魔法のワンピース200枚が廃棄寸前! 海外との意思疎通は難しい。
先週から新しいデザインの魔法のワンピースが訳あり1000円で出ているのに気がついた方もいらっしゃると思います。
実はこのワンピース、ネパールと意思疎通がうまく行かず、結果として当初思ったようにできなかった物なのです。
ねえ、これどうしよう。捨てる?
だめです! 捨てるとかなしですよ
でも…そしたら慈善団体に寄付するとか?
う〜ん。凄い安くしてお客さんに貰っていただくのはどうでしょう?
ワンピースとしては十分着られるし、捨てるのはあまりにももったいないので訳あり価格で販売することになりまして、せめて飛行機代位は出せないだろうかと思っている所なのですが…
ちなみにちゃんとできた場合の販売価格は6800円を予定しておりますので、1000円は本当にネパールからの送料と消費税だけ。ティラキタ的には大赤字ですがやっぱりモノは大切に扱いたいと言う事で、訳あり特価にしました。
ちょっと工夫すれば結構楽しく着られますので、このお値段は正直、凄いお得だと思います。
目次
■実際に製品になるのに1年
このワンピース、一年前から準備していました。普通のワンピースの倍の量の生地を使い、前面の生地を肩にかけたり、ボタンで留めたりして何通りにも着られるようにした魔法のワンピース。
シンプルかつエスニックに着こなすことができるとっても素敵なデザインで、これはきっとみんな好きになってくれる!!と、自信を持って制作してきたものです。
■送って受け取って、また送って…
海外で新しいデザインのものを作ってもらうには、Step 1 : 日本でのデザインとサンプル作成
Step 2 : 海外にサンプル発送
Step 3 : 海外の工房で作ってもらってできるか、理解してるかを確かめる
Step 4 : 日本に送り返してもらい再度チェック
Step 5 : 大丈夫になるまでこのやり取りを繰り返し
Step 6 : 販売できるクオリティになったら多めに作ってもらいます
この様な長い長い手続きがあります。
友人のベリーダンス屋さんガラムガラムの店長さんは「俺は一ヶ月インドに滞在して、製品が希望通りできるまで何回も手直ししますよ。だって勝手に色々変えてきますからね!」との事。
確かにそれの方が確実で早いのかもしれません。
でもインドやネパールに一ヶ月缶詰にならなければいけませんしね。一長一短です。
■特別なデザインのワンピース
このワンピース。今まで見た事がない特別なデザインのワンピースです。
布地は二重になっていて、フレアな感じになっているので、布の量を普通のワンピースとは比べ物にならないくらい使います。使用する布の幅 は90cm幅のものでは足りず、150cm幅の特別な幅の布が必要です。そして肩の部分にボタンがついていて、かつ、スカートの下の方にもボタンがついています。
一見しただけではどのように着るか全くわからないのですが…でも実際に着てみるとこんなに素敵に!!
■ネパールにサンプルが到着
ネパールにサンプルが到着し、ティラキタから送ったサンプルを見たネパール側のスタッフは送られてきたものを見て、何これ? どうやって使うの? なんで布が2枚重なってるの??
と、さっぱり使い方がわからない様子でした。
それもそのはず。私達にとっても今まで見た事もない全く新しいデザインですから。
布地はね、途中で切っちゃだめだよ。
中の生地がきれいに見えるのも重要なの。
肩の部分の糸もなくさないでね!
ボタンは可愛く大きめなのね!
と、何度も説明します。
そして一ヶ月後…ワンピースが出来たと連絡があり、サンプルが返送されてきました。
やってきたワンピースは。。。私達が送ったものとはちょっと違ったけど、大体オッケー。これであれば量産にかかれます。
■生産にかかってもらう
サンプルが大体オッケーだったから200枚くらい注文しておきました。荷物の到着時期に合わせて生産して貰いますので、サンプルの制作から生産までブランクが数カ月ありました。
忘れないかな〜とちょっと不安になりますが、まぁネパール側にもサンプルが残ってるだろうし大丈夫でしょう。
■実際に届いてみると…ダメじゃん!!
さて、実際に届いてみると…ダメじゃん!!重要なところが違ってる?!!
プレーンでなければいけないはずの前面部分にミシンが入ってるヨ!!
肩のボタンホール役の紐が短いヨ!!
'
サラダちゃんに電話して聞いてもらうと…
これね…生産の際に150cmの布を使うとやっぱり高いので90cmの布を使ったんだよ。
えー。何回も言ったじゃん…
だって、まさか2枚ある生地をめくって着るデザインだとは思わないよ。
まぁ見たことないデザインだしねぇ…仕方ないとは思うけど…
肩の紐がスカートの下のボタンかけになってるなんて、びっくりだよ。
だからサンプルからデザインを勝手に変えちゃったよ。
と言うのです。
要はネパールの人たち、何回説明しても、根本の所で分かってなかったのでした。
■意思疎通って難しい
本当に意思疎通って難しいものです。よく考えたら夫婦の間でも、友達との間でもありますものね。遠く離れて文化も違うネパールだったらなおさらです。分かったようでいてわかってない。
そもそも理解してないけど、わかった気になっている。
日本とネパールだけじゃなくても、そんな事、普段の人間関係にもありますよね。特にネット経由だったらなおさらです。
インターネットが進歩して、テレビ電話ができるようになったとしても、やっぱり、実際に会ってやり取りする大切さは変わらないんだなと感じた一件でした