お金にも色々な使い道。ネパールの紙幣と硬貨を深堀りする
今回はネパールに在住しているSHUさんがネパールの紙幣と硬貨の話を送ってくれました。
旅に出ると手元にやって来る見慣れない外国の紙幣と硬貨にも、日本のそれと同じ様に色々なモチーフのいわれや裏話があったりするものです。
旅に行ったとしてもあまり気にしない、ネパールのお札と硬貨を今回は深堀りしてみました。
真ん中あたりからビリッと破れたあとにセロハンテープで修正したものや、もみくちゃにされたのや、メモ書きやいたずら書きがあったりして。
赤や黄色、そして油のシミ付きのお札もありました。
後になって汚れている理由がわかるのですが、ネパールでは宗教儀式にお金と一緒に赤い粉や油をつかうのですね。その時に染みがつき、そしてクチャクチャになってしまうのでした。
5、10、20、50.100、500、1000の7種類の紙幣と、1、2の2種類の硬貨があります。
ネパールにはその昔、王様がいたのですが、王室内の様々な内紛があり、王政は廃止となりました。
王制廃止の年に、紙幣の図柄が今までの国王様の肖像からエベレストに代わり、紙幣に描かれている動物もデザインが多少変わりました
7種類のどのお札でも、エベレストの図柄は基本のデザインとして使われています。
紙幣の左側に、エベレストの図柄がこじんまりとデザインされています。
左上にある、アルファベットのyのような文字がネパール数字の5です。 ५と書いて、パーツと読みます。「5本指をパーッとおもいっきり開く」と覚えると、覚えやすいですね。わからないとしても、右上に5と数字も書かれているので安心です。
空白になっている所は、透かしになっています。
透かしてみると、ネパールの国花シャクナゲが現れてきます。
紙幣中央にある三重の塔は、カトマンズにあるタレジュ寺院。
この寺院は、年に1回だけダサインの日に開放されます。
年に一回だけの開放日には、ネパール中からものすごい数の人々が参拝に訪れます。
その日はとにかく長蛇の列がすごいんですよ。
紙幣の裏側には、ヤクの親子が描かれています。
背景にそびえ立つ山は、エベレスト。
ヤクという動物は、頼もしく優しいというイメージですね。
角は鋭いし、大きなカラダですが、決して、いかつい動物ではないんだろうと思います。
頑張り屋の働き者で、イイやつなんだろうなあ。
愛されキャラのようで、ヤクはネパールの小学校の教材にも登場しています。
ちなみにヤクは見た目も遺伝も、「毛の長い牛」と言う理解で間違いないそうです。
ただでさえ可愛い牛さんが、毛が長くなって更にキュートになったイメージなので、愛されキャラになるのは必然とも言えますね。
10ルピー紙幣の中央には、神様が座っています。
政教分離の国ならばお札に神様が描かれるなんてことはありませんが、ここはネパールですから、神様が堂々とお札に顔を出してきます。
描かれている神様は、世界遺産であるチャングナラヤン寺院のヴィシュヌ&ガルーダ像。翼を左右に大きく広げている神鳥、ガルーダの背中に、ヴシュヌ神が乗って飛んでいる図柄です。
こうやって飛ぶんだよ。というお手本のようなポーズのガルーダです。
ガルーダという名は、“飲み込む”ということに由来するそうです。
紙幣を裏っ返すと、ブラックバックと言うネパールの動物が、こっちを向いています。ドリルのような角をしているのが特徴です。
20はネパール数字で२०(ビス)です。私達の使っているアラビア数字に似ていて、見た目にわかりやすい数字ですね。
ネパールの文字をデーヴァナーガリー文字と言いますが、ネパールのカレンダーにも、デーヴァナーガリーが使われているものがあります。
紙幣の中央の建物は、パタンのクリシュナ寺院です。実際に現地に行ってみると、いつ行っても時間を持て余した現地の人たちが、足をブラブラさせて座り込んでいます。
彼らの見える風景は、こんな感じかな。
裏面の動物は、シカの兄弟です。
「ネパールでシカに会いたい」という観光客の方々は、ついチトワン国立公園を目指してしまいがちですが、カトマンズ中央動物園にもたくさんの可愛いシカさんたちがいるんですよ。
ネパールの動物園ですので、しょぼい感じは隠せませんが、現地感は満載です。
動物園にはいろんな人が来ていますしね。
動物園で人間観察も楽しいものです。
紙幣の中央に寺院のような建物がありますが見えません。
なんだかインクが薄いですね…
