[インドモノ辞典]インドの魔法の水差しロタについて

■インドには不思議な形の水差しがある
初めてインドに行った際、インドには壺みたいな形の道具がたくさんあるのだなと思ったものです。インドの壺はロタと呼ばれて、ぷっくりと膨れた丸い形をしていて、上部が大きく開いています。これこそが、インドが誇る機能美であり、シンプルの粋であるロタなのでした。

■ロタは万能
ロタはインド人たちの生活に根ざしている生活の基本アイテムですから、いろいろな用途に使われます。ロタはチャイを作る時に使われます。






■宗教的に必要なロタ
銅製のロタは、ヒンドゥー教的に見ると、とても重要なアイテムです。ヒンドゥー教の聖なる街バラナシではインド中から多くの人々が沐浴に訪れます。沐浴した後、インド人たちはガンジス川の神聖な水を家に持ち帰り、プージャ(礼拝)の部屋に水を置いて日常の儀式に使用すると同時に、家族やご近所さんたちにガンジス河の聖水を贈ります。その際に水を持って帰るのもやはりロタです。ガンジス川の水をペットボトルに入れて持って帰る人もいるようですが、ヒンドゥー教の視点から見ると、これはガンジス川の聖なる効力をなくす行為なのだそう。ガンジス河の水を銅製のロタに入れておくと、不運と悪を撃退する聖なる波動を生み出すのだと彼らは信じていて、またガンジス河の水を地元の井戸に注ぐと、その井戸が聖なる水になるのだとか…。ティラキタ買付班の目から見ると、あの汚染されたガンジス河の水がねぇ…と思うところはありますが。彼らはそれを信じていて、とてもありがたがっているのですからそれで良し。なのであります。
■トイレに銅のロタをおいておくと良いらしい
お世話になっているシタール奏者さんによると、トイレに銅のロタをおいておくと良いらしいのです。銅のイオン効果とか半信半疑だったけど、これシンプルながら凄い。インドの銅製の壺を設置するだけで便器の黒ずみが無くなった。 pic.twitter.com/snkdh8resc
— シタール奏者 石濱匡雄 (@ishihama) December 13, 2020