■インドは人生を変える国
インドは人生を変える国だと思います。インド好きに話を聞くと、みんな、口を揃えて同じように言います。インドに出会って視野が広がった。
インドに行ったら人生が楽になった。
人間は自由なんだって気がついたと。インドは日本人の私達にとって、常識を覆されるような事ばかりが起こる国です。インドに行き、その空気にどっぷりと浸っているうちに、
「人間、これでいいんだ」って言う気づきがやってきて、ボクらは、日本のしがらみや常識に縛られていたんだなって気がつきます。もちろん、このブログを書いているティラキタ店長もその一人。インドに行って、人生観を再構築された多くの人たちの一人です。そして
日本人がインドに行くと自由になれるよ!とずっと言い続けているのです。インド人からは自由さだけでなく、人生で大切なことも色々教えてもらいました。
それに従い、ティラキタを18年間営んでしてきました。今回はインド人から教えてもらった人生で大切な事を、包み隠さず書いてみたいと思います。
■毎日コツコツ積み重ねる
インドで教わった人生で大切な事は
「毎日コツコツ積み重ねる事」です。
つまらない事ではありますが、とっても重要なので一番頭に持ってきました。
毎日コツコツ積み重ねる事でしか、人は目的に到達出来ないんだと、シタールの先生から教ったのです。20代の前半の頃、僕はバラナシでシタールを習っていました。シタールの先生に言われたのは、とにかく毎日練習しろと言う事です。1日練習しなかったら、2日分下手になる。
とにかく毎日コツコツ練習しなければ、手も動かないし、上手にはなれない。だから、とにかく毎日練習するのだと。
シタールはとにかく難しい楽器です。弦に触る指は切れて、凄まじく痛く、ミーンドと言う弦を引っ張るチョーキングの動作をするときは弦が切れて顔に刺さるのではないかと思えるほど引っ張ります。
シタールはまさしくマゾ向けの楽器でしたが、毎日練習をコツコツすれば、ちゃんと上手になるものでした。そして先生に言われた通り、1日練習しなかったら、2日練習しないと元には戻らないものでした。尊敬する偉大な奏者たちはみんな同じように練習し、とにかく練習し、練習してきているのだと。だからお前も頑張れば必ず上手になってステージに立てるのだと。シタールの練習は5年ほどやりまして、結果、才能の問題で諦める事になりましたが…そんなシタールの毎日のコツコツ練習は、音楽だけではなく、起業をする上で、とても重要だったのです。
いきなり大きなお店をする事はできないけど、小さなお店を毎日改善し続けることだったらできました。いきなりプログラムを組める様にはならなくても、毎日勉強して、出来るようにはなりました。素敵な商品も最初は持ってないけど、継続していくうちに素敵な商品を揃えることが出来る様になりました。最初はとっても下手だったらお客様とのやり取りも、経験を積んで、お客様の気持ちがわかり、だんだんも満足して頂けるようになりました。毎日改善して、コツコツ積み重ねれば、いつしか見た事のない地平にたどり着くものです。
コツコツ毎日やっていれば、いつしか上手になっているものでした。シタール奏者にはなれなかったけど、シタールを勉強している時に習った「毎日コツコツやる」と言うのは凄く今でも役に立っているのです。
■大切な人を探すときは人の紹介で
どうやって取引先を探したの?と言われることがあります。インド人と商売するの大変そうですねって言われる時もあります。インド人と商売して、今まで何回騙されましたか?って言われる事もあります。期待を裏切って申し訳ないのですが、ティラキタでは一度もインドからモノがやってこなかった事はありません。ティラキタではいくつもの都市に、100を軽く超える取引先がありますが、ほとんど騙されたことはありません。
そこにはもちろん秘密があります。
基本的であり、でも多くの人が実践してない秘密です。その
秘密とは、人に紹介してもらうという事。いい人に出会いたかったら、人に紹介してもらうのが一番の近道。
これは日本でもインドでも変わわらないと思うのです。どういう事かと言うと…例えば、人に「この街で一番おいしいお店に行きたいんだけど」と言われたときの事を考えてみましょう。あなたは今までの自分の知識や、経験をフル活用して、その街で一番おいしいレストランを紹介してあげようとするはずです。あなたの頭の中にある100を超えるお店の中から、最適と思われる一店を探して紹介しますよね?レストランはいくらでもあるので、紹介がなければ一店、一店を回ってみなければいけませんが、紹介があったら適切な一店に確実にたどり着けるのです。そんなの当然だろ?と、思いそうですが…
人に紹介してもらうと言うのは、当然だからこそ、普遍的に使えるテクニックなのです。自分の知り合いたい人がいたら、信頼している人に聞いてみる。それが一番ちゃんとした人を探せ、色々うまく行く近道になるのでした。
■人を信頼する
インドとの取引を初めて2年後くらいの事でしょうか。
ムンバイの取引先がこれからは後払いでいいと言い出したのです。
お前の事を全面的に信用しているから後払いでいいと。その頃、僕はまだ29才。ティラキタを始めたばかりの若造で、そこまで人に信頼される様な人物ではありませんでした。でもチャンドラカントさんは、100万でも200万でも荷物は先に送る。支払いは届いてからでいいと言い出したのです。チャンドラカントさんは日本に来たことがありません。だから私達がどんな生活をしているかも、本当にお店があるのかも知りません。そして100万円、200万円の支払いを僕がしなかったら、彼があっという間に破産する事も知ってました。それなのに、日本から突然やってきた青年を信じ切る。人間として、そこまで信頼された事はいまだかつてありません。信頼されたらやっぱり裏切るわけにはいきません。
信頼されたら信頼で返すのが人間ですから。その後、支払いは絶対に遅れない様にし、チャンドラカントさんが亡くなった後も、残された家族をサポートしようとオーダーを続けてきました。
信頼したら信頼が帰ってくる。その、本当に本当に人間としての基本的な事を、インド人から教わったのでした。もちろん、たまには信頼出来ない人もいるけど、でもやっぱり、基本的には信頼した方がいい結果が出せると思うのです。ちょっと疑っていたとしても、出来るだけ信じてると言い切る様にする。そのちょっとの疑いはどうにかしては自分の内面で処理するようにする。信じたんだから、騙されても自分のせいだと思うようにする。その後、折々のタイミングで信頼することを続けた結果、人と人との関係が良くなり、信頼関係が強くなったなぁと感じるようになりました。
人を信頼することは、とっても大切な事だったのでした。
■人と人の関係を大切にする
インドに行って思うのは、人と人との関係が近くて、濃密であると言う事でしょうか。
ちゃんと人と会って、ちゃんと話をする。その人間としての基本的な事がインド人はちゃんと出来ていると思います。まぁインドに行くとその人との付き合いが濃密過ぎて疲れちゃう事も多いんですけどね…ここ最近、世界中の人がスマホを持ち、即時に連絡が繋がるようになったとしても、やはり、実際に顔を合わせるのは大切な事です。ティラキタでも、すべての取引先に、ちゃんと年に一回は顔を合わせて話をする様にしたいなと思っています。