新しいのに懐かしい。 ネパールの発酵食グンドゥルック
■ネパールの伝統的な発酵食グンドゥルック
ネパールにはグンドゥルックと呼ばれる伝統的な発酵食があります。正直な話、このグンドゥルック、あまりにも見た目が地味なので、ネパールにちょっと行っただけでは発見することができません。
この写真の中にグンドゥルックが映り込んでいるのですが、わかりますでしょうか。
この、茶色の枯れ草がグンドゥルックです。正直、本当に枯れ草のような見た目です。
これに興味を持とうとか、食べてみようとかまず普通の人は思わない、そういう地味なヤツです。
でも、その枯れ草から強い発酵臭がしてくるのです。
■実際にどうやって作るか見てみましょう
それでは、実際にグンドゥルックをどの様にして作るか見てみましょう。
まず、青菜を用意します。青菜の種類は特に問いませんが、ネパールではマスタードの葉っぱがよく使われるそう。日本では大根か小松菜の葉っぱがいいそうです。 葉っぱを洗い、軽く乾燥させます。
軽く乾燥した後、木槌でコンコンと青菜を潰します。このときのポイントは葉っぱではなく、青菜の茎の部分を潰すようにすること。野菜の茎の部分から汁が出てきて、十分にフラットになるまで潰します。
青菜が潰れたら、たらいに入れて、沸騰したお湯をかけます。たらいの中でちょっと青菜をゆがいて、すぐにお湯から出します。お湯から出すときに、手でよく絞ります。
ここではビニール袋を使っていますが、山間部では地面に穴を堀り、ゆがいた青菜を中に入れ、それの上にバナナの葉っぱなどで蓋をして、15日間ほど発酵を待ちます。
ちなみに、ビニール袋を使うと、より早く発酵が進み、5日間で出来上がるのだそう。内側のビニール袋にはプスプスと穴を開け、余分な水分が流れ出るようにしておきます。外側のビニール袋の上に重石を載せて、水分をよりしっかりと出させるのが重要なのだそう。
青菜が十分発酵すると、強い香りが漂ってきます。十分香りが出たら、球形になっているグンドゥルックの玉をほぐして、太陽光に当てて乾燥させて出来上がります。
乾燥したグンドゥルックを実際に口に含んでみると、多少の枯れ葉の味がしつつも、マスタードの葉っぱだけしか使っていないとは思えない、非常に複雑な味わいがします。
この味を一言で説明するならば…「葉っぱで作った納豆」と表現できるでしょうか。
カサカサに乾燥しているので、納豆のようにネバネバしていませんが、味の深みや複雑さは納豆と比較して遜色ありません。
■日本で作ったグンドゥルック
ティラキタで働いているサラダちゃんが、グンドゥルックとニラの和え物を作ってきてくれました。グンドゥルックは日本で作ったサラダちゃんのお手製です。
「ねえ、サラダちゃん。日本で作ったグンドゥルック、ネパールと同じ味になった?」と聞いたら…
「それが、ならないんですよ。酸っぱくなりません」
「ああ、やっぱり」
だいぶ前のことになりますが、ネパールで作られた味噌を味わったことがあるんですが…。
ネパールで作られた味噌は、残念ながら美味しくありませんでした。
日本の味噌とは全く別の味がしました。
「え、これがお味噌?」っていうくらいの不思議な味でした。
きっと、ネパールに住む菌と日本に住んでいる菌は全く違うんだと思うのですよね。
もちろん、タネになる麹は日本から持ってきていると思いますし、ほぼ同じような工程で作っていると思います。でも、ネパールで何回か麹を作り続けているうちに、自然と味が変わってしまうんではないだろうか、と思うのです。
■ネパール食材の取扱をはじめました。
この度、ティラキタではグンドゥルックを始めとして、なかなか手に入りづらい、ネパールの食材の取扱をはじめました。
グンドゥルックにラプシー、ダラピックル、シスノパウダーなど、名前を聞いただけでは何のことやら全くわからない、不思議な食材を色々取り揃えております。
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