インドの伝統的パンツ チュリダールについて[インドモノ辞典]
■現代に生きる伝統的なファッション
インドには伝統的パンツである、チュリダールというものがあります。チュリダールとは、ズボンの腰の部分がダボダボになっていて、足首が非常に細くなって、足首がくしゃくしゃになってる物が多い、独特の形状のインドのパンツのこと。みんなが想像するマハラジャのパンツがそれです。■チュリダールを着るとどんな感じに見えるの?
チュリダールを実際に着てみると、どんな感じに見えるのでしょうか?実際に当店の商品を着た画像を見てみましょう。こちらはインドの民族衣装パンジャビドレスのパンツ部分にチュリダールを着用している写真です。足元がクシュッとした感じが可愛いですね。■チュリダールの歴史
チュリダールは、優雅なマハラジャの宮廷で生まれ育った服です。チュリダールの歴史は16世紀のムガール時代にさかのぼります。栄華を極めたムガル王朝の宮廷では、ファッションに高い価値が置かれ、宮廷内の人々は最新のファッションの服を着て、ピクニックなどに行っていました。チュリダールの原型になったパンツは、元々は足の丈が短いものだったのですが、美しい形を追い求めるうちに徐々に長くなり、今の形になったと言われています。インド人は大振りなアクセサリーが大好きで、ブレスレット、アンクレットなど、体中に様々なアクセサリーを付けますが、チュリダールの足の部分のクシュっとしたデザインは、派手なアクセサリーとの相性が良いようにと考案されたデザインです。フランスの歴史家オーギュスト・ロシエント(Auguste Racient)の著作によれば、16世紀のムガル朝では既にチュリダールが使われていて、元々は軽く作られたインナー用であったとされています。16世紀のラージプートとムガルスタイルのミニアチュールを見ても、やはりチュリダールはインナーとして描かれています。時が経つにつれ、チュリダールはアウターとして進化し、現在のように、クルタパジャマやパンジャビドレスに付属するユニセックスパンツとしての地位を確立したのです。■ヨーロッパにも渡っていったチュリダール
チュリダールはインド国内のみならず、ヨーロッパにもわたり、ファッションに大きな影響を与えました。source:pintarest
ジョッパーズの起源はインド北部(現在のラージャスターン州近辺)の伝統的なズボンであるチュリダー(Churidar)にある。チュリダーは足首までの丈で、ふくらはぎの周りはぴっちりしていて、腰回りはだぶだぶのズボンで、現代においてもジョードプル地方の結婚式で着用されている。腰回りをだぶだぶにしたデザインは、インドの暑い気候において体の熱を冷ますのに役立つ上に、ストレッチ織物が発明される以前の時代においては、乗馬中に腰と大腿の自由な動きを実現させるのにも役立っていた。
と、Wikipediaにもありますね。
プラタップ・シン卿は熱心なポロのプレイヤーであり、1897年のダイヤモンド・ジュビリー(ヴィクトリア女王の在位60周年記念式典)に際し、ポロチームを率いてヴィクトリア女王を表敬訪問した際、彼のチームがポロの試合で連戦連勝したという事実もあいまって、イギリスのファッション界にセンセーションを巻き起こした
なのだそうです。インド発祥のチュリダールがインド国内のみならず、西欧諸国に渡ってジョッパーズとして形を変え、そしてまたシャネルやジャン・ポール・ゴルチエなどがチュリダールをモチーフに彼ら独自のパンツを作ったりと、様々な形で世界にチュリダールが広まっていきました。インドの独特なパンツ、チュリダール。足元がクシャッとしていたり、腰の部分がダボダボだったりと、割と謎な形のパンツではありますが、それにはこんな歴史的な背景があったんだなぁ…と今回いろいろ調べて納得!!服に歴史あり、なのでした。