インド人のソウルドリンク – チャイ
インド人のソウルドリンクとも言うべきチャイは深くインド人の生活に密着しているだけあって、単純ですが、実はとっても奥深い飲み物です。インドは世界的な紅茶の産地で、ダージリン等の産地が世界的に有名です。でも残念なことに、上質な葉っぱはまず英国に送られ、そして日本や米国などの諸外国に買われていって、結果、インドに残るのは2級品の葉っぱだけ…
インド人達は、輸出したあとの残った葉っぱをなんとか美味しく飲もうということで、CTCと呼ばれる方法を考え出しました。CTCとは、CRUSH(押しつぶす)、TEAR(引き裂く)、CURL(粒状に丸める)という工程を経て作られる茶葉の加工方法のこと。インドに行くとチャイに入れるお茶の葉っぱがコロコロと丸く、茶葉らしくないのに気がついた方も多いと思いますが、それはCTC紅茶だからなのですね。押しつぶし、引き裂き、丸めた茶葉は普通の紅茶とまた違った独特の香りが出てきて、これがチャイの味の半分を形作っています。だから通常の紅茶でチャイを作ろうと思ってもインドで飲んだあのチャイの味にはならないのです。
じゃあ、もう半分の味は?というと、これはインドの新鮮な牛乳の味ということになります。この牛乳は殺菌していない、より原乳に近い、濃厚な物がベスト。昔のインドであれば、多くの人が農業を営んでいて、新鮮で濃厚な牛乳が簡単に手に入ったのですが、ここ最近は日本と同じように殺菌したものが多く流通するようになって来ました。私も含めて、多くのインド旅行者が「ここ5年くらいでインドのチャイが美味しくなくなった」と言う原因の一つは殺菌され、流通している牛乳を使っているからだと思うのです。
さて、このチャイ。街によって、違う形で出てきます。コルカタやバラナシ等の東インドではチャイは素焼きのカップに入れて出てきます。手のひらにちょこんと乗る素焼きのカップで、ちょっと力を加えるとパリンと簡単に割れてしまいそうなくらい脆いもの。陶器なのに、作った人の指の形がしっかりと残っていて、チャイを飲むと陶器から出てきたと思われる細かい粒子が口の中に残ります。
そして飲み終わったらその辺の道端に投げてパリン!と壊して終わりです。
「え、これ捨ててしまうの?」と勿体ない気持ちがしますが「人の使ったものは不浄」というヒンドゥー教の概念からすると、当たり前の事のようです。捨てないで取っておこうとすると、インド人の手が伸びてきて、あっという間に投げ捨てられてしまいます。
チャイは人間関係の潤滑油としての役割も果たしています。インドパパが買い付けに行くと、一日に何十軒も問屋やお店、工場を廻るのですが、必ず、チャイを出され、チャイを飲まないと買い付けができません。
「ねえ、これ欲しいんだけど。」
「ねえ、ねえ、このガネーシャが30個欲しいんだけど」と言っても、
「まずはチャイを飲んでから」と言う調子です。
「もうチャイ飲めないよ! 今日10杯目だよ!」と言っても
「まぁ、そう言わずに飲め飲め!」と無理やり飲まされます。
チャイを飲まないと話が進まないので、結果、一日に何十杯もチャイを飲むことに…。チャイでお腹がいっぱいになり、昼ごはんも夕飯もなにも食べられなくなってしまいます。
南インドに行くと、チャイは小さなステンレスのカップを上下組み合わせた不思議なスタイルで出てきます。一番最初に見た時、「え? これステンレスだけど、どこにもチャイがないじゃん!?」とビックリしました。カップが2つになっている訳は暑いチャイを移し替えながらチビリチビリと飲むため。また、2人で飲むときに分けて飲むことができて便利です。砂糖の入れ加減によってもチャイの味が変わるので、最初は砂糖を多めにして。飽きたら味を変えてと言う楽しみ方も出来るのが南インドのチャイです。
チャイをよく飲むシチュエーションといえば、やはり電車の中。インドでの移動は時間がかかりますし、とっても暇なのでついついチャイが欲しくなってしまいます。でも、一番まずいチャイがこの列車の中で出てくるチャイなんですよね。列車の中で出てくるチャイは、薄くてぬるい牛乳にティーバッグを入れてくれるのですが…これが本当にマズイ! とってもマズイ!
