密集した市街地の中で行われる インドの劫火の奇祭ホーリカ・ダハン 現地レポート

■すごい祭りに出会った
今回は、有名な色粉祭りホーリーの前夜祭が凄かったのでレポートします。人口密集地の交差点で、ビルの中庭で、日本では絶対に許されないレベルの巨大な焚き火を作って、悪を燃やし尽くす祭りです。こちらは、交差点で行われている現場です。あまりにも火が大きいので、交通標識が焼け焦げています。
それはあまりにも普通のことらしく、警官は全く気にしていません。大きな炎の横を電動リクシャが何事もなかったかのように通り過ぎていきます。
こちらはビルの中庭で行われている現場です。光景だけを見ると完全に火事です。

これは完全に事件!!!! 災害!! いや祭害!!
凄すぎる~~~~~~!!!!
消防に怒られる~~~~www

もうインド飽きたよ。30年も来たんだよ
■有名な色粉祭りホーリー
基本的にインドは暑い国です。4月から9月くらいまでのサマーシーズンはとても暑くて、旅行どころではありません。自然と旅行シーズンは10月から3月になります。10月くらいは「まだインドに行かなくっても大丈夫」とか思っているのですが、2月くらいになると

そろそろ行かないと行けなくなっちゃう!
20年ぐらい前はホーリーを全力で楽しんでいました。こちらはデリーで色粉まみれになった日のこと。

有名なプシュカルのホーリーも行って来ました。それはそれは凄くて、忘れられない体験でした。
とは言うものの、ホーリーに参加すると、体中がエイリアンみたいな色になるし、爪に入った色粉の色は全く取れないし。

ホーリーはもういいかなぁ…


はて?なんだろう、このゴミの山??
■ムクールさんに連れられて

今夜はホーリーの前夜祭、ホーリカ・ダハン(Holika Dahan)だよ!
夜になったら始まるから見に行こう!!
時刻は11時半。真夜中だと言うのに、街は祭りの熱気に包まれています。大人も子どもも、街の人みんなが外に出ているかのようです。スピーカーからは大音響で音楽が流れていて、多くの人々が先程のゴミの前に集まり、今か今かと待ち構えています。

近くには聖なる牛のうんちを売っているお店があり、買い求める人々で賑わっています。

ごみの山に近づいてみてみると、外側には数多くの牛の糞が置かれています。そして礼拝用の小さなディヤも置いてありました。ごみの山に見えたものは、聖なる祭りの準備なのでした。


これから聖なる火を燃やすんだ。木や藁も燃やすけど、牛の糞(カウダング)も燃やすよ
燃やすことで、悪いエネルギーを取り払うんだ

牛糞は聖なるもの。それで悪を追い払うんだね

そうそう!
ほら、あとちょっとで火が付くよ
大きな山に火がつき、そして業火となり夜空を赤々と照らします。事件か事件じゃないかって言ったら、これはもう完全に事件。犯罪か犯罪じゃないかって言ったら、日本では、もう完全に犯罪な感じ!!!!
でもインドではみんなが楽しむお祭りの始まりなのです。

その炎のサイズと言ったら、日本では決して許されることがない超巨大サイズ。インドの建物が石造りだからでしょうね。火事の心配がないからでしょうね。建物の横で、平然と巨大な炎を作り出していて、消火用の水の用意などは一切されていません。


建物の作りが違うから、火事への感覚がこうまで違うのか…

ホーリカ・ダハンはね、インドの中でも特にウッタール・プラデーシュやビハールの人たちが行うお祭りなんだよ。うちの一家はヒマーチャル出身だから、ホリカ・ダハンは祝わないんだ。ホーリーは祝うけどね

やっぱり地域差があるの?

もちろんあるよ。インドは一つじゃないからね
そして、このホリカ・ダハンなんだけど。デリーのあちこちで、コミュニティ単位で行われているんだよ

好き勝手にやっているわけじゃないんだ?

コミュニティ単位だね。
各コミュニティごとに作るんだよ。デリーのあちこちで行われていて、もっと大きなのもあるよ
■盛り上がるホーリーのこと
そして、これを書いているのはホーリー当日なのですが、各地から盛り上がりまくるホーリーのレポートが届いています。インドの中で特にホーリーが盛り上がる土地がいくつかあり、一つは私達も体験したプシュカル。
そしてヒマーチャル・プラデーシュ州のマンディ。
あと、マトゥラー(Mathura)とヴリンダーヴァン(Vrindavan)
ネパールのカトマンズも有名だそうです。

ホーリーに行くともみくちゃになるからなぁ…
でも一生に一度だからな…そのうち行こうかなぁ。