インドは伝承医学に本気だ! アーユルヴェーダ専門大学を訪問する
目次
■インドは伝承医学に本気だ!
ティラキタ買い付け班、素敵なご縁があって、ケララ州ショーラヌールのアーユルヴェーダ医大PNNM Ayurveda Medical Collegeにお呼ばれされてきました。こちらがアーユルヴェーダ医大の表玄関です。インドの中の、そしてこの地におけるアーユルヴェーダの格式を感じられる立派な建物でした。
日本にいるとアーユルヴェーダはどうしてもマッサージの域を超えませんが。本国インドではアーユルヴェーダは、きちんとした医学として捉えられ、研究が行われ、次世代に継承されようとしています。
西洋医学を補完するだけでなく、西洋医学にできないことを行う医療として、アユシュ省という省庁まで設立し、本気で向き合っているのです。
ググってみたら、なんと神奈川県とアユーュ省が、アーユルヴェーダ、ヨガの相互理解と友好関係を深めると言う取り組みをしているらしい…。民間だけでなく、インド政府が本気でアーユルヴェーダやヨガなどを国際的に広めようとしているのを感じます。
■伝承医学の聖地ショーラヌール
伝統医学の聖地ショーラヌールはインドの南の方。まず、インドがあって、ケララ州がインドの南の方にありますね。そして、ケララ州の中のこの辺です!!ケララ州はGods own counrty = 神様の土地と呼ばれるほど、自然が豊かなお土地柄なのですが、その中でも特に自然の力が強い場所がこのあたり。
およそ100年前、ケララアーユルヴェーダを守り続ける伝承医(ヴァイディヤ)たちが、自分たちの理想とする場所、理想とするハーブが取れる場所を求めて拠点を構えたのがショーラヌールです。
こちらは病院の屋上から眺めた風景なのですが、ケララらしいヤシの木の森と自然に囲まれた素晴らしい場所でした。
ショーラヌールは南インドのケララ州にある小さな田舎町ですが、ケララアーユルヴェーダにとってはまさに聖地中の聖地ともいうべきお土地柄です。
■まずはアーユルヴェーダ病院を視察
病院の階段を登り、エントランスに入ると、インド、そしてアーユルヴェーダの場所らしく、神様が真ん中に祀られ、壁には聖者の写真が飾られていました。こちらが病院の受付。コロナ対策のために、席の間隔が広くとられていました。
学長先生のサンディヤさんに、病院の中を案内してもらいました。眼科、内科などの各部門を一つ一つ周り、教授たちに挨拶して回ります。なんか白い巨塔気分…。
この病院専用の救急車もありました。急患受付もしているんですね。
■アーユルヴェーダ大学も視察
学長のサンディヤさん、次は大学も案内してくれました。こちらの赤いレンガの中が医大のキャンパスです。
ここが図書館。アーユルヴェーダの文献がたくさん並んでいます。
ここが病理の部屋で
ここが実験室でと。
いろいろ紹介してもらって、改めてアーユルヴェーダを、インド人は完全に医学として捉えているのだなと認識。
ちゃんとした病院があり、ちゃんとした医大がある。
日本で見たことのある医療の風景がそこにはありました。
そしてなぜか私達、ヒマラヤ社の式典にお呼ばれされ…
アーユルヴェーダを学ぶ、大勢の学生さんに囲まれることになったりして。これだけの数の学生たちが古来からの知恵であるアーユルヴェーダを修め、未来に伝承していくのですね。
■病室はとっても広い
そしてティラキタ買付班、病院の病室に泊めていただいたのですが。これが超広いんです!! なんだこりゃ! これが病室か!!
冷蔵庫があり、シャワーがあり、洗面台があり、エアコンがついて…。
これって、完全にホテルだよ!!
実は、アーユルヴェーダでの入院と、西洋医学での入院ってだいぶイメージが違うものなのだそうです。
私達が考える入院は、いわば病気の急性期を乗り越えるための入院ですよね。
アーユルヴェーダでの入院は、それよりももっと幅が広く、回復期、そして体質改善までを行います。
一日に一回か2回のアビヤンガ(全身マッサージ)を行い、アーユルヴェーダの古典処方に即した飲み薬を飲み、そして長期間静養するという仕組みをとっているため、一つ一つの部屋は病室らしくなく、とても広いホテルみたいな感じなのが特徴です。
病院の近くにはこんな素敵な療養用のコテージもあったりして。
体調の優れない方たちが、ゆっくりと時間を過ごし、回復できるようにと気遣いがなされていました。
■近くには製薬部門も
また、これは別の記事で紹介することになりそうですが。大学の近くには製薬部門もあり、古典処方に基づき、古代からの方法でアーユルヴェーダのお薬が作られていました。■アーユルヴェーダはマッサージだけではなかった
私たちの視点からすると、アーユルヴェーダはオイルを塗りに塗られるマッサージという認識ですが。やっぱり本国に来てみると、アーユルヴェーダとはそんな浅いものではないんだなと気が付きます。古来からの学問であり、ちゃんと医療として扱え、実践的であり、次世代に繋ぐことができる、インドが誇る立派な文化遺産なのだと気がつくのです。
私たちが理解しているアーユルヴェーダと、彼らが真剣に取り組んでいるアーユルヴェーダは言葉は一緒でも、まったくの別物なのだなあと言う印象でした。