インドの皆さまをアテンドしてわかる 日本に各国の小さなお寺が増えている理由



■ヒーラルちゃん一家がやってきた
ムンバイからヒーラルちゃん一家が日本にやってきました。25年前からの夢を叶える形での訪日です。

日本に来るのに25年かかり、インスタや、色々なメディアでリサーチしてきたので、頭の中はやりたいことでいっぱいです!

ディズニーランドに行きたい!
ディズニーシーも行きたい!!

チームラボに、それから富士山に、箱根にユニバーサルスタジオも。
もちろん金沢も、京都も、大阪も、北海道も、沖縄も行きたいわ~~!


ちなみにこちらが旅程です。


あまりの熱量の高さにこっちがびっくりするぐらいなのですが。彼女たちが日本にやってきて一番最初に行きたかったもの。

何だと思います…???
私達には、想像もつかないんですが…
















なんとそれはジャイナ教のお寺でした!

え?? ジャイナ教のお寺に行きたいの?

そうよ! もちろんよ

そもそも。ジャイナ教のお寺なんてどこにあるか知らないよ。しかもあったとしても、小さいし、本国の素晴らしさはないよ

それはわかってるわ。場所は東京にあるのよ

え~~!?? ほんと~!?

と思って調べてみると、確かに東京御徒町にジャイナ教のお寺が一軒ありました。日本にやってきたら、まずは自分の神様にお参りに行くというのは、大変立派な心構えだなぁと思います。


お寺見つけたから、連れて行くね


成田空港に到着し、全員を車に乗せて、まずはジャイナ教のお寺に出発です!
ディズニーランドよりも、シーよりも大切なお寺訪問です。

旦那さんのサチッドさんは、米国での滞在歴が長い、グローバルなITエンジニアなのですが、日本は初めてです。他の国々との比較を交えて日本を観察します。

日本は緑が多いよね
そして街が綺麗だね

他の国と比較して、大体何か感じがつかめてる模様。お喋りしながら御徒町に到着し、お寺に着きました。

お寺に着いたわよ。ここよ

え? ここ?

ほら書いてあるじゃない! 名前が書いてあるじゃない!

確かに~~

到着したそこは、ビルの入り口で、飾り気はなく、扉の上にShree Vasupujya Swami Jain Templeと文字が書いてあるだけでした。



ドアを開け、入り口で靴を脱いで、エレベーターに乗って4階に向かいます。

ここでは写真は禁止よ
あと土足も禁止
お寺だからちゃんとね!


エレベーターを降りると、ふわんとインドのお香の香りが漂ってきました。目の前に広がったのは、30平方メートルぐらいの、ちょっと広めのマンションの一室でした。

壁の色はクリーム色で、開け放たれている窓の向こうには、東京の下町が見えます。がらんとしている大広間の真ん中にジャイナ教の始祖マハーヴィーラの白い像が置かれています。

天井からは大きなベルが吊るされていて。お香でちょっと煤けていて。部屋の真ん中には銀の鏡と、オイルランプと、香炉が置かれたテーブルがありました。

来るまでどんな感じかと思ったけど、たしかにここはジャイナ教のお寺だな

日本かインドかと言ったら、やっぱり日本な雰囲気ですが。ふと、バンコクにいるような錯覚を覚える感覚もありました。

■あっという間に仲良くなる人々
お寺の中には、僧か小間使いかと思われる、おじいさんが1人と、40代ぐらいの女性がいました。ヒーラルちゃん、早速、40代ぐらいの女性に話しかけて、日本のジャイナ教食のことを聞いてます。

ねえねえ、日本でジャイナ教食ってどうしたら食べられるの?

それは難しい質問ねぇ…。基本的に日本食は無理なのよ
この街はインド人の人口が多いから、レストランがあるのだけど、ほかは難しいわ


ジャイナ教の方々は、宗教上、食事制限が多い人々です。
お肉はもちろん、魚、鰹節、卵はダメ、玉ねぎと、きのこも食べられません。

原材料がお肉なものは絶対にNGです。
ですから、ゼラチンやラードもNGです。もちろん、鰹だしもダメですね。お味噌汁もだしを使うから難しいです。

卵がだめとなると、パンがNGで、クッキーもほとんどNG。ふわふわしているものはほぼNG。日本で食べられるものは、ほとんどありません。

田舎に行ったら、本当に食べるものはないわ
きっと困るだろうから…
困ったら私に電話ちょうだい
そして、もしよかったらお家に遊びにも来てね
ちなみに私ここでダイヤモンドの商売してるのよ

■あっという間に繋がるネットワーク
異国に行って、その土地で成功している人に繋がるのはとても難しいことですが、ヒーラルちゃん、ただお寺にやってきただけで、あっという間に人脈を獲得しました。そして日本でのエマージェンシー避難先までゲット。

あ!! これが宗教と言うか、コミュニティの力か!

特にジャイナ教の方々は、インドの中でも1%ちょっと。厳格な戒律を守り、ほとんどの人は商売についていて。インドの中でも信頼できる人々だと知られています。

ジャイナ教徒で、異国に来てもお寺にわざわざやってくる人ということは、すなわち、ちゃんとした人であり、信頼できる仲間なのでしょうね。

想像ではありますが、お寺が入っているビルは、もしかしたら、先程の彼女一家のものなのかもしれません。ダイヤモンド商売で成功し、日本に土地を買って、コミュニティスペースを自分のビルの中に作ると。

そうすると、みんながやってくるので、情報も手に入るし、人脈もひろがるし、いろいろ商売的にもプラスだしと。良いことばかりなのかな?とか想像したりします。

■なんでお寺があるんだろう?
ここ最近、日本在住の海外の方々が多くなってきて、日本の各地に、彼らのお寺が増えてきてると感じています。

ジャイナ教のお寺は始めて知りましたが、タイのお寺、南インド系の方のお寺、イスラム系の方のモスクなど、さまざまな形の宗教施設ができてきています。超少数派のジャイナ教のお寺が日本にあるくらいですから、他の宗教のお寺は尚更でしょう。

信仰と心の拠り所としてのお寺はもちろん重要だと思うのですが。お寺は同じ土地からやってきて、同じ信仰を持ち、同じ価値観、方向性を持ってる人たちの、コミュニティスペースとして大変重要な役割を果たしてるのだろうなと実感したのです。

そういう場所がないと、人は会うことができず、集まることもできず、団結することも協力することもできず。

なるほど、そういうことなんだなと。

日本の中で、南アジア系の方々のお寺がどんどん増えていると聞いて、特にその理由も分かっていなかったのですが。

今回一緒に訪問してみて、なるほど!と思ったよ


お寺は心の拠り所としてだけでなく、異国に住む者同士、力を合わせて生活していく。その基本リソースとして必要なのですね。

ちなみにヒーラルちゃんたちと一緒にハチ公前に行きましたが…。なんとハチ公に20mも行列ができてました!! びっくりーー!!! インバウンド凄いなぁ…


ちなみにこちらは家でつくったジャイナ教徒対応寿司です。卵、生物、たまねぎ、肉、魚卵が一切使えないので難しかったーー!!!
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