ウユニを超える? インドの塩の湖が壮大で美しい!!

毎回毎回、インドのヒドい商品の話ばっかり書いてると、「ティラキタさん、実はインドのこと嫌いなんでしょ?」って言われそうになるので、今回はインドの良い話もしてみようと思います。

正直な話、インドの事は、インドがヒドいからって嫌いにならないんですよね。インドの何が好きかって、綺麗なことも、汚いことも、宗教的なことも、ヒドいことも全てを持っているから好きなんです。インドには全てがある。それがインドが僕達を長年惹きつけ続ける理由です。

塩の湖、塩湖というと、ボリビアのウユニ塩湖が非常に有名ですが、実はインドにも素晴らしい塩の湖、カッチ湿原があります。今回の記事は実際にインドパパがカッチ湿原に行ってきたレポートです。
■カッチ湿地はバカでかい
英語でGreat Rann of Kutchと呼ばれるカッチ大湿地はインド北西部グジャラート州からパキスタンのシンド州インダス河口に及ぶ広大な塩性の湿地の事で、カッチ湿地全体の広さは10,000平方マイルに及びます。10,000平方マイルと言うとピンときませんが、1マイルが約1.8Kmですから180Km x 180Kmの広大なエリアが全部塩!

東京から180kmって言うと、長野市とか、福島県、浜松のちょっと手前位でしょうか。それだけの広大なエリアが全部塩・塩・塩・塩! 規格外にバカでかい!のがカッチ湿原です。地図の赤い丸がカッチ湿地で、地図上に見えるどの湖よりも広いのが判りますでしょうか?
■遥か地の果て、緊張のエリア
カッチ湿原はインドの遥か西の果て。デリーから電車で20時間以上もかかる場所にあります。カッチ湿原訪問のベースになる街はグジャラート州のブジ(Bhuj)。ブジから車で200Km走ったところにあります。

ブジは地の果てでとにかく遠い場所です。そこからカッチ湿原まで更に200Kmも走る…まさに地の果て!! 僕はジャイプールから電車で向かったのですが…本当に遠い!! 超遠い!! もう電車飽きたよ、1日は乗ったよと思っていたらブジに到着しました。

ブジまではムンバイから飛行機も飛んでいますので、時間がない方は飛行機でひとっ飛びでいいのかなと思います。わざわざ20時間もかけて電車で行く必要はありませんね。


このカッチ湿原はインドとパキスタンの国境地帯にあり、以前はミリタリーエリアとして観光目的では簡単に入域できなかったのですが、現在はIncredible Indiaキャンペーンもあり、その制限が解かれ、多くの観光客を受け入れている観光スポットになっています。

とは言うものの、パキスタンとの緊張が解けたわけではありません。やっぱり緊張感の感じられるエリアです。

インドパパ、カッチ湿原の基地となるブジの街から車で向かう途中、ちょっと大きな小山があったので登って写真を撮影していました。
こんな感じの何もない砂漠の中で、登りやすそうな小山があったので、車を停めて登っていたのです。

小山の山頂で写真を撮影していたら…

「そこのお前! ちょっと待て!!」とちょっと先から声があり…
3分後、6人の兵隊に囲まれました。

「お前はここで何している?」
「お前は何人だ? 中国人か?」
「日本人なのに、なんで英語喋れるんだ?」
「お前、さっき写真撮ってただろう?」
「写真は全部消していけ!!」


と責め立てられ、せっかく撮影した写真を消す羽目になりました。観光気分で浮かれていましたが、カッチ湿原は紛争をしているパキスタンとの国境地帯。軍人が居て、ピリピリしていることに変わりはありません。
■古きよきインドの宝庫
カッチ湿原を訪問する時、素敵なものはカッチ湿原だけではありません。道中の砂漠や放牧も楽しいですが、点在する砂漠の町に住む少数民族の村も見どころです。少数民族の村々では僕達が考える「インドってこんな国」って言うイメージそのままの古き良き生活が営まれています。

夢の中に居るような気がする砂漠の中の村。砂漠の民の住居です。


僕達が訪問した時はインド辺境の村の風景だったのですが…

「客が来たよ!」
とみんなが集まり始めました。みんな素敵な民族衣装を着ています。腕には砂漠の民の印とも言える白くて大きなバングル。白いバングルは褐色の肌によく似合います。

赤い衣装と白いバングル。鼻には大きなノーズピアス。

家の横でチャパティを作っていました。地面に開けた小さな穴にチャパティ用の鉄板を載せ、丸くしたチャパティ生地を載せて焼きます。多分、100年前も同じようにしてチャパティを作っていたのだろうなと思える光景です

町を歩いていたら、ヤギの放牧に出会いました。1000頭は居るかと思えるヤギ・ヤギ・ヤギ!!

カメラを構えていたらヤギの方から寄ってきました。メー!!! ヤバイ!! 一生に一度、こんな風景に出会いたかった!!! 

