23年やっても飽きないよ! ティラキタの毎日のお仕事について



今回は、知られざるティラキタの仕事の内情について書いてみたいと思います。

私達は、ティラキタの仕事が本当に面白く、興味深い仕事だと思ってやっていて、毎日、ほぼ飽きることがありません。

こんなに面白い仕事はないよね!!

って毎日思い続ける日々です。

今回は、実際に働いている私達が、熱量を持ってティラキタの仕事の魅力を紹介したいと思います。

■ティラキタの仕事は、日本のネットショップ
まず基本の紹介をしてみます。

ティラキタは、小さな日本のネットショップです。
パッキングスタッフも合わせて、十数人で運営している、小さな小さな、家族みたいな会社です。

世界各国から集めまくった、6810種類、29万点の商品を取り扱いしていて、インド、ネパール、タイ、インドネシア、ベトナム、中国、フランス、スリランカ、パキスタンの9カ国と取引しています。

毎日のルーチンは、多分、他の会社と大差ありません。

 朝起きて、定時に出社して
 その日の売れ行きを見て、パッキングして
 丁寧にお客様対応をして
 現地とのやり取りをして、通関業務をして
 商品の写真を撮って、HPに出品して
 ネットの会社なので、プログラミングもして
 もちろん買付けにも行って

そんな感じの毎日です。本当に普通の会社の普通の日常です。
でも、その毎日の中に、色々な面白さがあります。



■ティラキタの仕事は、人々を支えること
ティラキタの仕事の一つは、インドとアジアの人々を支えることです。
商品を注文し、経済を回すことによって、人々を支えています。

正直、この仕事を始めた頃は、「自分たちの行動が人々を支える事ができる」なんて思ってもいませんでした。そんなのは綺麗事って思っていました。

でも20年以上やっていたら、自分たちの毎日の仕事が、インドやネパールの人々を支えるようになっていたのでした。

それを実感したのは、現地に行ったときのこと。
20年以上の付き合いの、デリーのドグラさんと話をしていた時のことです。


最近、他の会社との取引はどうなの?

モーリシャスの取引先から最近注文ないんだよ。だからお前がいなくなったら食えないよ。うちはティラキタとの仕事が一番大きいんだ

え? 仕事うちだけ?

だけって事はないけど。9割はティラキタだね。もう、俺たちは運命共同体なんだよ。お前が死んだら俺も死ぬ。そう言う感じだよ



また、つい先日、ネパールを訪問したときのことです。
その日はティージ・フェスティバルという、ネパールのお祭りの日で、工場のみんなが集まって楽しんでいました。

ここにいる人達みんなが、ティラキタからの仕事で食べているんだよ

あ、そうだよね…。そっか、この人たち、みんな、うちからの仕事をしてくれているのか

ここはフェルト工房だけど。衣料品工場の人も、ヘンプの仕事をしている人たちもだよ

お世話になっているネパールのラムちゃんは、ティラキタの他に、米国にも輸出しています。何百人という従業員を抱えているので、ティラキタだけ、という訳ではないのでしょうが。でも、数量は少なくても、わたしたちの注文が、一助になっていることは間違いのないことです。

先日の訪問時に、カシミールのザヒッドさんにも

いつも、僕たちが作っているカシミールの商品を売ってくれてありがとう。カシミールの制作者たちが本当に助かっているんだよ

と言われました。

ティラキタを初めて23年。いつしか、私達からの注文が、ネパールやインド現地の人々の生活を支えるようになっていました。

■ティラキタの仕事は、文化を伝えること
そしてまた、とっても大切なティラキタの仕事は、文化を伝えることです。

ちゃんと現地に行き、現地の人と話をして理解をし、できるだけ正確に文化を伝えるのが仕事です。



とは言うものの、チームで仕事していますので、ティラキタ社内でも、知識の偏りはもちろんあって。
担当者によっては、たまに間違えたことを書いちゃうことだったります。

ねえねえ、これは違うんじゃない? この生地はデリー製じゃなくって、バラナシ製だよ

社長、そんなのわかりませんよ。ネットを調べたらそう書いてあったんです

それはわかるけど、ちゃんとした事を書かなきゃだめだよ。きちんとした情報と知識を伝えるのは大切な仕事だよ

間違いは発見し次第すぐに修正して。自分たちが現地で見てきた知識そのままを伝えられるようにしたいと、いつも考えています。

AI全盛で、まるで見たことがあるようにしれっと嘘がつけるこの時代だからこそ。
ちゃんとした文化を伝えるのは、自分たちの責任である、と思っています。

■ティラキタの仕事は、宝探し
ティラキタの仕事は宝探しだなって思う事もよくあります。
買い付けに行くと、「何かいいものはないかな?」と思って、街中を舐め尽くすようにお店や工房を廻ります。



