人がゾンビのようだ! 狂乱の春の宴インド・プシュカルのホーリーを全力レポート

■そろそろホーリーの季節がやってくる!!!!
お祭りが多いインドの中でも、インドで一番激しいお祭りというので有名なのがホーリー祭です。

ホーリーは春の訪れを祝い、豊作を祈るためのお祭りですが、広いインドの中でいろいろな伝説や習慣がまじり、現在、インドで楽しまれているような色粉をかける祭りになりました。

2018年のホーリーは
 3月2日(金)


ホーリーまで、あと一ヶ月を切りましたので、インドにいる方、行かれる方は、どこでホーリーを楽しもうか、どこでホーリーを回避しようかと考える時期になりました。

ティラキタ買い付け班、以前からいろいろな場所でホーリーを経験してきました。1996年はコルカタで、2000年はデリーで、2015年はグジャラートで。

どのホーリーも地域性や個性があって楽しかったのですが、昨年2017年はインドで最も過激にホーリーが行われるという噂のプシュカルに行き、ホーリーを実際に体験してきましたので、全力でレポートしたいと思います。


■前日に到着すると宿がない!!
プシュカルはもう何度も行っているから、ホーリーの日だけ行けばいいよね…という事で、ティラキタ買い付け班、隣町のジョードプルから8時間かけてバスで真夜中にプシュカルに移動しました。



プシュカルに到着したのは夜中の10時。だいぶ遅い到着です。早速ネットで予約した宿にオートリクシャで連れて行ってもらいチェックインしようとすると…

お前のホテルはないとびっくりする事を言われたのです。
お前のホテルはこの街にはない!!!
え? だって、ホテル名も住所も一緒じゃん!!!! お前のホテルはこの街にはないってどういう事? ここに予約完了のメールがあるよ!
それはこのホテルを以前経営していたヤツの別のアカウントで、今は俺達が経営しているんだ
だって、HOTELS.COMで予約してきたんだよ?
とにかく文句はHOTELS.COMに言ってくれ…ほら、電話番号も違うだろう? そして今日はホーリーの前日だから、部屋は満杯なんだ。
夜中の10時に部屋を探せと!! ホーリーの前日に探せと??? この街で、今日、空いている部屋が一個もないことを知ってるくせにそういう事を言うの??

インド人とラチのあかない話をしている内に、だんだんと話がわかってきました。一言で言うと…「オーバーブッキングしたから、お前の部屋はない。でも、自分たちの責任だと認めたくない」という事です。夜中の10時に来なかったから、他の客を入れてもOKだと思ったんでしょうね。

あ?あ?あ?もうインドだよなぁ…
インドでありそうな話だよなぁ。
そしてヤツらは絶対に自分のミスを認めないんだよなぁ…………

仕方ないので、友人に電話をして助けてもらいましたが、初めてインドに来た旅行者だったらどうするんでしょう…。インドの路上で一泊するなんて冗談にもなりません。狂犬病を持っている可能性のある野良犬と一緒に野宿とか、考えただけでガクブルです。

ちなみにプシュカルはラジャスタンの小さな町なのですが、ホーリーと、プシュカルフェアの時にはたくさんの観光客が訪れるので、ホテルは2-3倍近くの相場になり、全室満室になります。イベントのある時にプシュカルに行く場合には数日前には到着したおいたほうが良さそうです。

あ、ちなみにオーバーブッキングされたホテルはこちらです。評価が良くないけど、なんでこんなとこ予約したんだって?? ホーリーだから宿が見つからなくてねぇ…



■宿を出て5分でTシャツを破られる!!!!
朝方10時頃に、プシュカル市内に出てみると、既にホーリーは始まっている様子で、街ゆく人たちが色粉でカラフルになっていました。



バイクに乗ったおじさん家族もすっかりホーリー色。



街のあちこちでこの様にホーリーの色粉が売られていました。
赤に青に緑にピンク…どれもどぎつい色です。



テンションの高い軍団に捕まるとあっという間に色粉まみれにされてしまうので逃げます。



がしかし!!!
危機は突然、あっという間に訪れました。

写真のこいつがやってきて、Tシャツをいきなりむんずと掴み、ビリビリビリと引きちぎられたのです!!!!

