ゾンビだらけの野外レイブパーティー!! プシュカルのホーリーがヤバい

■短いインドの春
3月に入り、だんだんと春の訪れが感じられるようになってきました。日本の春はゆっくりですよね。温かい日がやってきたなと思うと、また寒くなり、数日してちょっとまた暖かさがプラスされて。4月から6月のはじめ頃まで、春から初夏のいい季節を楽しめます。日本の春は2ヶ月位の期間だと思います。

そしてまたインドでも冬が終わり、短い短い春を迎えようとしています。日本の春はゆっくりですが、インド平野部の春はあっという間。春がきたな?なんて思っていると、一ヶ月もしないうちに40度を超える酷暑期を迎えます。海から遠く離れた大陸だから、暑くなるのがあっという間です。

15日間から30日間位の短い春であったとしても、あっと言う間に夏がくるとしても、寒い冬が終わるのは嬉しいらしく、インドの人々は春の訪れを祝います。そしてインドの春の訪れはホーリー祭から始まるのです。

これはホーリーの色水をかけるための水鉄砲が売られている所です。

■インドの色掛け祭りホーリー
ホーリーはインドの春の訪れを祝うお祭りです。ホーリーの数週間前から街には色粉売りが屋台を出し、自分自身も緑や赤色に染まりながら色粉を売っています。気の早い子どもたちはホーリーが始まる前から色粉を買い、色だらけになって怒られていたり…インドの春はカラフルです。

こちらはグジャラート州のホーリーの様子。カッチ湿地があるブジで撮影したものですが、10台半ばの少年たちがバイクに2人乗り、3人乗り、4人乗りになり、色粉を撒きながらブジ市内をただ、ぐるぐると走り回っていました。



ブジでのホーリーは色粉をかけるだけでなく、牛の糞を乾燥させた燃料を山盛りにして火をつけ、その廻りをみんなでぐるぐる廻るなど、独特の感じでした。田舎のホーリーは、牧歌的で平和なものでしたが………。


■ググると凄いホーリーの画像が出てくるんだが
が!! しかし!!!! 
ホーリーで画像検索するとこんな写真とか

source:WikiPedia Author:Narender9

こんな写真とか出てくるんですけど!?

source:thebetterindia.com

これ、どこの写真??

僕の知っているホーリーはこんなカラフルじゃないよ!
こんなフォトジェニックなホーリーに一度は参加したい!!
ヤバいホーリーに一度は参加したい!!!

と思っていたのですが、そもそもどこに行けばヤバいホーリーに参加できるかわかりませんでした。

■ゾンビだらけの野外レイブパーティー!!
20年間インドに通い続け、情報を収集している中で、とうとう写真のような狂気のホーリーが味わえる場所を発見!!!

友達のラリット君と寝る前に話をしていた時のことです…

「ねえ、今年の春は来ないの? ホーリーあるんだけど」
「ホーリーだったら去年も行ったよ」
「いやいや、プシュカルのホーリーは全く違うんだよ。 ちょっと、YouTube見てみなよ!!」


とリンクを送ってきます。早速見てみると…なんじゃこりゃ!!!
これはヤバい!!
こんなの見た事ないよ!!



全員が色粉まみれになり、街中でトランスが爆音でかかり、大人も子供も全力で踊ってる!!
スピーカーが積まれて爆音で踊ってる!!!

これは街中での野外レイブパーティーだよ!!!

全員が色粉を塗りたくり、もう完全に狂気としか言いようのない魔空間が広がっています。
肌の色が赤だったり、青だったり、完全にゾンビ化した人たちが踊っています。

これはGo Proで撮影されたもの。ホーリーの時は色水であっという間に機材がぐちゃぐちゃになってしまうので、GoProはいいアイデアですね




宿の中で煙草を吸っているときはまだ平和ですが…


宿の一歩外に出るとそこはゾンビたちが住むカラフルワールド!!


TV曲に取材されたり、その様子を警官が横で見守っています。


インタビューを受けている間も容赦なく色粉攻撃


挨拶の代わりに色粉をベタベタ。人混みの真ん中は色粉の煙でよく見えません。3秒毎くらいに色粉が宙を舞っています


色粉でグッチャグチャだけど、みんなもう、無駄に楽しそう!!


大人も子供も大騒ぎ!! ただ大騒ぎ!!


ダンスフロアの横の建物でも踊っている人たち。デコレーションは色粉で汚した衣類のようです


■Pushkar Holi 2016
狂気の祭りPushkar Holi。今年も行われるらしくFacebook上では既にイベントページができていました。 日程は2016年3月24日。あと一ヶ月ほどですので、今からプシュカルに向かってもいいですね。

本当に残念ながら今年は僕は行けませんが…ぜひ近い将来に一回行ってみたいものです。



■行く際のご注意
非常に楽しそうなプシュカルのホーリーですが…行く際には重々ご注意ください。
インドの聖なる街での年に一度の大騒ぎは、日本のそれとは全く次元の違う大騒ぎです。

・女性は一人で絶対に出歩かない
・街に出る際は貴重品を持って行かない
・暗くなる前に宿に帰る
・(できたら)人混みに近づかない
・違法なものに手を出さない
・危なそうな人には近づかない
・色粉を塗るときにきっと胸は触られます。その辺は覚悟の上で。嫌だったら行かないほうがいいです。

行ったらきっと凄く楽しいですが、トラブルがあったらせっかくの楽しさも半減です。
セキュリティーをしっかりして、全力で楽しみましょう!!!

■そもそもなぜホーリーで色粉をかけるのか?
プシュカルのホーリーは動画を見ると判るように、外人が結構多く、正直、インド人の宗教的な儀式に外人が悪乗りしている印象が否めません。僕達日本人ツーリストが行くにはここで十分ですが、インド人にとってホーリーはもっとちゃんと宗教的な意味合いのある行事です。

色粉はクリシュナ神からの祝福を意味し、色粉を全身で受けるのはすなわち、クリシュナ神からの祝福を全身で受けとることを意味するのだそう。

すべての宗教において火はたいへん特別なものとして取り扱われていますが、火が燃えた結果として生じる灰もまた、ヒンドゥー教では聖なるものとして取り扱われています。ヒンドゥー教の行者であるサドゥは死者の灰を身体に塗って行に勤しみます。

インドのお祭りには必ず何らかの伝説がバックグラウンドにあるのですが、このホーリーもまた、神様たちが戦い、善が悪に打ち勝った象徴としての焚き火の灰を額につけたところから始まっているのだそう。

ですので、インドの一部のお寺ではお寺の中で聖なる行事として盛大にホーリーが祝われます。このムービーはバラナシがある州、ウッタール・プラデーシュ州のVrindavan Shri Banke Bihari ji's Templeでのホーリーの様子。

このお寺はホーリーの激しさで有名らしく、ホーリーの多くの写真はこの寺院で撮影されている様です。



ホーリーを、インド人と同じように、宗教的に味わいたいと言う人はお寺に行くほうがきっと良いでしょうね。
馬鹿騒ぎだけではない、伝統と宗教に基づいたインドの姿が見られると思いますよ。

この季節にインドにいる方、ぜひホーリーを全身で楽しんでみてください。 場所がどこであれ、人生を全力で楽しんでいるインド人達がいるのは間違いないんですから!!
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