紙幣の裏の動物は、足の短い猫のようですが、トラにしては迫力がなく、ちょっと太ったネコ科の動物です。隣りのネパール人に「この動物は何?」とたずねたら、「ホワイトタイガーだ!」との答えでした。
ホワイトタイガーをネパール語でヒュウチトワと言います。
ヒュウが山の方、チトワがタイガーなので山の方の虎と言う意味です。
紙幣の動物の図柄をもう一度見直すと、山を背景にタイガーですから、確かにヒュウチトワですね。
シャクナゲはネパールの国の花であり、国の色です。このシャクナゲの赤は国旗に使われていたり、ネパール・エアラインの色として使われていたりと、ネパールの色々なところで見かけます。
日本人は花見と言えば桜ですが、ネパールの春のトレッキングではシャクナゲのお花見コースがあるそうです。シャクナゲの見頃は3月で、「シャクナゲの季節に訪れる 春のネパール・トレッキング」みたいなツアーもあるのだそうです。
やっぱりネパールは山の国ですね。
ネパールと言えば、超高い山を描いちゃえば、もうネパール感バッチリのデザインになりますね。
紙幣の中央左下のゴールド色の楕円形の中に、また神様がいます。
ネパールは神様がいっぱいの国なのです。
この神様はたぶんバイラブでしょうね。
バイラブはシヴァの化身で恐怖の神様です。
カトマンズにはたくさんの世界遺産がありますが、その中のひとつ、ダルバール広場の中で逢えるバイラブがとても有名です。
紙幣中央には、通称、目玉寺で有名なスワヤンブナートがあります。
まぶたが、はれぼったく、うす目越しに、見つめているマナコが、独特ですね。
裏の動物は、象さんですね。
ネパールでは、象さん乗りが気軽にできるのですが、もし象さんに乗る機会があった時は、象さんの背中にあるイスの手すりを、しっかり捕まっていないと、落っこちてしまいますから気をつけて下さいね。
10ルピーでご紹介した神鳥ガルーダがデザインされています。
腰の低い感じで、ここでも翼を大きく広げてがんばっています。
ここには“アソトマジョッティルガマヤ”(暗闇に灯火を)というお言葉が書かれています。
7種類の紙幣の右上あたりには、丸いデザイン柄があります。
ここには歴史上の人物を奉る言葉である Shree shree shree gorakh naath が書かれています。
シュリー(栄光、吉祥、成功、富、高貴、美、輝)ゴラクナート(仙人)と言う意味です。
1はネパール数字で१(エク)です。
1ルピーの図柄は、ネパール地図にネパール語でネパールと書いてあります。
2はネパール数字で२(ドゥイ)です。
2ルピーの図柄は、牛耕している農民ですね。
牛と一緒に田畑を耕す、ネパールにはまだまだそんな風景が残っています。
硬貨の裏は、エベレスト山、サガルマータと書いてあります。
毎年3月にはシヴァ神の祭り、シヴァラトリがあります。この日はシヴァにまつわる行事をするのですが、もうひとつの習慣があります。
子供たちが道路左右両側に立って、通りかかる車を紐で停止させて、運転手からお金をもらうという、ハロウィーンのトリックオアトリートに似た、ちょっと悪どい遊びがあります。シヴァラトリーの日に出かける時は、子供たちに渡すために、日頃溜まっていた硬貨をポケットに入れてでかけるといいですね。
ネパールでは、宗教的儀式が頻繁にあります。
行事内容によって用意するものが違いますが、神様グッズとして揃える物の中に硬貨があります。
硬貨に、油をぬりつけたり、赤粉をぬりつけたり、黄粉をぬりつけたり、ヨーグルトをぬりつけたり、とにかく色々塗りつけると言う宗教儀式が、執り行われるのです。
ということで、日頃使っているお金を、ひっくり返したり、透かしてみたり、アイロンかけたり、並べてみたり、比べてみたりしてみました。
ふだんガチで見ることもなかったネパールのお金、ちょっと愛着わいてきたなぁ。
旅に出ると手元にやって来る見慣れない外国の紙幣と硬貨にも、日本のそれと同じ様に色々なモチーフのいわれや裏話があったりするものです。
旅に行ったとしてもあまり気にしない、ネパールのお札と硬貨を今回は深堀りしてみました。
目次
■ネパールの紙幣は汚れている
初めてネパールに到着してお金を両替してみた時のことを思い返すと、ネパール紙幣は汚れているという印象だったと思います。真ん中あたりからビリッと破れたあとにセロハンテープで修正したものや、もみくちゃにされたのや、メモ書きやいたずら書きがあったりして。
赤や黄色、そして油のシミ付きのお札もありました。
