どこもかしこもハロウィンの渋谷なみの大混雑! 人口が都市部に集中するインドの今



■人にあふれる大都市

ここ数年、訪れる度に、都市部の人混みが凄くなってきたよなぁ…と感じる様になりました。

これはお祭りの時のニューデリー駅前ですが、見渡す限りの人、ヒト、ひと!!


デリーの市場という市場は人で溢れ、歩きづらいったらありません。


ムンバイの市場であるマンガルダス・マーケットも、ラッシュ時は通りに人と車と荷物があふれ、「こんなのどうやって歩くんだよ!!」って言いたくなるくらいの混雑になります。


インドを歩けば人に当たる、人に触らずにインドを歩く事は不可能である、と言っても過言でない位の人口密度です

まぁ、デリーやムンバイの人混みは今に始まったことではないのですが、それが、年々、人が多くなっている様な気がするのです。

友人のドグラさんに話を聞いてみると、

「あー。確かにデリーにはどんどん人が集まってきてるよ。」


「やっぱり? そんな気がしてたんだ」


「俺は北のヒマーチャル・プラディーシュ州から出てきたんだけど、俺と同じ様に田舎の州から、どんどん人が出てくるんだ。」


「日本もそうだよ。東京に人が集まってくる。」


と、インドでも日本でも、都市部に人口が集中すると言う現象が発生していたのでした。

■車の増加が拍車をかける

人口増加以上に、街が混雑している感じを受けるのは車両の増加です。もともと人口が多くて街がごみごみしている所に、経済成長が始まり、車が爆発的に増え始めました。

道の整備が全然整ってない所に、車の数だけ多くなっていったのです。




「今、デリーでは一日に800台も車が増えてるんだよ」


「え! 一日800台も!!!」


「そうなんだ。だから渋滞は日に日に酷くなるだけなんだよね。緩和されることは一切ない」

「道路の整備をしている様だけど…」


「全く追いついてないよ。11月のディワリの時期になると空気が汚くなったと言うことで、ナンバープレートによる規制をするときもあるんだけど。」

「それはどう言うの?」


「オッド・イーブンと言って、ナンバープレートの、偶数奇数で走れる車を決めるんだ。今日は奇数の日、今日は偶数の日って。」


「あ~。そうすると車の数が単純に半分になるって言う事ね。」


そうなんだけど、そもそもの人口が多すぎて、そこまでは効果がないんだよね。


「ねえ、今、デリーにはメトロがあるよね」


「あれがなかったら、デリーは動かないよ」


「そうだよね。年々、人口は増えるし、渋滞はひどくなるし」


「メトロがあるから、まだどうにかなってるんだよ」


■ムンバイでも大混雑

さて、もう一つの大都市ムンバイはどうかと言うと、こちらもまた、大混雑。

こちらは夜中のムンバイの動画で、しかも繁華街の外れなのですが、それでも人がそこら中でウロウロしてます。


こちらはムンバイのターミナル、ダダール駅の様子です。人が川のように流れていきます。



朝晩の通勤列車は日本のラッシュを遥かに超える混雑具合で、文字通り殺人的。電車から人がはみ出しまくり、駅では信じられない光景が展開されます。


■バラナシでも大混雑!

バラナシの混雑はちょっと状況が異なります。デリーやムンバイの混雑は生きるための糧を求めて都市部に集まる現象ですが、バラナシの混雑は、全国から観光客と、バラナシで死にたい人が集まったもの。

中心部のゴドリヤー交差点では、このムービーのように、バイクはおろか、歩行者ですら全く進めない状況が出現します。



■12億の人口が、都市に集まる

今のインドで起きているのは、情報化により、今までは知らなかった都市の魅力が、地方の農民に伝わり、みんなが都市にどんどん集まってきている状況です。

もちろんこの状況は日本でもありましたし、現在も進行中ですが、インドの場合、問題になるのはその巨大な人口。

なんせ、インド人達は12億人も居るんですよ!!!

12億人のインド人が、都市部に集中するんです。

それは人口過密になりすぎるよなぁ…と。

中国とかはその辺を上手に調整してる様で、都市部の戸籍、農村の戸籍と分けて、農村から人口必要以上に移動しないようにしているみたいですが。

自由な社会であるインドにはその様なシステムはなく、移動も居住も自由です。

■手を打っていない訳ではない

押し寄せる人口、爆発的に増え続ける車両に対して、インド政府も手を打っていない訳ではありません。

むしろ、凄くよくやっています。

デリーのメトロはどんどん延伸され、デリー市内、そしてデリー郊外をくまなくネットワーク化しようとしています。

現在、デリーの街中ではそこら中でメトロの工事がおこなわれています。え、こんな遠くまで!って言う所でもメトロ工事が進んでいます。

ムンバイでも空港から、最南端のタージマハルホテルがあるインド門までのメトロが、日本の援助で進行中でした。


また、デリーでは家が強制移転させられ、その跡地に、6車線、8車線の、ここはロサンゼルスかよ!って言うレベルの道路がどんどん出現しています。

この写真はデリーのヤムナー河に新しく建設されたSignature Bridge。この様に最新の技術を投入した橋や道路が次々と作られています。


でも、それだけ頑張っても。12億の人口が集まってくる流れには抵抗できてない。

今のインドはそんな感じなのです。













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