら、バリのおみやげ屋さんで見たマッサージ器も。タイのスパで見かけたマッサージ器も。友達が台湾から買ってきたマッサージ器も。中国で僕の足をゴリゴリと痛くしたくれたマッサージ器も、全部ベトナム製だったのかもしれません。

なるほど、アジア全域に似たようなマッサージ器が分布しているわけです。各国の空港に行ったら、似たようなものがパッケージを変えて出現してくるわけです。いつもマッサージ器を見かける度に、「変だなぁ…なんで同じようなのがあるのかなぁ…」って思っていましたが、この工場を見て「なるほど!」って解決しました。

アジアって僕らが考えていたよりも密接に相互に関係しているんだなぁ…と改めて思わされた工場訪問でした。

■動画レポートも作りました!


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