最近変わった? 格安航空券の返金ウラ事情
その昔、格安海外航空券を購入すると必ずNO-REFUNDABLE(払い戻し不可)と書いてあったものでした。だから最近までの僕の理解では「海外の格安航空券は払い戻しができない」だったのですね
でも、こないだタイ航空のチケットを購入したら1万円でキャンセルが出来るようになっていて。今、色々調べたら、安いチケットでもキャンセルが出来るようになっています。
格安航空券が一般化するにつれて、NO-REFUNDABLEのチケットは徐々に使われなくなったのでしょうか…と思って、色々な所で聞いてみました。
友人に聞いてみると、「あ、、そういえば、最近は航空券をキャンセルしても返金されるようになった」とは言うものの、詳しい話は誰一人として知らなかったのです。
■プロの話によると…
友人の旅行会社の社長さんに聞いてみたところ…「最近ね、格安航空券事情が変わってきた気がするんだ。昔は、格安航空券って言ったら返金できないのが当たり前だったんだけど、ここ最近、返金できるチケットが増えたよね? これって、どういうことなの?」
「それはね…。昔と今の航空券事情ってやっぱり違うのよ。昔の格安航空券って言ったらツアーで何人集めますよって言って、航空会社からチケットの割り当てを貰って、実際はそれをバラバラにして売っていたわけなの」
「あ、その話は聞いたことがあるよ」
「そう、日本ではH.I.S.等が積極的にそういうチケットを取り扱っていて、あっという間にみんなそういうチケットを売り出すことになったの。そのチケットっていうのは実はグレーゾーンだったのだけど。でも、安いから格安航空券は売れるわけ。航空会社でも止めようがない流れになっちゃったの。そうしたら航空会社が自分たちで売ったほうがいいよってなるのは自然な流れなわけで… それが2008年か2009年の頃で、その頃から航空会社が自分たちのHPで直接航空券の販売を始めたのね」
「あ、確かに、昔は航空券は旅行会社からしか買えなかったけど、今は航空会社が直接売ってるよね」
「昔はパックツアーのチケットをバラバラにして売っていたので返金不可だったのだけど、今は航空会社が直接売るから手数料付きで返金可の所が増えてるわよ。」
なるほどーー!!! 凄い納得!!! さすがプロ!!!
要点をまとめると
・格安航空券の流れが航空会社でも止められなかった
・ネットの普及とともに、今まで旅行会社を通じてしか効率的に販売できなかった航空券が直接販売できるようになったものだから、航空会社が旅行会社を通さずに販売するようになった
・パック旅行の用のチケットでなく、航空会社が直接販売するから安くても返金可のチケットを入手できるようになった
という事なんですね。超理解!!!
ついでに聞きにくいところも聞いちゃいました
「ねえ、そうしたら、最近の旅行会社って大変じゃない?」
「そう。もちろん大変よ。でもね、例えば、ちょっと複雑な乗り継ぎのチケットはWebでは手配できないでしょ? それとか、Webで調べるよりも日常的に仕事している旅行会社のほうが一番安いチケットを知っているものなの。あと旅行にはトラブルがつきものだけど、旅行会社が責任を持って色々手配するってことはより安心って事よ。あとは、全体のコーディネイト力よね」
「今は、ただ単純に航空券を売るだけじゃダメだって事だ」
「そう。ただ航空券を売るのでなくって、総合力で旅行する人たちをサポートしていく仕事に変わってるのよ」
■各航空各社の返金事情は
と言う事で、本当に航空券の返金が可能なものなのか、色々調べてみました。チケットの種類によりますが、多くのチケットで確かに返金が可能になっています。僕がいろいろ調べたのを下記に書いておきましたが、航空券の種類というのは非常に複雑で、航空会社がうまく座席をコントロールできるよう何種類にも分かれています。同じエコノミーでも3から5種類くらいあって、例えばマイレージが全部つくチケット、つかないチケット、返金が可能なチケット、不可能なチケットなど色々です。なので「この航空会社だったら絶対に返金可能」という訳ではありませんので、ご注意ください。
詳細はチケットを予約するときに、凄い小さいリンクで返金の規約へのリンクが張ってありますので、そちらをご覧ください。
いろいろ調べてみると、日系や先進国の会社はキャンセル料が高い傾向にありました。AirIndiaや中国東方航空等は安かったです。LCCは日時の変更はできるけど、キャンセルは不可の様ですね。
VISAを取るのに苦労しているインド好きの視点から見ると、AirIndiaの「大使館の説明書があればVISAが出なかった場合は全額返金可能」ってのがきちんと明記されているあたり、AirIndiaは万が一の場合にも安心ですよね。
■AirIndia
・チケットの変更は5000円・24時間前まで変更可能
・チケットのキャンセルは10000円
・期限切れ1年後まで返金可能
・大使館の説明書があればVISAが出なかった場合は全額返金可能
・死亡した場合は全額返金
ANA
・目的地によるが2-3万円でキャンセル可能・出発後の返金は不可能
JAL
・目的地によるが2万円でキャンセル可能・出発後の返金は不可能
Finnair
・値段によるが一番安いチケットでは制限付き・制限付きの場合は3万円でキャンセル可能
・出発後の返金は不可能
・大使館の説明書があればVISAが出なかった場合は返金可能
・死亡した場合は全額返金
Thai Air
・基本的にキャンセル可能・1万円でキャンセル可能
・出発後の返金は不可能
・変更は不可
JetStar
・キャンセル不可・変更は手数料を払うと可能
Air Asia
・キャンセル不可・変更は手数料を払うと可能
中国東方航空
・変更手数料不要・有効期限内に払戻し申請が必要;出発前払戻手数料JPY4100必要;
・出発後の払戻しはお問い合わせください。
いつも楽しく読ませて頂いてます。
数年前ですが、友人が大手旅行会社の格安航空券を取った直後に突然父親が亡くなり搭乗できなくなりました。その時事情を話して旅行会社と航空会社両方になんとか一部だけでも返金してもらえないかと粘りましたが、当然、規約どおり駄目でした。
で、結局、泣く泣く直接航空会社サイトから日程変更可能の最低ラインのエコノミーで取り直しました。その後、旅行会社勤めの知り合いから、大手旅行会社はキャンセル料で儲かってるからねぇ、と言われました。宿泊や送迎等必要な方であれば確かに旅行会社のパックが便利ですよね。
なんか今回の記事を読んでて思い出してしまいました。
数年前というと、ちょうど、みんなが航空会社のチケットをWebで手配するようになった頃と一致しますよね。ちょうどその頃のエピソードですよね。自分がなくなった時はどうやら返金してくれるっぽいんですけど…親族が亡くなった場合などはきっとダメなのでしょうね。