マッチョ大国インドと、伝統的なトレーニング方法について
今回はインドの神聖な相撲「クシュティ」に使われるふんどしである、ランゴットが入荷しましたので、それにちなんで、インドの筋トレ事情などを書いてみたいと思います。
■マッチョ大国インド
控えめに言って、インドはマッチョ大国です。インドは元々の社会構造が男性優位の社会であり、伝統的にマッチョが称賛されるお国柄。
男の子だったら誰しも筋骨隆々になりたいと一度は思いますが、インド人の筋トレにかける熱量は凄いものがあります。
インドの街中を歩いていると、色々な所にジムがあるのに気が付きます。ジムの看板には強そうなハヌマン様が描かれていたり、必要以上にムキムキな男性が登場していたりします。
ジムに入ってみると、ジムの中はちょっと薄暗く、トレーニング器具が散乱し、カーペットはところどころめくれ上がり、スペースには余裕がありません。空気もねっとりと蒸し暑く、正直、日本のジムの清潔さとは程遠い印象です。
「マジでこの中でトレーニングするの?」俺は暑くて嫌だなぁ…って正直に思う空間です。
でも、彼らはこの蒸し暑くて、男臭い空間で日夜トレーニングを重ねています。
インドにはプロテインの専門店も存在します。
こちらはデリーのチャンドニーチョウクにあるプロテインの専門店。
ショーウィンドウの中にはデカいプロテインのプラスチック瓶が並び、ムキムキになりたい男子たちを誘っています。
中に入ってみると、奥に細長いお店の中に、ズラリと大容量のプロテインが並んでいました。
「すごい量のプロテイン!!!!」驚きの声しか出ません。
どれも米国で見かけるような、筋トレプロフェッショナル向けのサイズばかりです。
全部が輸入品なので、お値段は非常に高く、4Kgのプロテインで2万円(14500Rs)ほど。日本で市販されている高級プロテインと同じくらいのお値段ですが、日本とインドでは3-4倍の物価の差がありますので、インド人から見ると非常に高い贅沢品であると言えるでしょう。
しかし、これだけの値段のプロテインが並んでいるお店が存在するということは、金銭的に余裕があり、日常的にハードなトレーニングをして、プロテインを1日3回飲む、ハイクラス ガチ筋トレ層が相当数、存在すると考えていいのだと思われます。
■インドにあるトレーニング村
デリー郊外には、村人の男性の多くがボディーガードであると言う、大変珍しい村が存在します。村人の多くは肉体を鍛え上げ、ムキムキになり、デリーに出てきてパブやナイトクラブ等で働いているのだとか。土曜日の夜、インド人の若者たちが向かう先は、ナイトクラブが何件か並んでいるデリー郊外の新興都市グルガオンのサハラモールの3F。安物の香水をつけて家を出かけ、仲間と合流し、酒を飲みながらナイトクラブの前に辿り着くと、そこには腕が彼らの太ももの太さくらいある屈強なボディーガードが待っている……
この様なナイトクラブや宝石店などの店頭で働いているボディガードのほとんどは、その珍しい村アソラ・フェテプリー・ベリ(Asola-Fatehpur Beri)からやって来ます。
用心棒になるのは簡単なことではありません。一日に数時間のトレーニングが必須です。トレーニングの中にはオートバイを持ち上げたり、トラクターを持ち上げる練習もあります。インドですので、もちろんヨガの練習もします。食事は基本的には菜食で、生徒たちは筋肉を効率的につけるために特定の食事習慣を守る必要があります。
■インドの筋トレ道具はちょっと違う
インドにはインドのふんどしがあるように、インド独自の筋トレ用具が存在します。インドの筋トレ道具はガダ(GADA)と呼ばれる、先端に重しがついた混紡みたいなものです。
ガダ(GADA)はハヌマーンが持っている棍棒でもあります。ガダには使用する人の強さに応じて色々なサイズがありますが、ハヌマーンが持っているガダが一番重かったと考えられているようです。
ティラキタ買い付け班が、ガダを初めて見たのはバラナシの久美子ハウスの下でした。久美子ハウスの下にはトレーニング場というほどの場所ではないのですが、ちょっとした大きさの広場があり、時折、数人がそこでトレーニングをしていました。
インド人が行っていたトレーニングは、腹筋やヒンズースクワットなどの、いわゆる自重トレーニングが主だったのですが、その場所に一つだけウェイトトレーニングの道具として、ガダが置いてありました。
棒の先に石がついている至ってシンプルな道具ですので、最初見たときは、何に使うものかわかりませんでしたが。
実際に使用している光景を見て、「どうやら、あれはトレーニングに使うものらしい」と合点がいった次第です。
とは言うものの、そのガダ(GADA)でのトレーニングは私達が知っているトレーニングとは全く違います。ガダでのトレーニングは先端に石がついた棍棒を片手で振り回す感じで、振り回し方にもコツが必要です。
ティラキタ買い付け班、実際にバラナシでガダを振ったことがあるのですが、これが非常に難しい!!!
そして見た目よりも全然重い!!
このビデオの中では100Kgのガダも登場しますが…いやいやいや…それを持ち上げるのは無理でしょ!!!!
■インドのふんどし ランゴット
そして、このyoutubeのビデオの中でインド人たちが着用しているのが、インド伝統のふんどしであるランゴットです。実は、私達も半年くらい前までその存在を知りませんでした。
お客様から「インドのふんどしありますか?」って言う問い合わせがありまして、「インドにふんどしなんてあるの?」と思って調べてみたら、インド人たちのムキムキ画像が出てきまして。
日本のふんどしとはちょっと形が違く、それはそれで使い心地が良さそうです。
「インドだし。じゃあ、仕入れるか!」という事でデリーに注文しまして。デリーからムンバイ、シンガポールを経由して、半年くらい経過した忘れた頃にやってきました。
無事にティラキタにやってきたはいいものの。
商品はいつまで経っても出品されません。
「どうしたの?」と聞くと、「いやぁ、モデルがいないんですよ。」と。
そっかぁ…ふんどしのモデルだもんなぁ。
それはいないよな。
社員にそんな汚れ仕事はさせられないしなぁ。
という事で、社長の僕が一肌脱ぎました!!!
脱いだはいいのですけど。
気がついたらPhotoshopでだいぶムキムキにさせられて…別人の仕上がりになってまして!!!
「え、これはちょっとないんじゃない?」って加工した担当さんに聞いたら。
「インド人に負けないようにムキムキにしておきましたよ!」
ですって!!