うんち! うんち! うんち! びっくりするほど多機能な牛のうんちについて

目次
■食べるだけが牛ではない
日本でもよく知られているようにインドでは牛を食べません。食べるか食べないかは、宗教や地域にもよるのですが、基本的にはあまり食べません。牛は聖なる動物して食べることを禁じられています。「なぜ牛を食べないの?」とインド人に聞くと、インドの聖典ヴェーダによれば、牛は聖なる動物だと書いてあり…と、難しい説明が始まりますが。そんな難しい話はさておいても、牛は非常に有用な動物です。農耕用の動物として牛は非常に有用です。 インドの農村地帯に行くと、いまだに牛を使って農作業をしてる姿を見かけます。運搬用の動物としても牛は非常に有用です。 牛の後ろに荷台をつけて運びます。牛歩というように牛の歩みはのろいですが、2トン、3トン。場合によっては5トン以上の荷物を一気に運んでくれます。
■天然の虫よけとしての牛のうんち
牛のうんちを家に塗ると、天然の虫よけになるのだそうです。 この写真のように牛のうんちをペタペタと貼り付けると、サソリなどの虫が入ってこなくなるのだそう。
source:letsmeetonearth.org
ウェストベンガル地方のある家では、牛のうんちを液体状にし、他の建築材料と混ぜわせて家の壁に塗っているそうです。

source:letsmeetonearth.org
■燃料としての牛のうんち
インドでは、牛のうんちに藁などを混ぜ、丸く円板状にし、乾燥させて燃料にします。写真の奥の三角の山が収集してきたうんちです。うんちだけでは燃えが悪く、成形が難しいので、多少の水を加えて柔らかくし、むぎわらや、稲わらを切ったものを一緒に混ぜます。素手でこねてから、よく燃えるように円盤状に整形していきます。
source:tribuneindia.com
丸い円盤状のうんちを家の壁にペタリ。塀にもペタリ。
くっつけられる平らな面にペタペタとうんちをくっつけて乾燥させます。


■医薬品原料としての牛のうんち
驚くべきことに、インドでは牛糞を使って医薬品を作ろうという研究がされています。AFPのニュースによると…
インド西部アーメダバード(Ahmedabad)で最近、ウシの排泄物を原料に医薬品などを作る研究所が増えている。 研究所の1つを案内してくれたケサリ・グマット(Kesari Gumat)氏は、研究者たちが牛糞とハーブを混ぜ合わせ、ウシの尿が沸騰するビーカーを見つめる研究室を歩きながら「牛糞には神が宿っているのです」と語った。「原料」は研究所内での調達だ。敷地を徘徊する300頭を超えるウシから排泄物を集める。研究所を訪れた人は裸足になり、日光で半乾きにされたやわらかい牛糞の上を歩かなければならない。グマット氏は、新鮮な牛糞の上を裸足で歩くと、殺菌効果で傷が治り、健康にもとてもよいと説明する。また乾燥させた牛糞で肌をこすると、古い皮膚が取り除かれ、血行がよくなるとも言う。牛糞は一般的に1週間以上乾燥させ、高温で滅菌して砕いた最終製品の粉末を、さまざまな素材と混合して医薬品や衛生用品にする。尿は蒸留して不純物を取り除く。応用製品は医薬品から石けん、シャンプー、歯磨き粉などの衛生用品、線香や蚊取り線香にいたるまで幅広い。
医薬品としてだけでなく、石けん、シャンプー、歯磨き粉などにも牛糞が使えるとは…牛糞の万能ぶりにはただただ驚くばかりです。■発電燃料としての牛のうんち
牛のうんちを発電用の燃料にするという動きもあります。いわば、牛うんち発電ですね。牛のうんちを燃料として使い続けてきたインド人ならではのアイデアですが、その土地の牛のうんちで作られた電気ということであれば、完全に地産地消な発電ができるって言う事ですよね。これは悪くないアイデアかも…と思っちゃいます。
■礼拝用品としての牛のうんち
牛は聖なる生き物であり、牛のうんちは聖なる物質ですから、礼拝用に使われます。牛のうんちをアグニホートラと言う礼拝用香炉の中で焚き、色々な生薬などをパラパラと燃やして神様に祈ります。南インドでは牛のうんちを投げあうという祭りもあるみたいです。■肥料としての牛のうんち
一般的な使い方としては、牛のうんちは肥料として大変有用です。 日本でも牛のうんちを堆肥化して使用していると聞きますね。
■商品としての牛のうんち
インドのAmazonに牛のうんちが出品されたと話題になりましたが、実際、インドでは牛のうんちは商品です。この写真はラジャスタン州ジョードプルでうちのうんちを売っているところ。 地元のおばちゃんたちが炎天下でうんちを販売しておりました。
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