いやげ物も竹で作るよ!! 竹細工の国アッサムとインド東北部
■石の国インド
インドに行くと、ほとんどすべての建物が石で作られています。ヒンドゥ教の大聖地バラナシの沐浴場と呼ばれるガート沿いには、はるか昔に各地のマハラジャによって建てられた石造りの建物が並んでいます。
インドの辺境に行っても、やっぱり建物は石造りです。こちらの写真はパキスタンとの国境近く、Bhujのマーケット。今にも壊れそうな雰囲気の建物が素敵でした。
ヒンドゥー教の寺院や、モスクも当然、石で作られています。
こちらはレー王宮。土と石で作られています。ところどころに木も使われていますが、ごく一部分です。
この様に、基本的にはインド=石造りの建物の国です。
日本 = 木の国
インド = 石の国
そう覚えておいて、ほぼ間違いはありません。
多くの建造物は石で作られ、日本のような木で作られている建物はほとんどありません。
もちろん、完全にないわけではなく、地域によります。
この写真はヒマラヤの山の中に建つ、マナリの建物です。
1階は石造りですが、2階部分は木造です。
ちなみに屋根は瓦ではなく、平べったい石で葺かれています。
■アッサムの竹細工のお店
今回のティラキタブログでは、なかなかみんなに知られることのない、インドの竹文化を紹介してみたいと思います。
インドに竹文化が根付いている土地は、インド東北部のアッサム州を代表としたインド東北部です。
地図の線で囲ったエリアがインド東北部です。
インド東北部は、私達が知っている、いわゆるインドとは違う文化と気候風土に囲まれた土地です。独自の文化が育まれていて、どことなく東南アジアに近い感じもします。
アッサム州を走っていると、水牛を追っている風景に出会ったりもします。
アッサム州は田舎で、とてもゆったりとした所です。
アッサムの道を走っていたら、竹細工のお店が続々と出現しましたので、そのうちの一軒に寄ってみることにしました。
店頭に多数の竹細工が並んでいます。
ティラキタ買付班、インドに通うようになって25年になりますが、インドで竹細工をこれだけの数見たのは初めてかもしれません。
竹細工のお店は、なんとお店も竹で作られていました。
おばちゃんたちの白いアッサムサリーが美しいですね。
一個一個の商品を見ていったのですが、どれも丁寧にきれいに作られていました。
どれもこれも、日本でそのまま売れそうなレベルです。
竹の文化がそこまで発展していないはずのインドとは思えないほど、きちんと作られています。
昔の日本でも使っていたような、魚用の竹の罠もありました。
これは、日本のものとほとんど同じ構造ですね。
竹製のランプシェードに、竹製のかばん、うちわにゴザなど、とにかくありとあらゆる竹製品が作られ、販売されていました。
■竹の中で発酵させるヨーグルトも!
お店の中を色々物色していたら、青い竹の上にビニールが被せられている不思議なものを発見しました。
中を開けてみると、竹の中に白い何かが入っています。
「ん? これなんだろう?」と思って聞いてみると…
「それはヨーグルトよ!」との答え。
竹で作るヨーグルトなんて初めて見た!!!
ヨーグルトって、竹で作れるんだ…
■いやげ物も竹製
トリプラ州の物産館に行ったら、竹でできたユニークなお土産が売っていました。
竹の根っこで作った神様の顔。インド人ってば、どんな素材からでも神様を作っちゃうんですねぇ…
インド人が見たら「かっけえ!! 信心深いオレ、超欲しい!!」とかなるんでしょうか。
竹で作ったご婦人サイズの人形。デカすぎて全然欲しくないんですけど
竹で作った孔雀。これも欲しくないなぁ…
インド人が孔雀好きなのは知ってますけど、これは…
■全部、手で作っていました
この様な竹製品、日本や中国では、できる所は全部機械化されているはずです。
そうしないと、割が合いませんものね。
でもインドでは、インド東北部では、竹ひごを作るところから全部手作りでした。右のサリーを着たおばちゃんが竹ひごを作り、真ん中のおばちゃんが編んでバッグに仕上げます。
ちなみに着ている服がいいのは、Northeast India International Travel Martと言う外人にインド東北部の魅力を紹介するイベントだったため。
いつもと同じ竹細工の仕事をするのに、わざわざ一張羅のサリーを着てきたんでしょうね。
おばちゃんたち、毎日の仕事だから手元を見る必要もないようです。目は別の方を向き、手だけ動かしていました。使っている刃物はティラキタでも販売しているインドの包丁 - The Botiです。
このようにして、全てハンドメイドで、カラフルな竹製品が作られていました。
■使える場所にはどんどん使う!!
東北インドは竹が豊富なようで、よく見ると、色々な所で使われていました。
湖のバリケードとして使用されていました。
日本の竹よりもだいぶ肉厚ですね。
アルナーチャル・プラデーシュ州ではゴミ箱として使用されていました。
大きなゴザも作られ、運ばれていました!!
これはゴザなのか…それとも、なにか目隠しに使うものでしょうか?
竹でこんなでっかいものも作っちゃうんですねぇ…