[追記あり]最悪の中毒性を持つドラッグを社会全体でどうやめさせるか – タイとベトナムを比較して考える
目次
■バブルの雰囲気が漂うベトナム
買い付けに行くと、飛行機だけでなく、バスや電車などいろいろな交通機関に乗ります。買い付けの目的地が、ローカルバスすら通っていないド田舎であるときも多く、そんな時はタクシーをチャーターして向かいます。
この写真はベトナムのハロンからハノイに戻る時に乗ったバスなのですが、室内のLED照明が、とってもサイケデリックでした。落ち着いた感じが好きな日本では考えられないイケイケな照明です。
今、ベトナムは経済成長の熱気に包まれていて、 国全体がバブル期の日本のような雰囲気です。だから照明もこんなサイケデリックな感じになっちゃうんだと思うんですよね…
さて今週は、国によって大きく異る東南アジアの喫煙、禁煙事情をお伝えしたいと思います。
■禁煙している人にタバコを勧めまくるベトナム
ベトナムは南の国なので、外で飲んだり食べたりする文化が発展しています。
ベトナム人の若い人たちは仕事が終わるとバイクで街にやってきて、その辺に路上駐車して…
街中のビアホイと呼ばれる飲み屋や、カフェでたむろして、ワイワイガヤガヤと楽しい夜を過ごします。ちなみに飲酒運転は普通のこととして日常的に行われています。
ハノイの街中には素敵なカフェも多く、ちょっと一息つくのがとっても楽しいんですよね。
そしてそこで出されるのが…こちらのセット。
なかなか自由にタバコを吸えない日本と違い、ベトナムではほぼどこでもタバコが吸い放題。そして、たばこ一箱あたりの価格はなんと70円と驚きの安さです。
だから飲み会になると、たばこはほぼ無料のような感覚になり、殆どのベトナム人がバカスカと吸い始めます。友人のタイさんも、タイさんの親戚のおじさんも、遠慮なしにタバコを吸います。
ベトナム人男性はみんな、タバコが大好きです。
そして、もっと最悪なことに、禁煙している人にまで「今日はいいよね?」、「飲んでいるからいいよね?」と半ば強制的にタバコを勧めまくるのです。
禁煙してるんだからやめてくれよ!!!!って思うんですが…
つい誘惑に負けちゃうんですよねぇ…
ベトナムは小中国と呼ばれるほど中国の文化的な影響を受けていて、このタバコを勧める文化もその一つ。日本では人にタバコを勧める事はしませんが、中華圏では人にタバコを勧めるのは当たり前のことです。
中国のビジネスマナーによると
訪問先では基本的にこちらから先にタバコは吸わないほうがよい。相手が吸う場合は、挨拶のときに必ずといっていいほどタバコを勧めてくる。このとき、勧められたタバコを遠慮して、自分のポケットから自分のタバコを取り出して吸い始める態度がもっとも良くない。
「 あなたからの好意は受け取れません 」 と拒絶の意思表示をしているのと同じである。自分もタバコを吸う場合は、相手の差し出したタバコを必ず吸わなければならない。火をつけるのも同様で、ダバコを勧めてきた相手が火をつけてくれるケースがほとんどである。
「 あなたからの好意は受け取れません 」 と拒絶の意思表示をしているのと同じである。自分もタバコを吸う場合は、相手の差し出したタバコを必ず吸わなければならない。火をつけるのも同様で、ダバコを勧めてきた相手が火をつけてくれるケースがほとんどである。
とのこと。
■喫煙者がいないタイ
同じ東南アジアの国々でも、タイは全く事情が異なります。ベトナムから飛行機に乗ってタイに降り立ってみると…ベトナムで普通だった喫煙者の姿が全くありません。そして、街のどこを探してもタバコがありません。
綺麗なフードコートの中には一人も喫煙者がいませんでした。
街中には素敵な屋台がありました。
吸いやすそうな場所ですが、ここでも吸っている人を見かけません。
スーパーに入ってみたら、タバコの販売コーナーがありましたが…
何だこの最高に汚ならしいパッケージ!!!!
こんなの、見たくもないし、手に取りたくもないよ!!!