後になって汚れている理由がわかるのですが、ネパールでは宗教儀式にお金と一緒に赤い粉や油をつかうのですね。その時に染みがつき、そしてクチャクチャになってしまうのでした。
■ネパール紙幣と硬貨の種類
ネパールのお金の単位は ルピー(NPR)です。5、10、20、50.100、500、1000の7種類の紙幣と、1、2の2種類の硬貨があります。
ネパールにはその昔、王様がいたのですが、王室内の様々な内紛があり、王政は廃止となりました。
王制廃止の年に、紙幣の図柄が今までの国王様の肖像からエベレストに代わり、紙幣に描かれている動物もデザインが多少変わりました
7種類のどのお札でも、エベレストの図柄は基本のデザインとして使われています。
紙幣の左側に、エベレストの図柄がこじんまりとデザインされています。
■赤い5ルピー
5ルピーは日本円で約5円ほどの、7種類の紙幣の中で一番サイズの小さい紙幣です。左上にある、アルファベットのyのような文字がネパール数字の5です。 ५と書いて、パーツと読みます。「5本指をパーッとおもいっきり開く」と覚えると、覚えやすいですね。わからないとしても、右上に5と数字も書かれているので安心です。
空白になっている所は、透かしになっています。
透かしてみると、ネパールの国花シャクナゲが現れてきます。
紙幣中央にある三重の塔は、カトマンズにあるタレジュ寺院。
この寺院は、年に1回だけダサインの日に開放されます。
年に一回だけの開放日には、ネパール中からものすごい数の人々が参拝に訪れます。
その日はとにかく長蛇の列がすごいんですよ。
紙幣の裏側には、ヤクの親子が描かれています。
背景にそびえ立つ山は、エベレスト。
ヤクという動物は、頼もしく優しいというイメージですね。
角は鋭いし、大きなカラダですが、決して、いかつい動物ではないんだろうと思います。
頑張り屋の働き者で、イイやつなんだろうなあ。
愛されキャラのようで、ヤクはネパールの小学校の教材にも登場しています。
ちなみにヤクは見た目も遺伝も、「毛の長い牛」と言う理解で間違いないそうです。
ただでさえ可愛い牛さんが、毛が長くなって更にキュートになったイメージなので、愛されキャラになるのは必然とも言えますね。
■茶色の10ルピー
10ルピー紙幣の中央には、神様が座っています。
政教分離の国ならばお札に神様が描かれるなんてことはありませんが、ここはネパールですから、神様が堂々とお札に顔を出してきます。
描かれている神様は、世界遺産であるチャングナラヤン寺院のヴィシュヌ&ガルーダ像。翼を左右に大きく広げている神鳥、ガルーダの背中に、ヴシュヌ神が乗って飛んでいる図柄です。
こうやって飛ぶんだよ。というお手本のようなポーズのガルーダです。
ガルーダという名は、“飲み込む”ということに由来するそうです。
紙幣を裏っ返すと、ブラックバックと言うネパールの動物が、こっちを向いています。ドリルのような角をしているのが特徴です。
■オレンジ色の20ルピー
20はネパール数字で२०(ビス)です。私達の使っているアラビア数字に似ていて、見た目にわかりやすい数字ですね。
ネパールの文字をデーヴァナーガリー文字と言いますが、ネパールのカレンダーにも、デーヴァナーガリーが使われているものがあります。
紙幣の中央の建物は、パタンのクリシュナ寺院です。実際に現地に行ってみると、いつ行っても時間を持て余した現地の人たちが、足をブラブラさせて座り込んでいます。
彼らの見える風景は、こんな感じかな。
裏面の動物は、シカの兄弟です。
「ネパールでシカに会いたい」という観光客の方々は、ついチトワン国立公園を目指してしまいがちですが、カトマンズ中央動物園にもたくさんの可愛いシカさんたちがいるんですよ。
ネパールの動物園ですので、しょぼい感じは隠せませんが、現地感は満載です。
動物園にはいろんな人が来ていますしね。
動物園で人間観察も楽しいものです。
■青い50ルピー
50はネパール数字で५०(パチャス)です。紙幣の中央に寺院のような建物がありますが見えません。
なんだかインクが薄いですね…
紙幣の裏の動物は、足の短い猫のようですが、トラにしては迫力がなく、ちょっと太ったネコ科の動物です。隣りのネパール人に「この動物は何?」とたずねたら、「ホワイトタイガーだ!」との答えでした。
ホワイトタイガーをネパール語でヒュウチトワと言います。
ヒュウが山の方、チトワがタイガーなので山の方の虎と言う意味です。
