肉の滋味とスパイスが渾然一体となったパキスタンカレーが旨い件について

■パキスタンなんかキライだもん!
パキスタンの方々には大変申し訳ないのですが、正直、パキスタンにはさっぱりいい思い出がありません。もうだいぶ昔の話なのでパキスタンも変わっていると思いますが…1993年に初めてパキスタンに行った時にカラチで強盗に襲われたり。
強盗に襲われた後に日本大使館に行くとお前のような奴が来るところじゃないからすぐ帰れと言われたり。
カラチの街を歩いていて、日が暮れたらみんなすごい勢いで家に帰り、街がもぬけの殻になってしまったり。
イランからパキスタンのクエッタに行く道が悪路すぎて、24時間体中が振動しまくって疲れ切った挙げ句、クエッタで一人寝込んだのが、とても辛くて寂しかったり。後ほど読んだ本によると、そのルートは世界でも悪名高き悪路で、骨もちぎれるパキスタンのバイブレーションバスと書かれていて、ひどく納得した覚えがあります。

ペシャワールのアフガニスタン大使館に行ってアフガンのビザを欲しいと言ったら、ビザは出してやるけれども、お前の身の安全は保証しないという書類にサインしなさいと言われたり。その頃からアフガンはきな臭い場所でした。

ペシャワールの辺境地帯に行ったら子供が銃を作るトライバルエリアの街だったり。子供がトンカチでAK-47の弾丸を詰めている姿は今でも忘れられません。
街を歩いても、むさい男しか居なくて。パキスタンは男祭りの国なのでした。 女性は目も見えないブルカをかぶって、ひっそりと潜むように生活していました。国や街の印象の柔らかさは、やはり女性が作るものなのだなと納得したり。
その頃は色白で若くて髭も生えていなかったので、なぜか男たちが寄ってきたり!!! その後、パキスタンでは髭のない男はケツを狙われるのだと聞いてひどく納得した覚えがあります。
とかくパキスタンには散々な思い出しかなく、正直、もうパキスタンなんか行くか!! パキスタンなんか嫌いだ!!という風になっていたのです。

■素敵なモノは割とパキスタン由来
そんな流れで逆にインドが好きになり、インドと長らくお付き合いをしているのですが。例えばアジュラックの布であるとか、素敵なイスラム風のものが、実はパキスタンから移住してきた方々が作ってる物が多いということに、だんだんと気がつき始めてきました。
こちらが素敵なアジュラックの布です。色合いもデザインも本当に素敵な布です。アジュラクプールがあるグジャラート州のカッチ地域は、パキスタンとの国境から100kmぐらいしか離れていず、まさに1945年のインドパキスタン分離独立の際に、パキスタンから人々が徒歩で移動してきた場所。
だからヒンドゥー世界のインドの中にあっても、他の地域とは違う文化が形成され、イスラムの香りの漂う素敵な手工芸が作られているのです。

■商品としてやってきたパキスタンカレーを試食
つい先日、商品としてレトルトのパキスタンカレーがやってきました。「パキスタンのカレーかぁ。あんまり興味ないなあ…」と疑ってかかっていたのですが。パッケージを開けてみると中からお肉がゴロゴロとでてくるではありませんか。そして一口食べてみると、スパイスが溶け込んだ脂と、ギリギリ大丈夫な辛さ、そして肉のどっしりとした感じが相まって、レトルトとは思えないどっしりとしたお味でした。
パキスタンカレー旨いじゃん!!
こちらは骨なしチキンのスパイシーなカレーである、バロチ カラヒ カレーを開けた所。鶏肉がゴロゴロしていて、レトルトなのに、レトルト感がほとんどありません。


「パキスタンカレーいけるじゃん!」と思っていくつか食べてみたのですが、どれもこれも美味しくて。肉とスパイス、油の組み合わせは最強だなと認識する事になりました。
■パキスタンカレーが旨い訳
パキスタンカレーが旨いのは、スパイスが上手に使われた肉カレーだからでしょうね。肉の滋味が油の中に溶け出し、スパイスの旨味と渾然一体になる。そして牛肉やチキンなど、それぞれの肉にきちんとあったスパイスのミックスがされているのです。そしてパキスタンカレーならではどっしりとした重厚感がそこに付け加わります。
いくら豆カレーが美味しいと言っても、やっぱり肉には勝てないよなと。
そしてイスラム教徒の方々、特に中央アジアの方々は、お肉の扱いが上手だなと。アフガニスタンの肉料理とか、野趣があって油の中に旨味が溶け出しててハンパなく旨いですからね。
今までそこまで興味がなかったパキスタンカレーですが、正直見る目が変わる感じです。
■パキスタン、もう一度好きになるかなぁ…
実はティラキタには、ここ最近、パキスタンから荷物が届くようになりました。 パキスタンのことを嫌いとか言いつつも、彼らの作るものは本当に素敵だからです。絨毯も素敵だし。

パキスタンとアフガンを行き来するパシュトゥーン遊牧民のアクセサリーもトライバルな感じで素朴で素敵だし。

商品を探しにそのうちパキスタンに行くかなぁ…と考えているところなのですが、30年前のイマイチだった記憶しか思い出せず、躊躇しているところなのです。
色白の日本人だからといって、またお尻を狙われるのはイヤですしねぇ…
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