美のために積み重ねられた労力に敬意を払いたい – インドでアジュラック布の産地を訪問する

目次
■素敵な色彩のアジュラック布
ティラキタ買い付け班、2020年2月にインドの布の宝石と言われるアジュラク布の生産地アジュラクプールを訪問してきました。アジュラク布は、深みのある青、そして深みのある赤。簡単な染め物では出せない素晴らしい色彩と、イスラムのパターンが合わさった世界でも有数の美しさを持つ布です。

■ムンバイから電車で12時間
ムンバイから電車でブージというパキスタンとの国境近くの街まで12時間ほど走り、そこからまたバスに乗って1時間。ティラキタ買い付け班は、素敵なものがあると聞けば、世界のどこへでも出かけます。


■水を求めて村ごと引っ越し
今回、アジュラクプールと、アジュラック布の作り方を案内してくれたのはべへロール・カトリ(Bahelol khatri)君。18歳だそうで、高校出たてぐらいの歳の彼が、一人で立派に案内を務めてくれました。 カトリ君、ありがとう~!

■ウッドブロックで印刷します
工房に入ってみると、ウッドブロックがたくさん積んでありました。このウッドブロックを上手に使って、アジュラックの複雑な図形を作る様子をこれから見ていきましょう。







■サリーも全部手作り
これはサリーを作っているところですね。 1枚の布に何人もの人の手で、別々のデザインをスタンプしていきます。一枚の布に何回スタンプしたら、布が完成するのでしょうか… 気が遠くなりそうです。■とても複雑な染色工程
さて、ここからは染色工程の紹介です。 アジュラック布の複雑な色味を出すには、とても複雑な染色工程があります。アジュラク布の染色で使われるものは、すべて自然由来のナチュラルな染料を利用していて、現代の染色で使われるような化学染料は全く使用されていないとのことです。一番最初に、薄黄色をしているマイロベラで染色をして、洗います。 マイロベラはアーユルヴェーダで使われる黄色い自然由来の染料です。 この布はマイロベラで染色をする前の生地。

■防染をする
マイロベラで染色をした布に、バブルガムで防染をします。 防染とは「そこだけ染まらないようにする工程」ですね。これがバブルガム。 バブルガムは一見ケミカルなようなものですが…




■黒色の素は錆びた鉄と砂糖
黒色を出すには、錆びた鉄と砂糖(ジャグリー)で作った染料を使います。 家の外に変なスクラップがあるなと思ったら、これが染料を作るためのものでした。この錆びた鉄が、美しい黒に変わるとは!! そしてもっと驚きは、染料を自宅で作っているとは!!

■何千回もペタペタ
作った染料を使ってデザインを押しているところです。葉っぱの模様の黒く見えている部分が、後ほど赤に変色し、染まっていないプレーンな部分が黒に変色します。■もう一度乾燥させます
防染が済んだ布は、地面で乾かされます。アジュラクプールは砂漠的な気候で、雨がほとんど降らないので、外はいつでも乾燥場所として使えます。

■藍染をします
プラスチックのドラム缶の中に藍が発酵していました。「藍の華」が出ているので、天然染料しか使っていないという言葉通り、ちゃんと天然藍を使っているのだなと納得。


■染めた後はよく洗う
布を染め上げたら、次は洗います。砂漠地帯で水はとっても貴重なもの。 だから村の中で洗う場所は一箇所です。
■洗って乾かしたらもう一工程
普通の布だったら、これで終わり…だと思うんですが。 アジュラックの布の素敵な色を出すにはまだまだ工程があります。これは木の花でヒンドゥー語でダバイフルというもの。

■ただひたすらに長い工程
まだ色が出てない段階から、

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