「こんなまずいチャイ出すなよ!! てか、ティーバッグ使うなんて反則だよ! こんなのチャイじゃないよ!」と飲むたびに思ってしまいます。
さて、ここで日本で作れる美味しいチャイの作り方をご紹介。日本で美味しいチャイを作る場合のポイントは3つ。CTCの紅茶を使うことと、できるだけ濃厚な牛乳を使うこと、そして、限界まで砂糖を入れること。この3つが揃えば、濃厚な牛乳でCTC紅茶を煮出すだけで出来あがりです。
砂糖をどんどん入れると「これ飲んで、大丈夫かなぁ? 太らないかなぁ?」ととても心配になるのですが、そんな事を心配していてはチャイのコクが出てきません。コクが出るまで我慢して砂糖をドシドシと入れて作ってみてください。
素焼きのコップで飲むチャイは特別 |
じゃあ、もう半分の味は?というと、これはインドの新鮮な牛乳の味ということになります。この牛乳は殺菌していない、より原乳に近い、濃厚な物がベスト。昔のインドであれば、多くの人が農業を営んでいて、新鮮で濃厚な牛乳が簡単に手に入ったのですが、ここ最近は日本と同じように殺菌したものが多く流通するようになって来ました。私も含めて、多くのインド旅行者が「ここ5年くらいでインドのチャイが美味しくなくなった」と言う原因の一つは殺菌され、流通している牛乳を使っているからだと思うのです。
さて、このチャイ。街によって、違う形で出てきます。コルカタやバラナシ等の東インドではチャイは素焼きのカップに入れて出てきます。手のひらにちょこんと乗る素焼きのカップで、ちょっと力を加えるとパリンと簡単に割れてしまいそうなくらい脆いもの。陶器なのに、作った人の指の形がしっかりと残っていて、チャイを飲むと陶器から出てきたと思われる細かい粒子が口の中に残ります。
そして飲み終わったらその辺の道端に投げてパリン!と壊して終わりです。
「え、これ捨ててしまうの?」と勿体ない気持ちがしますが「人の使ったものは不浄」というヒンドゥー教の概念からすると、当たり前の事のようです。捨てないで取っておこうとすると、インド人の手が伸びてきて、あっという間に投げ捨てられてしまいます。
チャイは人間関係の潤滑油としての役割も果たしています。インドパパが買い付けに行くと、一日に何十軒も問屋やお店、工場を廻るのですが、必ず、チャイを出され、チャイを飲まないと買い付けができません。
「ねえ、これ欲しいんだけど。」
「ねえ、ねえ、このガネーシャが30個欲しいんだけど」と言っても、
「まずはチャイを飲んでから」と言う調子です。
「もうチャイ飲めないよ! 今日10杯目だよ!」と言っても
「まぁ、そう言わずに飲め飲め!」と無理やり飲まされます。
チャイを飲まないと話が進まないので、結果、一日に何十杯もチャイを飲むことに…。チャイでお腹がいっぱいになり、昼ごはんも夕飯もなにも食べられなくなってしまいます。
南インドに行くと、チャイは小さなステンレスのカップを上下組み合わせた不思議なスタイルで出てきます。一番最初に見た時、「え? これステンレスだけど、どこにもチャイがないじゃん!?」とビックリしました。カップが2つになっている訳は暑いチャイを移し替えながらチビリチビリと飲むため。また、2人で飲むときに分けて飲むことができて便利です。砂糖の入れ加減によってもチャイの味が変わるので、最初は砂糖を多めにして。飽きたら味を変えてと言う楽しみ方も出来るのが南インドのチャイです。
チャイをよく飲むシチュエーションといえば、やはり電車の中。インドでの移動は時間がかかりますし、とっても暇なのでついついチャイが欲しくなってしまいます。でも、一番まずいチャイがこの列車の中で出てくるチャイなんですよね。列車の中で出てくるチャイは、薄くてぬるい牛乳にティーバッグを入れてくれるのですが…これが本当にマズイ! とってもマズイ!
「こんなまずいチャイ出すなよ!! てか、ティーバッグ使うなんて反則だよ! こんなのチャイじゃないよ!」と飲むたびに思ってしまいます。
さて、ここで日本で作れる美味しいチャイの作り方をご紹介。日本で美味しいチャイを作る場合のポイントは3つ。CTCの紅茶を使うことと、できるだけ濃厚な牛乳を使うこと、そして、限界まで砂糖を入れること。この3つが揃えば、濃厚な牛乳でCTC紅茶を煮出すだけで出来あがりです。
砂糖をどんどん入れると「これ飲んで、大丈夫かなぁ? 太らないかなぁ?」ととても心配になるのですが、そんな事を心配していてはチャイのコクが出てきません。コクが出るまで我慢して砂糖をドシドシと入れて作ってみてください。
チャイ専用の紅茶があるとは知りませんでした。
参考になりました。
ありがとうございます。