砂漠の中を走っていたら駱駝飼いが歩いていました。白いターバンに白いシャツ、白いドーティ。夢に見たインドの駱駝飼いです
■素敵な建築の宝庫
カッチ地方はアーデバシーと呼ばれる少数民族の人たちの住む場所ということだけでなく、素敵な建築の宝庫でもあります。ふと発見したこのお家は土で作られているそうですが、壁にはミラーが散りばめられ、伝統的な模様も描かれ、大変素敵です。

近づいてみました。ミラーがキラキラ!! インドってなんて素敵なんでしょう!!

もっと近づいてみました。家に泥で模様を描いてミラーを入れるなんて、天才的だと思います。
■そしてカッチ湿原へ
素敵な人々の住む大地を抜け、夕方にカッチ湿原に到着します。最寄りのブジの街からカッチ湿原まで片道200Km。朝出て、アーデバシーの村を抜け、夕方に到着しました。

訪ねたその日はちょうど、カッチ湿原が一番綺麗だと言われる満月の日。早速、塩湖の中に足を踏み入れてみました。塩湖の端っこはまだそんなに白くなく、ちょっと土混じり…

土があるな、と思ってよく見てみるとお客さんを乗せるための馬や駱駝のウンコであったり、観光客の足についた土だったりします。ここが先進国の観光地であれば神経質な位、綺麗に保とうとすると思うのですが、きれいな塩湖の上に汚いウンコをそのまま落としてくあたり、やっぱりインドだな、と思わざるを得ません。

塩湖はいつも平らなわけではありません。ところどころ、ぼこぼこしていたり、わりかし歩きづらいものです。

塩を手にとってみました。大きな塩の結晶です。舐めるとしょっぱいというよりはほろ苦く、インドの大地を感じることのできる味です。

どんどん歩いていきます。土やウンチが混じっていた地面も塩だけになり、視界はただ白く、広く、広く…あまりにも広い塩の砂漠が目の前に広がっています。

塩の砂漠での夕暮れ。どこまで行っても塩、塩。茫漠とした砂漠の中に赤い太陽が沈んでいきました

ふと反対側を見ると満月がぽっかりと浮かんでいました。遠くを歩く人と満月と。幻想的な光景が広がっています。

真っ暗な塩の砂漠の中で出会った駱駝の馬車はあまりにも幻想的。ティラキタのお店のイメージの源流を見た思いです。

太陽が完全に落ち、塩の砂漠に暗闇が訪れました。白い大地の上に神聖なまでに輝く白い月。ただひたすらに美しいものでした。
■カッチ湿原の中で泊まる
カッチ湿原は今、インドの中でも人気の観光地になっていて、観光客たちが一晩カッチ湿原の中で過ごせるようにカッチ湿原のほとりに一大テント基地、Rann Utsavがシーズンになると出現します。テント村の開始は9月から、終了は2月末まで。

気になるお値段はBhujからのピックアップも含めて2泊3日で12000Rs=24000円! 高いよね! インドなのに高いよね! こんな強気な値段設定ができるって言うのはインドの中流階級が増え、お金を持っている人達が増えて、それだけの需要があるからなのでしょうね。

テント村はこんな感じ。12000ルピーも取るだけあって、最高に素敵です。
rannutsav.net
gujaratinformation.net

Rann Utsavに泊まると色々なアトラクションがあり、このような伝統芸能なども見られるのだそう。
www.rannotsav.com
お金と時間に余裕がある人はRann Utsavに泊まるのもアリかなと思います。
■ウユニ塩湖と比較して

インドパパ、15年前にウユニ塩湖を訪れたことがありますので、ちょっと比較してみたいと思います。

どっちが綺麗かと言われたら、インド好きとしては残念ですが、やっぱりウユニ塩湖のほうが綺麗です。標高の違いもあるでしょう。カッチ湿原は海抜15m位、ウユニ塩湖は標高3700m位ですから空気の綺麗さは比較するべくもありません。特に水が薄く張ったウユニを見られたら最高ですよね。

どっちが行きやすいかと言われたら、カッチ湿原だと思います。カッチ湿原は標高が低いので体力に自信のない人でもお金を積めば行く事ができます。でも、ウユニ塩湖はなんといっても標高が高いので…到着してすぐに高山病になったり。せっかくボリビアまで飛んでいったのに高山病でダウンして楽しくなかったなんて事もあり得ます。

どっちが楽しいかと言われたら…うーーん。お買い物好き、エスニック好きにはインドでしょうか。もちろんボリビアも民芸品の宝庫ですので、なかなか甲乙つけがたいですが、15年前はウユニの街にはコレといった民芸品屋さんはありませんでした。その点、カッチ湿原にはテント村ができていますので、その中で音楽やダンスを楽しむことが出来たり、お買い物も楽しめます。

ウユニ塩湖もカッチ湿原もどっちも素敵でなかなか甲乙つけがたいです。インドに行っても、デリーと数カ所だけで終わってしまって、なかなかブジまで行くなんて方は少ないと思うのですが、地球の不思議とインドの多様性を感じにインドの旅に出るのもいいのかなと思いますよ。
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