しかも、タバコ販売ブースにはシャッターが付いていて、係員に言わないと買えないようになっています。ご丁寧に鍵までかけられるようになっています。
友人が持っていたL&Mを撮影させてもらいましたが、L&Mだとわかるのはパッケージの僅かに1割か2割の部分のみ。その他の部分には「タバコを吸うとこうなるよ」と言う病気の写真が入っています。
タイで喫煙者がほとんどいない理由がわかります。
そりゃ、こんなの買いたくないよなぁ…
喫煙者を減らすにはこれくらいやらないと効果がないのかもな、でもちょっとやりすぎな気も…。
■最悪の中毒性を持つドラッグを社会全体でどうやめさせるか
タバコってば、最悪の中毒性を持つ強力な物質です。ヘロインよりも依存性自体はちょっと落ちますが、入手のしやすさを考えれば人類最悪の中毒性を持つドラッグだと認定して間違いはないでしょう。
「こどものためのドラッグ大全」によれば
タバコはいったん吸い始めて一定期間が経過すると、もっとやめるのが困難になるドラッグのひとつだ。禁煙挑戦者の生涯禁煙成功率は、ある統計によればたった五%程度でしかない。この強い精神的依存性は、ニコチンによって引き起こされるものだ。ニコチンはタバコの葉に二パーセントから八パーセントまで含まれているアルカロイドで、猛毒でもあり、六十ミリグラム程度摂取すれば死んでしまう。
ニコチンに関しては、いまだに多くのひとたちが、「ニコチンの依存性はそれほど強くない」と考えている。なかにはニコチンには、依存性などまったくないと思っているひとさえいる。「タバコくらいいつでもやめられるさ」「彼(彼女)は、タバコさえもやめられない、意思の弱いひとだよ」といった日常会話に、そうした思惑がみてとれる。しかし、今日、ニコチンは、ヘロインやコカインとほぼ同等か、それらをも上回る、強い依存性をもったドラッグであることが、明らかになってきている。
ニコチンに関しては、いまだに多くのひとたちが、「ニコチンの依存性はそれほど強くない」と考えている。なかにはニコチンには、依存性などまったくないと思っているひとさえいる。「タバコくらいいつでもやめられるさ」「彼(彼女)は、タバコさえもやめられない、意思の弱いひとだよ」といった日常会話に、そうした思惑がみてとれる。しかし、今日、ニコチンは、ヘロインやコカインとほぼ同等か、それらをも上回る、強い依存性をもったドラッグであることが、明らかになってきている。
とのことですし、
また、Wikipediaによれば、ニコチンはヘロインよりもちょっと落ちるけれども、コカインよりも依存性の高い物質であるとされています。
きっと、タイではタバコがヘロインやコカインを上回る依存性をもったドラッグだと言う認識のもとで販売管理をしているのでしょうね。一度常習性がついたらなかなかやめることは出来ないので、そもそも、タバコがない社会、タバコを買いづらい社会にしてしまえばいいということなのでしょう。
その反面、ベトナムでは、今までの中華圏の文化のまま、特に根本的な対策をしていません。だから、最悪の中毒性を持つドラッグを止めたい人にまで勧めまくる、禁煙した人に勧めまくると言う困った事態が発生しています。
日本ではどこでも簡単に買えるタバコですが、健康は害するし、口は臭くなるし、お金はなくなるし、癌になるしと全く良いことはありません。
タバコは吸ったらなかなか止められないので、そもそも吸わせないのが一番の対策です。ティラキタでも水タバコを売ったりしているので言いづらいっちゃ言いづらいのですが、将来的には、日本でもタイと同じくらい厳しい政策を取ったほうが良いんだろうなとは思いますけど…日本はこれから、どうなって行くのでしょうか?
■タイにアイコスを持っていくと逮捕される!!
このブログを書いてから、更に信じられない情報がやってきました。それは…タイにアイコスを持っていくと最悪の場合、逮捕されると言うのです。あのね、インドパパ。私の友人がタイにアイコスを持っていって、罰金を10万(バーツだか、円だかは定かではない)取られたんだって。タイは電子タバコもダメなんだって。 | |
アイコスで罰金? 懲役もあるの? ウソでしょ!!!!??? | |
落とし穴ですよね〜。逮捕されちゃう事もあるみたいだから、もっと皆に知ってもらえたらいいですね! |
とのこと。タイ商務省から電子タバコ禁止条例が2014年12月27日に発令され、アイコスやGlo、他の電子タバコも全部含めて禁止されたのだそうです。
違反した場合、最高で10年の懲役、または50万バーツの罰金のいずれかが科せられるのだそう。売買目的だけではなく、個人的な所持・利用も罰せられますのでタイへ行かれる際は十分ご注意ください。