怪しいインド人、パキスタン人達が跳梁跋扈する香港のチョンキン・マンション
目次
■お洒落なカナダのインド人街
ティラキタ買い付け班はインド本国だけでなく、色々な国でインドの香りを探すのが大好きです。中国人と同じように、インド人は印僑と呼ばれ、世界のいろいろな所に住んでいて、彼らは、移住した先の文化とマサラ文化をうまくミックスさせて生活を送っています。
彼らは彼らなりに適応しながらその土地に住んでいるのですが、やっぱりインド人達は個性が強く、どうしてもそのマサラ臭い個性がにじみ出てしまうんですよね。
僕ら、第3者の視点から見ると、隠すことのできないインドの独特の文化が、どの様に洗練され変質して、異文化に馴染んでいるのかを見るのが、とても興味深いのです。
今まで訪問した中で一番洗練されていたのはカナダのトロントのインド人街でしょうか。カナダのトロントのインド人街は瀟洒な町並みの中にビリヤニ屋さんや、インド雑貨店、サリー屋さん、インド楽器屋さんなどが立ち並び、とってもおしゃれなインド人街でした。
「インド人、やれば出来るじゃん!」、「お洒落なインドもいいじゃない!」って思ったものです。クールで整然としたカナダとインドの混沌さが、程よく混じっていて、とても居心地の良いインド人街でした。
■シンガポールのインド人街はムスタファセンター
シンガポールのインド人街はムスタファセンターという大きなビルの中にありました。ムスタファセンターの中にはMTRのカレーが山のように並べられ…GITS社のスパイスミックスも、これでもかと並んでいましたっけ。シンガポールは地理的にインドに近いので、カナダに比べるとインドの香りが強くそのまま残っていました。とは言うものの、やはりシンガポールですので怪しさはなく、シンガポールならではのインド人街だなぁ…と強く感じるものでした。
■タイのインド人街はパフラット市場
タイのインド人街はパフラット市場と言って、バンコクの王宮近くにありました。訪問してみたら、スイーツ屋さんにマサラドーサ屋さんもありました。もちろんチャイも飲めますし、僕たち日本人が大嫌いなパーンも食べられます。でも、インドのように完全にインドではなく、半分タイで半分インドなのが面白い所です。パンジャビドレスのおばちゃんが、タイのおばさんから野菜を買っていたりしていました。
この様に、各国の移民街はその国のエッセンスを取り入れて、しかし、インドの強烈な個性はそのままに仕上がっています。大雑把に言うと、移民した国とインドを足して2で割った感じなんですよね。
そしてつい先日、休暇で香港に行ってきたのですが…その際にも、やっぱりインドの香りを探してしまったのでレポートしてみたいと思います。
■世界の中心とも言うべき金融都市
かつて魔窟と呼ばれた九龍城があり、国際的に活躍する香港マフィアの巣窟だったという、怪しいイメージを持っていた香港ですが、今となってはその面影はどこにもありません。香港は観光客が押し寄せ、高層ビルが立ち並び、緑のマクラーレンが普通に路駐されていると言うカネの匂いがプンプンと漂うアジアの中心都市となっています。インドパパ、世界の中心に一度行ってみたいと思って、ニューヨークを訪ねたことがあるのですが、世界の中心感としては香港のほうが上です。日本からも、タイからも、インドからも、中国本土からも、フィリピンからもすべてのアジア諸国から数時間でアクセスできる地の利がそうさせているのでしょう。
■重慶大厦はマサラ臭漂う魔窟だった
プレイステーションのKOWLOON'S GATE?九龍風水傳?で遊び、怪しげな九龍城に一度行きたいと思っていたインドパパの目からすると、カネの匂いがプンプンする今の香港は正直、ちょっと期待とは違いました。美味しい料理も、知らない土地もそれはそれで満喫したのですが、「インドが好き=怪しいものが好き」と言う僕にはちょっとだけ物足りない感じだったんです。かつての怪しげな香港の面影はどこにも残ってないんだな…ま、仕方ないよなぁ…と思いながら歩いていたのですが…。
なんと、香港の一等地、尖沙咀(チムサーチョイ)に怪しげな香港の魔窟がまだ残っていました!!!
その場所とは、知る人ぞ知る、バックパッカーの巣窟チョンキン・マンション(重慶大厦)。このビルは1960年代に開発された複合ビルなのですが、もともと5棟の建物があったものが合体して一つのビルとなり、今の姿をしているのだそうです。
チョンキンマンションの前にはインド人たちがたむろしていました。
ボーッと立っていると…
「ニホンジン? ニセモノドケイ?」
「ホテル、ホテル」
「タイマ買わない?」
と様々な客引きがどんどんやってきます!!!
