産業革命の時代を彷彿とさせるインドの紡績工場に行ってきました!
今回ティラキタ買い付け班は、インドの紡績、染色工場に行ってきました。今回訪ねた工場はインド国内で数%のシェアを誇る巨大工場です。この工場で作られた毛糸は私達が輸入している商品には使われておりません。が…せっかく縁があって工場を訪問したことですし、インドにはこういう場所もあるんだということを紹介してみたいと思います。
工場はヒンドゥー教の聖地バラナシから車で1時間、よく整備されたナショナルハイウェイを北西に走ったところにあるとの事。
ごみごみしたバラナシの街中を抜けると、田園地帯が広がります。バラナシのあるウッタール・プラデーシュ州は肥沃な土地で有名で、インドの中でも屈指の農業州として知られています。私達が尋ねた時はちょうど麦のシーズン。青々とした麦畑が広がっていました。
これが工場の入口。完全に塀に囲まれ、大きな扉がつき、よそ者の侵入を一切許さないような雰囲気が漂っています。この中にどんな工場があるのでしょうか? 興味津々です。
工場に入ってまず迎えてくれたのがこれ…サルのゴミ箱。なんだか最初からトホホな感じですね…。インドのゴミ箱ってこんな変なのがよくあるのです。
さて気を取り直して工場見学です。ここには染色、紡績工場が併設されていましたが、最初に紡績工場から案内してもらいました。インド国内で数%のシェアを誇る工場とのことで、全てが非常に大きいのが印象的です。
この工場ではニュージーランドから輸入された、羊から刈り取ったばかりの羊毛から毛糸を作っています。「羊毛はインド産じゃないの?」と工場長に尋ねてみたら、全量ニュージーランド産との事。ニュージーランドの羊毛は非常に品質が良く、かつ安価なので、全世界で流通しているのだそう。
これが、原毛です。え? このゴミみたいなの…うずたかく積まれて山になってるの…そうなんです。これがニュージーランドからやって来たばかりの原毛。原毛の中には羊のうんちや草など、色々なゴミが入っていますので、糸として紡ぐにはゴミを全部落とすところから始まります。
しかし…工場の暗さや清掃のされてなさ、雰囲気がまるで産業革命の時代みたいです。日本のピカピカな工場を見慣れた僕達の目にはちょっと前時代的な感じに映りました。
1段階目のクリーニングが終わった原毛のアップです。うんちが付いていた最初の状態から比べると綺麗になったのですが、まだまだゴミだらけ。
それを機械に入れ、塊になっている原毛をほぐし、フワフワにすると共に、ゴミを取っていきます。まず、大きな櫛のようなもので原毛をザクザクと荒くほぐし、ほぐした原毛がポロポロ落ちてくるので、それをローラーで細かい繊維状にし、更に平たくしてもう一回ローラーで細かい繊維状にします。
このムービーに出てくる機械の大きいこと! そしてアンティーク感! 重厚長大でいかにも装置産業、いかにもインド!という気がします。
機械の一番最後の工程で太くて柔らかい状態の毛糸を紡ぎます。ある一定のサイズのロールになったら、インド人がやって来てポイ!と取り外し、また新しいロールを作り始めます。
そうやって作った太いロールを別の機械にセットして…
機械に何回もかけて、どんどん細くしていきます。
ここで、私達が実際に見たことのある太さの毛糸が出来上がりました。原毛から糸にするまでには長い時間がかかっています
糸ができたら、すぐに染色というわけには行きません。この段階でもまだ汚いので、一旦糸を機械で洗います。
機械にどんどん通されて、洗われていきます。
洗われた糸は、屋上に持って行かれ、干されます。広大な工場の敷地でも足りないほど、多くの糸が干されています。「雨が降るとなかなか干せないから大変なんだ。雨上がりの日は全員で干すんだよ」との工場長の弁。
乾燥した順に取り込まれます。この工場ではいろいろな機械が使われていましたが、干したり取り込んだりするのはやっぱり人の手でした。
この紡績工場、産業革命の時代に作られたような大きな機械を使って、そして最後は人力に頼っていました。でもきっと機械と人力のMixされたこの方法が一番彼らにとってはやりやすい仕事方法なのでしょう。作られたインド産の毛糸は、隣の染色工場で染色されるだけでなく、生糸の段階からインド全国やヨーロッパに輸出され、いろいろな製品に形を変えて多くの人々に使われているそうですよ。
次回の駱駝通信ではこの工場に隣接されている染色工場のレポートを書いてみたいと思います。
工場はヒンドゥー教の聖地バラナシから車で1時間、よく整備されたナショナルハイウェイを北西に走ったところにあるとの事。
ごみごみしたバラナシの街中を抜けると、田園地帯が広がります。バラナシのあるウッタール・プラデーシュ州は肥沃な土地で有名で、インドの中でも屈指の農業州として知られています。私達が尋ねた時はちょうど麦のシーズン。青々とした麦畑が広がっていました。
これが工場の入口。完全に塀に囲まれ、大きな扉がつき、よそ者の侵入を一切許さないような雰囲気が漂っています。この中にどんな工場があるのでしょうか? 興味津々です。
工場に入ってまず迎えてくれたのがこれ…サルのゴミ箱。なんだか最初からトホホな感じですね…。インドのゴミ箱ってこんな変なのがよくあるのです。
