ヘンプがにょきにょきと生えてくる! ネパールのヘンプ製品事情について[ティラキタモノ辞典]
■ヘンプがにょきにょきと生えてくる国ネパール
ネパールは山の国です。世界で一番険しい山の国です。
その険しさは例えて言うならば日本アルプスのサイズと標高を3倍にしたものと言う感じでしょうか。実際に行ってみると、巨大で圧倒的なスケール感です。
ネパールというとエベレストだよね?と、こんな風景を想像される方も多いと思いますが…
当然すべてが岩山ではありません。
普段目にする、実際のネパールの風景はこちらです。
ここは首都のカトマンズから車で30分程走ったところ。
よく見ると、年輪が刻まれたように、山が削られているのがわかりますでしょうか?
ぐいっと拡大してみます。
山の中に家々があり、段々畑が見えますね。
急峻な地形で、なんとか作物を作ろうと、先祖代々苦労してきた汗と涙の結晶です。
山を段々にして畑にするのは、もの凄い労力がかかりますよね…。
機械も入りませんし、全部人力ですからね。
この様にネパールの国土の多くは山ですので、普通の作物を作るのはそれなりの苦労が伴います。ですが、そんな条件の悪い土地であっても、今回のお題であるヘンプはどんどん自生してくるのです。
■道端にヘンプがいくらでも生えている
ある日、取引先のラムちゃんと一緒にカトマンズの郊外にドライブに出かけました。
晴れたいい日で、気持ち良いドライブ日和な一日でした。

ネパールでは山道もカトマンズ市内も狭いので、インドで生産しているマルチ・スズキの軽自動車が多くの人に愛されています。
ちょっと走ったところで、道端にヘンプがたくさん生えているのを発見しました!!
近寄ってみると、たしかにヘンプです。青々と茂っています。
ラムちゃんがヘンプの茂みに近寄っていき…
「私達が輸出しているヘンプの生地はこれから作られるんだよ」と、茎をパキッと折り、中を見せてくれました。
ヘンプは簡単に割れ、皮と中の繊維に別れます。この皮の部分を採集してから、水に浸し、しごいて、また水に浸しを何日も繰り返して繊維を作ると教えてくれました。
ナルホドねぇ…素材はいくらでもあるから、使わなければ損なわけだな…と考えます。
■コーヒー農園でもヘンプが自生
この日、ティラキタ買付班がカトマンズ市内を離れたのは、ヒマラヤのコーヒー農園を見学しに行くためでした。
森のように繁茂しているヘンプの木々を横目に見つつ進みます。
このヘンプは高さ3-4mはありそうです。
2-3時間、くねくねした山道をドライブしてコーヒー農園に到着しました。
早速、コーヒー農園の中を案内してもらいました。
分かりづらいかとは思いますが、左側の大きめの木がコーヒーの木ですね。農薬を使わず、オーガニックで作っているそうです。
近づいてみると、まだ青いのですが、コーヒー豆が実をつけていました。
オーガニックで作るために肥料も自分たちで作っているそうです。動物の屎尿と切った草などを混ぜ、発酵させて作るのだそうです。
そしてこのコーヒー農園にも、変哲もない雑草としてヘンプが生えていました。別に誰も気にされることなく、ただ普通に生えていました。国によっては生えているだけで大変な騒ぎになるヘンプですが、ここではただの雑草の扱いです。ちなみに奥の白い建物はコーヒー豆を洗浄したり、選別したりする場所です。
■ヘンプでどんな物が作れるの?
日本ではまだまだ馴染みが薄いヘンプ製品。どんなものが作られているのかちょっと紹介してみます。
こちらはヘンプボール。ヘンプを糸にして、巻いたものです。天然のヘンプから作られているので、ちょっと粗めの手触りです。
ヘンプとターコイズで作られたナチュラル感あふれるブレスレット。
ヘンプで作ったキノコ型の小物入れ。自然の中にマッチするナチュラルな可愛さです。
この様に、ヘンプからは色々なものが作れるのです。
■注目されるエコ素材
ヘンプ(麻)は、桑科の一年草で、農薬や化学肥料いらずで育ちます。また、4か月で4メートルの背丈になるほど成長が早く、麻は地球環境を大きく改善する可能性のあるエコロジーな植物として、近年世界中で注目されているのです。
ヘンプは繊維や油が取れ、紙も作ることが出来る万能のエコ素材です。米国カリフォルニアでは医療用ヘンプとしても使用され、癌の疼痛の除去、緑内障の眼圧を下げる効果などから医薬品としての効果も認められています。
日本では大麻と言われ、栽培することは免許がないと出来ませんし、所持すると犯罪ですが。実際はこんなにも有用な植物なのです。モノはなんでも使いようですね。
ティラキタではヒマラヤの国ネパールで栽培されたヘンプで作られたヘンプ製品を数多く取り扱っています。
ヘンプ(麻)による衣料品は、通気性がよく、吸収性もあり、引っ張りに強いこと等の特徴を持ちあわせて、年間を通じて人気のファブリックのひとつです。一度着るとその気持ちよい風合いがクセになる、なんとも言えない魅力がありますよ。
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雑草のように麻が・・夢のようですね。以前、福島の山育ちの父が「昔はそこら辺の生えてた」と言ってましたので日本も雑草として普通にわさわさ生えてたみたいですね。麻の生命力とユーティリティは麻紋様や麻の付いた地名が多いことからも大切にされてきたのでしょうね。敗戦時GHQの指導で刈られてしまったのでしょうか?この国もそろそろ長い悪夢から醒めてもいい頃と思います。
ところでこの記事の取材は最近のものですか?ウィルス騒ぎはやや収まって出入国も普通にできるようになったのでしょうか?
仰られるように、戦前まで日本は麻の国であったようですね。
日本各地に残る地名、布地のデザイン、神社の注連縄など、その跡は日常のいろいろな所に残っていると思います。
さて、この記事の写真ですが、ちょっと前のコロナ前のものです。
現地と連絡は取れていて、問題なく商品はやってきますが、現在、私達も海外に行けていませんので…。
スタッフ一同、コロナが早く終わるといいなって心から願っています。