「うわ!!インドがやってきた!」と自然と嬉しくなる俺。更に、彼らが売ってくるモノの内容は明らかにインド本国よりアブなさが上。かつての香港の怪しさをインド人達が吸ってパワーアップさせたのではないかと思われる怪しさぶりです。
怪しげな客引きを無視してビルの中に入ってもインド人だらけ。ヒンディー語や、ウルドゥー語が普通に飛び交うさまは、「ここは香港ではなくてインドだよね?」と嬉しい錯覚を起こしてしまいそうです。
チャドルをかぶった女性と、クルタ・パジャマ姿の少年、そして普通の服の香港人。文化が完全にごちゃ混ぜになっています。
■カレーからビリヤニ、そしてスイーツまでなんでもある
ビルの正面は両替商がひしめくエリアです。大通りに面して、一番手前の両替商が一番レートが悪く、奥に行くに従ってレートが良くなっていくようです。もっと中に入ってみると、インド人たちのお店がありました。オレンジ色の看板のお店はイスラム法に触れないハラル食品専門のレストラン。チキンビリヤニや、ケバブ、タンドゥーリーチキン、インドカレーなど様々な料理を売っています。
アラビア語かウルドゥ語の看板のお店。漢字を一切使っていないところから、香港ローカルを一切相手にしていないことがわかります。
ミックス・ベジ・パコラに、チリ・パコラ、ワダ、エッグ・カレーに、ダルマカニ。どれも美味しそうです。
チャート・コーナーと言う、スナック屋さん。サモサの上にヨーグルトをかけたサモサ・チャートや、円形のポテトボールの中にスパイス水を入れたパニプリなど、インド本国のお店と言ってもおかしくない品揃え。
チューブに入ってすぐに使えるインスタントヘナ、男性用嗜好品のパーン、インドのアルフォンソマンゴー、そしてCDやDVDまで。様々なものが雑多に売られているのもインドを感じさせます。
UNCLE'S CENTREと言う名前の雑貨屋さん。「これ売れるの?」と疑問になるほどの、大量のビスケットと並んで、SIMカードも売っています。インド人のおっさんたち4人がこっちを向いて………この写真が香港だとは説明されても信じられないレベルです。
カナダのインド人街は「カナダのお洒落さ+インド」の組み合わせ
タイのインド人街は「タイの雰囲気+インド」の組み合わせ
シンガポールのインド人街は「シンガポールの先進さ+インド」の組み合わせですが…
ここ香港のインド人街は「香港の怪しさ+インドの怪しさ」の組み合わせで、くっついちゃいけないものが偶然にもくっついてしまったような猥雑さを感じさせます。
■バックパッカーの巣窟チョンキン・マンション
このチョンキン・マンションですが、バックパッカーの巣窟として世界的に有名な物件です。チョンキンマンションの中には数多くの安宿があり、その立地の良さと値段の安さから世界中のパッカーの集まる場所になっています。重慶大厦の宿はAirBnBなどで簡単に取ることができますが、直接行ってもきっと空き部屋があるはずです。各ゲストハウスは世界の各国の名前になっていました。
ホテルの扉にHAPPY DIWALIとあることから、インド系オーナーの経営だとひと目でわかります。
そして…ホテルの窓からちょっと顔を出してみると…汚え!!
そこには金融都市香港にあるまじきカオスが広がっていました。
九龍城はなくなったけど、まだまだ香港には怪しい場所があるんだなぁ…とちょっと感動
こういう物件も、近代化の中で徐々に消えていくのだと思います。古き良き猥雑なアジアが好きな方は、ぜひ、早めにチョンキン・マンション(重慶大厦)を訪ねてみてくださいね。
キターーーーーー(゜∀゜)ーーーーーー!!
チョンキンマンション!
次こそはチョンキンデビューと思いつつ出来ないままですが、僕的にはこれが香港だよと思います。
レートのいい両替商があるというので訪れたらよだれが出そうなインド料理のお店が。
今度はそんな料理屋に突撃取材してください。
20年程前初めて行きました。
チュンキンマンション。
ヤバイ感が凄くてエレベーターに乗るのもドキドキでした。
香港で仕事があり、10年程前から又ちょくちょく行っています。
立地も良く、他では味わえない香港なのでお勧めデスよね———-
チャドルじゃなくってヒジャブだと思います。
チャドルは体全体を覆って体の線を隠すゆるいマントのような感じのものなので。
髪の毛だけを隠すものはヒジャブ、目しか出さないものが二カーブ(サウジアラビア)
ブルカは頭から体全体を隠す(アフガニスタン)みたいに、けっこう違いがあります。
それ以外にも仮面をつけたり、片目だけ出したり地域や宗派によってけっこうバリエーションがあるみたいです。