ヨダレが出るほど素敵な布の国ラオスで、仕入れのことを考える
■ラオスは布の国
ラオスの村の高床式の家の下には必ずと言っていいほど機織り機があります。豚や鶏、牛が放牧される牧歌的な風景の中、ゆっくりとした時間が進み、農家の女性たちが機織り機で、パタンパタンと布を織っていくのです。
効率優先の現代に生きている僕らからすると、夢の世界の様な、昔ながらの変わらない生活がラオスにはありました。
■ナイトマーケットは布の宝庫
古都ルアンパバーンのナイトマーケットを訪問すると、素敵な布がたくさんありました。
主に藍染めの布を売っているお姉さん。
一枚一枚の布が全てとっても魅力的です。美しさにため息しか出ない…
カラフルな布を売っている人もいました。
うーーん。こちらもまた素晴らしい!!!
ルアンパバーンのナイトマーケットは素敵な布の宝庫!!!
ヤバい~欲しい~!!
でも…どれもとっても素敵なのですが…どうもお値段があんまし素敵ではありません。
一枚の布が5000円と言われたり、8000円と言われたり。
高いものだと2万円と言われる時も!!
ちょっとティラキタでも売りづらい値段だな~~と思う値段帯です。
「なんで高いの?」と聞いてみると、「私の家族が作ってるからよ!」との答え。
「と言うことは手織り?」と聞くと、「もちろん!」と返ってきました。
確かに布の端っこが凸凹してて、手織りに間違いなさそうです。機械織りは糸にかかる張力が一定なので、布の端っこが揃いますが、手織りは人間が織っているのでどうしても端っこが凸凹になりがちです。
全部手織りかぁ~~~。
綺麗だなぁ。
でも手が出ないなあ。。。
■手織りの村を訪問する
なぜそれだけのお値段がするんだろう?と思って、実際に作っている所を見ることにしました。ラオスを走ると、車窓から機織りが家の軒先にあるのをよく見かけますので、ラオス独自のテキスタイルは、ラオス全土で幅広く制作されている様です。
今回はルアンパバーン郊外のテキスタイルビレッジを訪問してきました。
テキスタイルビレッジはバーンサンコーンと言う村で、この辺です。
ルアンパバーンからメコン河の支流にかかる竹製の橋を渡って。
こんな獣道を通るとバーンサンコーンに到着です
バーンサンコーンで、織物を作っているのは10-15軒位でしょうか? そもそも村がそこまで大きくないので、村の人口のほとんどが手織りの布ビジネスに携わっていると思われます。
メコン河に面した素敵な工房&お店がありました。
工房の中ではコットンとシルクの布を作っていました。
こちらが糸を染色する鍋で、この工房では染色から自分たちで行っているそうです。
染色された糸が乾かされていました。
家の中に入ると、木の織機がありました。木で作られた織機には、無数の糸が張られ、女性がパタンパタンと布を織っていました。
これは時間かかるなぁ…
高くて当たり前なんだなぁ…
「ねえ、1枚の布を織るのにどれくらいかかるの?」
「この布だと…一週間くらいかしら」
「2m位だよね。そうすると、1m織るのに3日くらい?」
「そうね。それ位かかるわね」
■人が織る素晴らしさと、いいものを安くのバランス感覚
市場で見かけた布たちはここで作っているものよりももっと手が込んでいたような気がします。そうすると…5000円の布が2週間でできるとして、一日の稼ぎは350円。時給にしてたったの40円です。時給40円…あまりにもブラックすぎる。
製作期間と値段を考えたら、申し訳なくてもっとお金を出さなきゃいけないなと思います。
どう考えても安すぎです。
でも…日本で。
そしてネットショップで。
2m 5000円の布がお客さまに求めて頂けるだろうかとなると、私達の長年の経験から言うとちょっと難しいかなぁ。実店舗で手に取って頂けるのであれば別ですが、写真だけが頼りのネットショップだとなかなか難しいんですよね。いろいろ考えた挙げ句、ラオスの布はティラキタでは扱わないことになりました。
手作りのアジア雑貨が好きで紹介したいティラキタですが、素敵なアジアものだったらやっぱりなんでもいいと言う訳には行きませんね。
実はこの問題は、インドやネパールで工房を訪問する時にいつも出現します。
アジアの素敵な物を紹介したいという気持ちと、買って頂ける値段帯のものを提供したいと言う気持ちをうまくすり合わせながら、いつも仕入れをしております。