著作権を大侵害? 仁義無視のインドのマクドナルド

■インドでもドライブスルー
ここ最近、インドのマクドナルドが、ドライブスルーの数を増やしている様です。インドでのドライブのお供というと、国道沿いのドライブインでナンやカレー、もしくはドーサ等の典型的なインドの料理がお決まりだったのですが、インド料理だけでない選択肢が増えたのは嬉しいことです。やっぱりいつもインド料理は厳しいですからね。



その昔、インド人が欧米に留学に行くと、そのまま居着いて帰ってこない=インド本国に魅力がないと言うのが典型的なパターンだったのですが、ここ10年位は留学に行っても「インドのほうがチャンスがあるよ!」と帰ってくるインド人が多いと聞きます。

きっと、このマクドナルドのドライブスルーも帰国したインド人達が「うちの国でもドライブスルーがあったほうがいいよね?」と作り始めたのでしょうね。

でも、インドはやっぱりインド。ただ欧米の物をコピーするだけでなく、必ず彼らなりの味付けを加えてきます。

バーガーキングのマトンワッパーだったり、野外フェス形式の結婚式だったり、マサラテイストのポテトチップスだったり、ガンジス河のペットボトルだったり…見た事あるけど、いろいろ変えられててやっぱりぜんぜん違うものに進化してる!

なんでも彼らなりの独自のものに進化させてしまう。それが数多くあるインドの魅力の一つかと思います

■マクドナルドに立ち寄ってみた


場所はデリーの北に位置する穀倉地帯のパンジャブ州。僕らはインドの結婚式に参加するため、車で移動中でした。シーズンはちょうどサトウキビの収穫期で、あちこちでサトウキビを収穫する農民たちが働いていました。


このサトウキビの一部は、その場で汁を絞り、絞ったさとうきびのカスで熱して、ジャグリーという砂糖になります。この砂糖の作り方のレポートは「インドに古代から伝わる砂糖づくりの現場を発見しました!」をご覧ください。

この砂糖、ちょっとだけ手で持って帰ってきましたので、20名の方にプレゼントしております。お買い物のついでにぜひどうぞ。


車で移動している途中におなかが減ったので、目の前に出現したマクドナルドへ何の気なしに入りました。

「今日は何食べる?」
「マハラジャマック?」
「いいね!」
みたいな感じです。

ドライブスルーで買ったバイクの2人組とすれ違いました。インド人ってなぜか、いつもみんな楽しそうです。釣られて自分も自然と笑顔になります。僕らはそんなインドが大好きです。


マクドナルドのマスコット、ドナルド君。日本の彼とはちょっと顔形が違いますが、まぁ、普通です。見たことのあるいつものヤツです


マクドナルドの中に入ってみました。田舎のマックですが、中は日本と同じレベルで綺麗です。シーク教徒の多いパンジャブ州らしく、ターバンを巻いたインド人が働いています。


一番安いMcAloo Tikkiバーガーは30Rs(60円)、ポテトとドリンクセットのコンボにすると99Rs(200円)です。お目当てのマハラジャマックは一番高いチキンミールで250Rs(500円)。

お値段は日本よりもちょっと高いくらいです。先週も書いたとおり、インドは既にもう安い国ではありません。


制服を着たマネージャーがマハラジャマックの看板の後ろで電話しています。看板にはツイッターのハッシュタグも印刷してあり、もう、これが日本にそのまま来てもおかしくない位です。「グローバリゼーション」とか「国際企業の世界展開」ってこういう事なんでしょうね。



■著作権を侵害している様にしか見えない


さて、お店の外に出てみると…何か風景がおかしいことに気が付きました。さっきの写真に改めて赤い○をつけてみましたが…これ、なんだ?


近づいてみると、子供が喜びそうな原色の遊具でした。チープだったり、原色だったり、どことなく変ですが、マクドナルドって「子供を喜ばせて、将来の顧客にする」って言う戦略をとっているんで、判る気がします。


そして敷地の中を歩いてみると…カンガルーが出現したり


なぜかプラスチック製の白鳥が置いてあったり…


奇妙なカエルが置いてあったり…


ワニも居ました


変な小さな消防士も…


そして…あ!! このネズミは!!

これはあかんやつだ!!

マクドナルドにネズミが堂々と置いてある!!




改めて正面からネズミとマクドナルドを一緒に撮影。
しかも雑だし…これはセーフかアウトかと言ったらアウトでしょう……



■パチものは消えつつある


こんな状況をレポートすると、インドは外国企業の著作権を完全に無視しているんだねと誤解されそうな気がしますが、実は着々と手を打っている模様です。

2015年6月に書いた毒牙にかかった青い猫の話がありましたが、2016年2月に同じ場所を再訪したら、青い猫はほとんど駆逐され、市場から姿を消していました。

ドラえもんだけでなく、他のキャラクター商品も姿を消していましたので、一斉に著作権関係の摘発が入ったものと思われます。パチものがいなくなって寂しいよな…と思うとともに、「インドもちゃんと著作権の管理やってるんだな」とどこか安心します。

デリーで摘発が入ったとしても、広いインドのことです。まだ田舎ではパチモノが作られているようですが、そのうち時間の経過とともにインドでパチモノを見かける事はなくなるのでしょう。もちろんそれがルールに則った国際社会に受け入れられる国家の姿ではあるとはいえ、ある種のおおらかさがなくなることには一抹の寂しさを覚えます。

コピー品やパチ物はダメ!と言う社会的なコンセンサスができるまでは、あとちょっとでしょう。

とは言うものの、パチモノが無くなったとしても、あの国には自由な人達が住んでいるので思いがけない変化球が飛んできます。

この写真は友人のスマホの中から見つけた一枚なのですが…これは既にドラえもんでも、ミッキーでもないよ…


自由過ぎる彼らを法律で縛ることの無意味さを感じて仕方ありません。



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2 Comments + Add Comment

  • このどらえもん!!絶対へんですよ!
    誰か指摘してよう~!
    似てる似てないの問題前に、は、鼻が2つある~!
    (赤い丸いのと、黒いてんてん)

  • 30年近く前…スズキマルチが走り始めたばかりで、アンバサダーしか知らなかったインド人からは、「反応良すぎて速すぎて怖い!」と返品が相次いでいた頃……

    レストランのドライブスルーで注文すると、おもむろにごっつい金属製のテーブルを、車の窓にガシッとフックで引っ掛けてくれました。キズが……と涙目になるインド人はいなかった模様(´・ω・`)

    まだまだマックも日本料理店もなかった時代ですが、インド風のファストフードはポツポツありましたね。南インドは特に。今インドに行ったらカルチャーショックでひっくり返りそうです^^;

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