さて気を取り直して工場見学です。ここには染色、紡績工場が併設されていましたが、最初に紡績工場から案内してもらいました。インド国内で数%のシェアを誇る工場とのことで、全てが非常に大きいのが印象的です。
この工場ではニュージーランドから輸入された、羊から刈り取ったばかりの羊毛から毛糸を作っています。「羊毛はインド産じゃないの?」と工場長に尋ねてみたら、全量ニュージーランド産との事。ニュージーランドの羊毛は非常に品質が良く、かつ安価なので、全世界で流通しているのだそう。
これが、原毛です。え? このゴミみたいなの…うずたかく積まれて山になってるの…そうなんです。これがニュージーランドからやって来たばかりの原毛。原毛の中には羊のうんちや草など、色々なゴミが入っていますので、糸として紡ぐにはゴミを全部落とすところから始まります。
しかし…工場の暗さや清掃のされてなさ、雰囲気がまるで産業革命の時代みたいです。日本のピカピカな工場を見慣れた僕達の目にはちょっと前時代的な感じに映りました。
1段階目のクリーニングが終わった原毛のアップです。うんちが付いていた最初の状態から比べると綺麗になったのですが、まだまだゴミだらけ。
それを機械に入れ、塊になっている原毛をほぐし、フワフワにすると共に、ゴミを取っていきます。まず、大きな櫛のようなもので原毛をザクザクと荒くほぐし、ほぐした原毛がポロポロ落ちてくるので、それをローラーで細かい繊維状にし、更に平たくしてもう一回ローラーで細かい繊維状にします。
このムービーに出てくる機械の大きいこと! そしてアンティーク感! 重厚長大でいかにも装置産業、いかにもインド!という気がします。
機械の一番最後の工程で太くて柔らかい状態の毛糸を紡ぎます。ある一定のサイズのロールになったら、インド人がやって来てポイ!と取り外し、また新しいロールを作り始めます。
そうやって作った太いロールを別の機械にセットして…
機械に何回もかけて、どんどん細くしていきます。
ここで、私達が実際に見たことのある太さの毛糸が出来上がりました。原毛から糸にするまでには長い時間がかかっています
糸ができたら、すぐに染色というわけには行きません。この段階でもまだ汚いので、一旦糸を機械で洗います。
機械にどんどん通されて、洗われていきます。
洗われた糸は、屋上に持って行かれ、干されます。広大な工場の敷地でも足りないほど、多くの糸が干されています。「雨が降るとなかなか干せないから大変なんだ。雨上がりの日は全員で干すんだよ」との工場長の弁。
乾燥した順に取り込まれます。この工場ではいろいろな機械が使われていましたが、干したり取り込んだりするのはやっぱり人の手でした。
この紡績工場、産業革命の時代に作られたような大きな機械を使って、そして最後は人力に頼っていました。でもきっと機械と人力のMixされたこの方法が一番彼らにとってはやりやすい仕事方法なのでしょう。作られたインド産の毛糸は、隣の染色工場で染色されるだけでなく、生糸の段階からインド全国やヨーロッパに輸出され、いろいろな製品に形を変えて多くの人々に使われているそうですよ。
次回の駱駝通信ではこの工場に隣接されている染色工場のレポートを書いてみたいと思います。
インドパパ様☆
時々Online Shoppingをさせていただいています。
メルマガも毎号楽しく拝見させていただいていますが、今回の紡績工場レポート、素晴らしかったです。少し前時代的とはいうものの産業の英知を集めた機械を使い、最後は人力で、雨の日は社員全員で干す!みたいなところがとてもインド的で素敵だと感じました。新しい首相になってこれからどう発展していくのか楽しみなインド。でも、このような原風景的なもの、作業、ヒトは失われないといいな、と先進技術の恩恵を享受し、懐かしいものが日々消えゆく日本で暮らしながら、勝手なことを思いました。
次号の染色工場のレポート、楽しみにしています!
Masami
Masamiさん、お返事ありがとうございます。
この記事、実はあまりキャッチーではなかったようで…反応がイマイチでちょっとだけ凹んでいましたwww ですので、コメントを貰えて本当に嬉しいです。
実は反応がいまいちだったので、今週は染色工場の記事を書く気にならず…タイのビザの話題とか書いていました。でも、コメントを頂いたのでなんだかやる気になりました。これから書いてみますね!!
有難うございます。
いつも素晴らしい記事をありがとうございます。
インドでどのように作られているか、貴重な情報が動画で拝見出来て、大変感動しました!
染色の現場も是非動画のアップをお願い致します!
ティラキタさんで購入したものは、現地の皆さんの毎日の生活の場で、人間味溢れたものとして作られていることを知ると、とても愛おしく感慨深く、愛用することに繋がります。
こういうことは、誰が作っているのか顔の見えない大量生産品が溢れている日本の社会にあって、とても魅力的なことで、かつティラキタさんが努力されている細やかな情報がいかに重要な活動であることか!
理屈では説明出来ない摩訶不思議な生身の人間の息づかいが、まだまだ感じられる現実が、同じ地球に沢山あることを、いつもティラキタさんから学んでいます。本当にありがとうございます*\(^o^)/*