一軒一軒、丁寧にしらみつぶしに廻ります。
正直、そんな感じで回っても、いい商品に出会えないことばかりなんです。

でも、1000軒に1軒くらい、キラリと光るモノに出会えます。
その時の喜びったらありません。

ここ最近私達が見つけたお宝は、スリランカのテラコッタ製品でしょうか。スリランカ旅行していた時に、コロンボからキャンディという町まで移動していたのですが、車の車窓から、素敵なテラコッタが見えたんですよね。

車停めて貰える? 今、すごい素敵なものがあったよ

と、ドライバーさんにお願いして車を停めてもらって。駆け足で気になるモノの所に駆け寄ります。

ねえねえ、これどう? シンプルで美しくて、伝統的で、素敵じゃない?

確かに。原始的だけど美しいわね。日本に紹介してもいいかも

という様な感じで。素晴らしいモノとの出会いはどこに転がっているかわかりません。なので、いろいろな国に行き、色々なものを見て、商品を探し続けます。



■ティラキタの仕事は、キュレーション

ティラキタの仕事はキュレーションだなって思う時もあります。

キュレーションって基本的には美術用語で、独自の基準で美術品を選び、お客様に見て頂くということだと思うのですが、それとほぼ同じことを私達はしています。

ティラキタのキュレーションは、対象が美術品だけでなく、インドとアジアの全てのものです。その対象は多岐にわたり、アーユルヴェーダのオイルだったり、ネパールの仏具だったり、インドの手織り布だったり。もちろん、美術品もあります。およそありとあらゆる全てのものが対象です。

ティラキタのキュレーションは「そのモノが素敵かどうか。ストーリーがあるかどうか。そして日本に紹介して面白いかどうか」が基準です。

一度興味を持ったら、生産地に行き、生産者を探して出会い、生産過程を見せてもらって。

ストーリーを持って、商品を紹介できるようになるまで掘り下げて研究します。インドのグジャラート州で作られているアジュラック布や、ベトナムのホイアンランタンの工房など、興味を持って、色々な生産地に行きました。



■ティラキタの仕事は、知らない世界を知ること
ティラキタの仕事は、知らない世界を知ることだなって思うときもあります。

行ったことのない場所に行き、会ったことのない人たちに会い、新しい工場にも行きます。

工場や工房に行ったりするのは、とっても楽しいですよね。実際に行かないと、金属製品はイスラムの人が作ってるとかわからないですよね。実際に目で見たら、即納得でしたよ

確かに…実際に行かないと、体感として入ってこないよねぇ

金属工芸が、ムガル帝国時代から伝統として受けつがれているその現場を、見るのが凄くおもしろかったですよ

そんな感じのやり取りが、常に行われています。

■でも…インドとのやり取りは大変!!!!
でも、やっぱり仕事です。
ここからは皆様のご想像どおりなんですが、インドとのやり取りは超大変です!!

かつては、困ったことを、ブログに書いていました。
本当に色々なことがありました。

ミッキーマウス柄のコップがやってきたり。



すごい下手なお香たてがやってきたり。



ここ最近は「インドやアジア諸国のいい面だけを見るようにして、悪い面を書くことはしない」と決めたので、ネガティブなブログを書くことはなくなりましたが、問題が無くなったわけではありません。

やっぱり別の国だよな、別の文化圏だよなって思うことはたくさんあります。
大変か、大変じゃないかって言ったら、もちろん大変です!!

■ティラキタの仕事は、画一化された日本に多様性を紹介すること
そして、最後に。

凄い大きな話になっちゃいますが、ティラキタの一番大きな仕事は、「画一化された日本に多様性を紹介すること」だと思っています。

なんでだか判りませんが、日本ってば、正解とされる、ある一つの答えだけが存在する国です。良い面、悪い面、両方がありますが、なぜか自然と画一的になってしまう国です。

そして画一化は、気が付かないうちに、私達の日常になっています。

ある日から、気がついたら、日本はコンビニばかりの国になり、近所のおばさんがやっているお店はなくなりました。

ある日から、なんとかハラスメントが流行するようになり、言いたいことが言えなくなりました。

なぜか、ある日から、人々はカラフルなものをあまり着なくなりました。

島国であるこの国は、とかく人々が一つの方向に向かいがちです。
多様性が口先では叫ばれながら、多くの人々が画一化された行動や価値観をシェアして生活しています。

自分たちも日本人なので、それが居心地がいいと思う部分も大いにありますが。

みんな一緒じゃなくていいじゃないか

とも思うのです。

私達は十数人の小さな会社です。

小さな小さな力ですが、インドとアジアの文化を通して、多様性を伝え続けていきたいなと考えています。

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