■21日間の外出禁止令
現在、インドはコロナウィルスの感染拡大を防ぐため、2020年3月25日から、4月14日まで21日間のロックダウンを実施中です。延長されなければロックダウンはあと5日で終了です。インドのロックダウンは日本の緊急事態宣言よりも遥かに厳しく、重要品の輸送、消防、警察、および緊急サービスを除いて、すべての公共交通機関が停止しました。すべての学校は休校になり、食料品店、銀行、ATM、ガソリンポンプなどの必需品以外のお店と工場は閉鎖されています。今回は、普段のムンバイとロックダウン中のムンバイを比較して、街の風景がどの様に変わったのかを書いてみました。
■人であふれるムンバイ
インドは人だらけの国です。
デリーも、ムンバイも、インドの大都市ではどこに行っても人だらけです。こちらは帰宅ラッシュ時のムンバイの様子。
バスに車、人とバイク、そして露店が入り混じって、極度の混沌状態に陥っています。
夜中のDadar駅付近です。
夜中の10時過ぎだと言うのに、多くの人が出歩いていて、街はとても賑わっています。
こちらはイスラム街のMasjid駅付近の様子です。
この様に、普段のムンバイはどこもかしこも人だらけ、車だらけです。
■すっかり人がいなくなってしまったムンバイ
ムンバイ警察の協力の下で、ドローンを使用して貴重な映像が撮影されました。
すっかり人がいなくなってしまい、ゴーストタウンの様になったムンバイが映し出されています。
映像は、ロックダウンが始まった3月25日から。
私達は「私達の街を見ていない」と言うテロップで始まります。
人だらけ、車だらけのいつものインドとは全く違う、全く人の姿のないマリーンドライブが映し出されています。
多くの人で溢れかえるはずの世界遺産ムンバイCST駅にも全く人がいません。
観光名所であるタージマハル・ホテル前のインド門にも人がいません。
関連省庁の許可を得て、この歴史的な瞬間が空撮されました。
先程のガランとした駅の外側であるCST駅から映像は始まります。
こちらはティラキタ買付班が撮影した、平常時のCST駅前の様子です。
タクシーや人で溢れかえっています。
しかし、ロックダウン中のCST駅前には、数えられるほどの車しか走っていません。
ムンバイ市民のデートスポットで、海沿いのドライブが楽しめるマリーンドライブには車が数台停まっているだけのようです。
ムンバイの慢性的な交通渋滞解消の切り札として建設されたバンドラ・ワルリー・シーリンク。8車線の道路を持つムンバイっ子自慢の橋ですが、ここにも車の影はありません。
ムンバイ南端のコラバ地区。右下に植民地時代に作られたた建物が写っていますね。ここもまた、街が死んだように静まり返っています。
コラバ地区の道路もいつもは車がいっぱいなのですが…
商業都市ムンバイ1の霊験があると人々に信じられている、金運の神様ガネーシャの寺院シュリ・シッディヴィナヤック寺院付近。インドで最も裕福な寺院の一つと知られ、参拝者が毎日何千人と押し寄せる寺院ですが、今、寺院は閉まり、人影はありません。
現在、ムンバイでは地下鉄の工事が進んでいます。
近い将来にはムンバイの国際空港と、南端のコラバ地区が地下鉄で結ばれる予定で、右手に見えるのが、その地下鉄の工事現場です。
空港近くのレクラメーションエリアから、バンドラ・ワルリー・シーリンクあたりでしょうか。
緊急性のある車両がポツポツ走っているのが見えます。
ムンバイの銀座的な場所にあるJJフライオーバーです。
まるでCGで消したかのように車がいません。
いつもはムンバイ市民で賑わうビーチですが、いまは全く人気がありません。
ムンバイのターミナル、ダダール駅のいつもの様子です。
人が川のように流れていきます。
しかし、ロックダウンが発令された今。ダダール駅には人の影がありません。
インドのロックダウンは2020年4月14日まで。
あと5日間ですが、果たして、インドはこのロックダウンでコロナを無事に抑え込めるのでしょうか。無事にロックダウンが解除され、インドが平常に戻ることを心から祈っています。