着ている服を破いて脱がされるなんて人生で初めてだよ!!!
プシュカル市内を歩き始めて5分もしないうちの出来事でした…
あまりの事にちょっと呆然…




■街を行く人がゾンビのよう

気を取り直して、プシュカルの市内をてくてくと歩きます。男性の多くは上半身裸で歩いています。きっと、僕と同じように脱がされたんでしょうねぇ…

人間はカラフルなのに牛だけは全く何もされていません。実はこのホーリーの日は牛に触ってはいけない、牛と遊んではいけないという決まりがあるそうなのです。牛さん良かったね…そうでなければ、抵抗できずに全身カラフルにされちゃうもんねぇ。



街の中心部に近づいていくと、ゾンビのような肌の色をした人達が増えてきました。



真っ黄色になっている男たちや…



カラフルになっているおじさんもいました



■あまりの混雑で街の中心部に近づけない
街の中心部にどんどんと近づいていきます。中心部に近づくにつれ、どんどん人口密度が高くなっていきます。あまりの混雑で街の中心部に近づけないのではと思われる感じです。



人がぎゅう詰めの中、じりじりと進んでいき…



もっとどんどん進んでいくと…遠くから音が聞こえてきました!!



■街の中心では狂乱のレイブパーティーが行われてた

街の中心部では、重厚な低音とともに、トランスミュージックが爆音でかかっていました。音楽に合わせて大騒ぎするインド人たち



街のど真ん中の小さな広場では数千人とも思える人たちが、ぎゅうぎゅうのすし詰め状態になりながら、爆音に身を任せ、踊っています。色々なパーティーに行ってきましたが、今までに見たことがない凄まじい光景です。



何か飾り付けでもしてあるのかな…と思ったら、これは全部、脱ぎ捨てられた服でした!!

プシュカルの街に到着してから5分もしない内にビリビリに破られた僕の服と同じ運命の服たちが、踊るインド人たちに投げて電線にかけられ、デコレーションに見えていたのでした。



■小さな広場に数千人が

普段は農家のおばさんが野菜を売り、牛が草をはんでいる街の中の小さめな広場が数千人のダンサーに覆い尽くされている様は圧巻!!

スピーカーは壁のように聳え立ち、
大袋でホーリーの粉を持ってきてかけるヤツがいて、
色粉と土煙で空気がかすみ、
トランスの爆音が耳をつんざきます。
ここ、どこ!!!!???
ここ、どんな世界!!??





高いところに登ってちょっと余裕が出てきたので、周りを見回してみると…周辺のレストラン、建物の屋根の上にも人が鈴なりになっていました!!



アップにしてみましたが、ダークな色彩の男どもがぐちゃぐちゃに絡まり合ってもう何がなんだか!!




■それでも無法地帯ではない
プシュカルの中心部の広場ではスピーカーが壁のように積まれ、狂乱の宴が開かれていますが、それでも無法地帯ではありません。たとえ小さなスピーカーであっても、許可された場所以外で音を出し、踊って楽しむのはダメみたいなのです。

広場からの帰り道、興奮しきったインド人たちが自分のお店の前にスピーカーを出し、小さなパーティーを始めたのですが、5分もしないうちに警察がやってきて強制的にストップさせられていました。

ホーリーの時間も大体決まっていて、夕方3時位になったら広場のスピーカーも音を下げ、マイルドに終了。人々は色々なもので酩酊状態にありますが、インドなりの秩序はきちんと保たれているように見えました。

プシュカルのホーリーは一見無秩序の混沌に見えますが、道行く人はみんな楽しそうで、口々に言う合言葉はハッピーホーリー!!!!

「ホーリー楽しかっただろ!!? また来いよ!!!」ですって!!!


■プシュカルホーリー動画
動画を作りました!!
こちらを見ていただくと、より詳しく、プシュカル ホーリーのとんでもなさが体感いただけると思います。
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