世界で最も大きなターバンをかぶる男 布の長さは645m!!
アヴタール・シン氏によると、このターバンを被るには6時間もかかるのだそう。毎日寝るときに解いて、朝から起きてターバン巻いて。ターバンを巻くこと自体がこの人にとっては一種の労働になっています。いや、シーク教徒の彼にとっては労働ではなく信仰行為なのでしょう。
この645mのターバンは作るのに16年の長い歳月がかかり、過去のターバン最長ギネス記録である400mのターバンを大きく超えました。
45Kgもあるこの大きさのターバンを毎日6時間もかけて巻くのは面倒で気が滅入りそうなものですが…
「手で持ち上げられなくなっても、このターバンを頭で支え続けるさ」とアヴタール氏は言います
「これを重荷だとは思っていない。ターバンをかぶっている時は大変幸せなんだ」とも。
「ターバンを被っていないと自分の一部分が欠け落ちたような気がしてとても不安で…ターバンはどこだ?って探したくなるんだ」
あまりにもターバンの存在が彼にとって大きすぎ、きっと、ターバン無しでは落ち着かなくなっているのでしょう。ターバンを巻くことが信仰の証なのですから、その欠ける感じはなんだか判る気がします
Photo:mirror.co.uk
私達の心の中のインド人のイメージはターバンを巻いていますが、インドの人口の多くを占めるヒンドゥー教徒は結婚式などの特別な時にしかターバンを被りません。ターバンを毎日着用するのはパンジャブ州に住むシーク教徒の人々です。シーク教徒の男性は比較的長いターバンを着用しますが、それでも長さは5-7m位が普通です。ですのでアヴタール氏の645mという長さはまさに常識を超えた超特大サイズなのですアヴタール氏のターバンの正確な長さはこれからギネスにより測られるそうですが、以前にマジョール・シン氏が持っていた400mのターバン最長記録をはるかに大きく塗り替えることに間違いはなさそうです。
ギネス記録を破るために最初は150mだったターバンを250mに、そして365mに、最終的に645mまで伸ばしたとのこと。紫とオレンジの布の実際の重さは33Kg程だそうですが、金属の飾りが50Kg程あり、そしてシーク教の戦士としての剣や重いゴージャスなバングルを全部つけると最終的に120kgの重さになります。
あまりにもターバンが大きすぎて扉は通りづらいわ、車には乗れないわと日常生活の色々な面で支障があるのだそうですが、彼の信仰心はそれを軽く凌駕するのでしょう。アヴタール氏はシーク教徒としてパンジャブ州内のグルドワラと呼ばれる寺院や聖地を廻っていますが、車では廻れないので、全部バイクで廻っているとの事です
Photo:mirror.co.uk
当然の事ですが、大きなターバンのアヴタール氏は人気者。この写真を見ても頭が大きくてコミカルなのでそりゃそうだろうなー―って思いますよね。でも、あまりにも人気者になるのは好きではないようで「外に出かけるとすぐに人だかりになるんだよ」とボヤいています
「何人かの人々は私の信仰を理解してくれ、この大きさのターバンをかぶっているのは素晴らしい!大いなる力に祝福されるでしょう」と言いますが、多くの場合、単純に写真を撮りたがるだけだとのこと。
とは言うものの、彼の努力はターバンを巻くことが宗教的な行為とみなされるシーク教徒のコミュニティに大きな感動をもたらしています
同じシーク教徒のグルプリート・シン氏はアヴタール氏の事を愛をこめてババジと呼んでいます。ババジとはインドの言葉で聖者を意味する言葉で、「ジ」と言う尊称が含まれていることから尊敬する意味合いも含まれています。「大きなターバンは信仰の意味を理解していない若者の中の信仰心をもう一回思い出させるんだ。大変素晴らしい」とグルプリート氏は言います。
シーク教では髪の毛やヒゲを剃ることは許されていないはずですが、ここ最近、若年層を中心に髪の毛を切ったり、ターバンをかぶらない人々が急増中なのだとか。若者の宗教離れは世界全体の傾向だと思いますが、インドでも同じような現象が起きているのですね。
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