色が落ちる藍染製品の氷酢酸による色止め法

■色が落ちる藍染製品がある
インディゴ染めとも呼ばれる藍染め。ティラキタでも自然染料であるインディゴブロックを販売していますし、いろいろな種類の藍染の布や服も販売しています。古来から人々に愛されるインディゴの自然な青い色は本当に素敵です。しかし、自然の染料だけあって、染色した後の色落ちは避けられないもの。

特にインドの布製品は工業的な工程を経ず、ハンドメイドで作られている布が多いので、色落ちする布が多い傾向にありますね。

この記事では、色落ちする藍染め製品の色止めの方法を書いてみました。

インドやアジアの人々が作った宝物のような布たち。
自然な風合いを活かし、末永くご利用して頂ければ幸いです。


■酸性にすることで色止めできる
藍は酸化と還元という化学反応で染める染め物です。ですので、色落ちを防ぐのもまた化学反応で行います。

藍で染色された布を酸性の液体に浸し、「酸化反応」と「中和反応」をすることにより、藍を布地に定着させます。

藍を発酵させて作ったインディゴ染液と、その染液でに浸した染め上がり後の生地は、PH9.5程度の弱アルカリ性になっています。酸を使うことにより、PH7.0の中性の生地にすることが目的です。

■氷酢酸を使ってみる
今回は、

水 5000ml
氷酢酸(酢酸濃度99%)  250ml

で色止めの実験をしてみました。

氷酢酸は中々売っていませんのでAmazonで買いました。
劇薬指定されているほど成分が強いため、厚手のゴム手袋が必須です。



また、氷酢酸はプラスチック製品と相性が悪く、プラスチックが白くなることがあるようです。
色止めされる際は、使い捨てても良いものや、100円均一などで安価に道具を揃えることをおすすめ致します。

氷酢酸のキャップを開けると、めちゃくちゃ酢の匂いがすごい!!!
家庭でつくる手巻き寿司の酢飯が炊きあがった時の匂いです。
窓を締め切った環境では作業が難しそうです。

今回は水5000mlに対し、氷酢酸(酢酸濃度99%)を 250ml混ぜました。

混ぜた液体に色落ちが確認されたアジュラックドゥパッタを漬けてみます。

すると、最初黄色が出てきました。驚きましたが、これは生地に定着していない、乗っかっているだけのような状態の藍の色素が落ちて水に溶けた事が原因だそうです。

10分つけ置き~一晩つけ置きまでやり方は様々あるようですが、
今回は1時間つけ置き。

氷酢酸を流し、
すすぎ1回目 →黄色の水 まだ黄色のままだ


すすぎ2回目 →薄い水色の水 水色に!

すすぎ3回目 →2回目よりも濃い水色 かなり濃い色が出てきた


すすぎ4回目 →3回目よりも濃い水色


すすぎ5回目 →濃い水色


すすぎを増やすごとにどんどん濃い水色が出てきました。
すすいだ水が薄い色になるまで、何度もすすぎを繰り返します。

すすぎ15回目 →かなり薄い水色に


すすぎ20回目 →先程よりも気持ち薄い水色に


ここでストップし、影日干しにしました。

1日後…
完璧に乾いたアジュラックドゥパッタ
こすっても色が落ちない!


ですが、水でたくさん洗った分、全体的に色が薄くなった感じがします…。

インドらしいビビッドな色合いがお好みの方は、潔く色止めしない!
または色止めしてすすぎを軽めにすることをおすすめします。

■酢酸がない場合は
酢酸がない場合は、家庭用のお酢でもある程度代用できます。

はじめの1-2回の洗濯で、衣料一枚につき50ccほど、洗剤と一緒にお酢を入れて洗うと色止めとなります。

しっかり色止めをしたい場合は、衣料一枚につき300ccほどのお酢を入れた水に一晩漬けておいてから洗うのも良いかと思います。

藍はアルカリに弱いので、洗剤はできるだけ中性洗剤を使ってくださいね。
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