紙幣の動物の図柄をもう一度見直すと、山を背景にタイガーですから、確かにヒュウチトワですね。
■緑色の100ルピー
100ルピーの透かしもやっぱり、シャクナゲでした。シャクナゲはネパールの国の花であり、国の色です。このシャクナゲの赤は国旗に使われていたり、ネパール・エアラインの色として使われていたりと、ネパールの色々なところで見かけます。
日本人は花見と言えば桜ですが、ネパールの春のトレッキングではシャクナゲのお花見コースがあるそうです。シャクナゲの見頃は3月で、「シャクナゲの季節に訪れる 春のネパール・トレッキング」みたいなツアーもあるのだそうです。
■茶色の500ルピー
紙幣の中央には、山を背景に牧歌的な家と、のどかな風景が印刷してあります。やっぱりネパールは山の国ですね。
ネパールと言えば、超高い山を描いちゃえば、もうネパール感バッチリのデザインになりますね。
紙幣の中央左下のゴールド色の楕円形の中に、また神様がいます。
ネパールは神様がいっぱいの国なのです。
この神様はたぶんバイラブでしょうね。
バイラブはシヴァの化身で恐怖の神様です。
カトマンズにはたくさんの世界遺産がありますが、その中のひとつ、ダルバール広場の中で逢えるバイラブがとても有名です。
■グレーの1000ルピー
7種類の紙幣の中で一番サイズが大きいのが1000ルピー札です。紙幣中央には、通称、目玉寺で有名なスワヤンブナートがあります。
まぶたが、はれぼったく、うす目越しに、見つめているマナコが、独特ですね。
裏の動物は、象さんですね。
ネパールでは、象さん乗りが気軽にできるのですが、もし象さんに乗る機会があった時は、象さんの背中にあるイスの手すりを、しっかり捕まっていないと、落っこちてしまいますから気をつけて下さいね。
■暗闇に灯火を
100、500、1000ルピーの紙幣裏の左下あたりには丸いデザインがあります。10ルピーでご紹介した神鳥ガルーダがデザインされています。
腰の低い感じで、ここでも翼を大きく広げてがんばっています。
ここには“アソトマジョッティルガマヤ”(暗闇に灯火を)というお言葉が書かれています。
■シュリー シュリー シュリー ゴラクナート
7種類の紙幣の右上あたりには、丸いデザイン柄があります。
ここには歴史上の人物を奉る言葉である Shree shree shree gorakh naath が書かれています。
シュリー(栄光、吉祥、成功、富、高貴、美、輝)ゴラクナート(仙人)と言う意味です。
■小さい1ルピーと大きい2ルピー
硬貨は2種類あり、小さい1ルピーと大きい2ルピーの2つです。1はネパール数字で१(エク)です。
1ルピーの図柄は、ネパール地図にネパール語でネパールと書いてあります。
2はネパール数字で२(ドゥイ)です。
2ルピーの図柄は、牛耕している農民ですね。
牛と一緒に田畑を耕す、ネパールにはまだまだそんな風景が残っています。
硬貨の裏は、エベレスト山、サガルマータと書いてあります。
■硬貨の使い道
毎年3月にはシヴァ神の祭り、シヴァラトリがあります。この日はシヴァにまつわる行事をするのですが、もうひとつの習慣があります。
子供たちが道路左右両側に立って、通りかかる車を紐で停止させて、運転手からお金をもらうという、ハロウィーンのトリックオアトリートに似た、ちょっと悪どい遊びがあります。シヴァラトリーの日に出かける時は、子供たちに渡すために、日頃溜まっていた硬貨をポケットに入れてでかけるといいですね。
■もうひとつの硬貨の使い道
ネパールでは、宗教的儀式が頻繁にあります。
行事内容によって用意するものが違いますが、神様グッズとして揃える物の中に硬貨があります。
硬貨に、油をぬりつけたり、赤粉をぬりつけたり、黄粉をぬりつけたり、ヨーグルトをぬりつけたり、とにかく色々塗りつけると言う宗教儀式が、執り行われるのです。
ということで、日頃使っているお金を、ひっくり返したり、透かしてみたり、アイロンかけたり、並べてみたり、比べてみたりしてみました。
ふだんガチで見ることもなかったネパールのお金、ちょっと愛着わいてきたなぁ。
コメントで回答いたします
真下です
2020.5.25日am8:00
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真下様
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