【インドモノ辞典】インドで最も古い調理器具スパイスグラインダー

2020年9月25日     No Comments    Posted under: 商品について

■インドの各家庭に必ずある調理器具

インドの各家庭に必ずある調理器具のひとつがスパイスグラインダーです。

このスパイスグラインダーですが、毎日毎食、料理を作る時に使うものですから、そこには素敵な魅力と歴史、使い勝手が存在しています。

今回はインド人の主婦たちがこよなく愛するスパイスグラインダーを、深堀りして話をしてみたいと思います。

■太古の昔から使われているスパイスグラインダー

スパイスグラインダーは、南アジアの人々にとって、最も古い調理器具のひとつといって間違いありません。スパイスグラインダーの起源は非常に古く、ヴェーダ時代にまで遡ります。

ヴェーダ時代とは、アーリヤ人の自然崇拝の伝承を集約した聖典をヴェーダといい、それが作られていた時代(前1500年から前500年頃まで)のことです。要は紀元前あたりと覚えておけば間違いありません。

紀元前から使われていたスパイスグラインダーは石を使ったものですが、単純な石のスパイスグラインダーは今も多くのインド人に使われています。

スパイスグラインダーと立派な名前がついてはいますが、その機能は「スパイスを潰して粉にする」だけなので、単純に言えば、石と石で十分ですからね。

その単純さ。簡単さ。そして便利さ。

だからこそスパイスグラインダーは、世界でも最古の調理器具のひとつとして成立したのだと思います。

■スパイスグラインダーは大きく2種類ある

スパイスグラインダーは大きく分類すると、平べったい石のスパイスグラインダーと円形の金属のスパイスグラインダーの2種類があります。

こちらのタイプと、

こちらのタイプですね。

平べったい石のスパイスグラインダーは、すりつぶしてペーストを作る用途にも使われるのに対し、円形のスパイスグラインダーはスパイスを手軽にさっと簡単に潰し、ホールのスパイスを粗挽きの粉末にするために使われます。

手の動きも異なり、平べったい石のスパイスグラインダーは、上からすりつぶすように手を動かすのに対し、丸い金属のスパイスグラインダーは中で円を描く様にして手を動かします。

また平べったい石のスパイスグラインダーは、石の別々の部分で、多様なスパイスを潰し、一つの料理に必要なスパイスを石の上で一気に潰せるのに対し、円形のスパイスグラインダーは1回に1種類か、多くても数種類のスパイスだけを潰します。

インド料理では1回の料理でターメリック、クミン、コリアンダー、シナモンなど、多種多様のスパイスを使いますので、平べったいスパイスグラインダーはインド料理を作るのに、ことのほか便利なのです。

■平べったい石のスパイスグラインダーの使い方

平べったい石のスパイスグラインダーは、ドラサッド(drasad)と呼ばれる平べったい台座の石と、ウパラ(upala)と呼ばれるすりつぶすための石がセットになっています。この2つを合わせて、シルバッタ(Sil Batta)とヒンディー語で呼ばれます。

このタイプのスパイスグラインダーは、胡椒やクミンなどを潰すだけではなく、葉っぱを潰してペースト状にし、パラックパニールを作るためにも使われます。こちらの動画ではココナッツを潰すために使っていますね。

現代ではパラックパニールは電動のミキサーを使って作るように各レシピで書かれていますが、電動の機械が出てくる前は、すべてこのシルバッタ(Sil Batta)ですり潰して作られていました。

「スパイスを潰す」、「お野菜を潰す」、「色々なものをペーストにする」

シルバッタ(Sil Batta)は、ただの変哲もない石ですが、これだけ多種多様な使い方ができるところに、生き残ってきた調理用具の凄みを感じます。

シルバッタ(Sil Batta)は南アジア文化圏だけでなく、アンデス地方にも存在しています。アンデス地方ではバタンと呼ばれキヌアなどを潰すために使われています。また唐辛子とトマトを一緒に潰し、サルサソースを作るためにも使われています。

ちなみに、この石のスパイスグラインダーは、現代でも石工によって手作りされています。

■円筒形の金属のスパイスグラインダーの使い方

現在インドの家庭で多く使われているのが、こちらの円筒形の金属のスパイスグラインダーです。

石のスパイスグラインダーは、とても便利なのですが、大きいし重いしということで、特に都市部の家庭を中心に、徐々に使われなくなってきているようですね。

ちなみにこの金属のスパイスグラインダーは、金属でなければならない理由があります。スパイスを潰す時に熱が出ると、スパイスの香りが飛ぶので、その粗熱を取り、より美味しい料理を作るために、冷たい金属が使われているのです。

こちらのスパイスグラインダーは小さくて手軽です。
台所の横にちょっと置いておくことが出来ます。

少量のスパイスを料理中に手軽に潰すことができるので、例えば、チャイを作るその瞬間にスパイスをつぶせて、非常に便利なのです。

スパイスはホールのままで保存しておくと、一番香りが良いまま保存できます。ホールのままで保存しておき、料理をしているその瞬間にスパイスを潰して使うと、一番美味しい料理になるんです。

■スパイスグラインダーの思い出

ティラキタ買い付け班、20年前にインドのバラナシでシタールを習っていたことがあります。

その時にシタールの先生の奥さんが、毎日ご飯を作る時、必ず平べったい石のスパイスグラインダーを使って、お手伝いさんと一緒にスパイスを潰していた光景をよく思い出すのです。

その頃はインド経験があまりなかったので、「なんだか手間をかけて料理を作るものだな」と思っておりましたが。そうやって作られたスパイスが一番美味しいものだと彼女たちは知っていて、毎日やっていたのでしょう。

平べったい石のスパイスグラインダー。
丸い円形のスパイスグラインダー。

スパイスグラインダーは毎日使う単純なアイテムではありますが、インド人の生活と、味覚に深く深く根を張った、まさにHeart of Indiaと呼ばれるべきモノなのです。


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