インドの不思議な職業 – 路上の刺青屋さん

つい先日のこと、インドパパ、ムンバイの下町をテクテクと歩いていました。インドでは日曜日に営業しているお店があまりないので、買いつけに行ったとしても日曜日はお休みです。一日暇ができたので「なにか面白いことないかなぁ…」と思い、歩いてムンバイを縦断してみようと思い立ちました。
ムンバイセントラル駅を降り、有名なイスラム聖者のお墓に寄ってから、縦断開始です。最初は海沿いのオシャレなエリア。iPodを売っているお店や、外人向けのスーパーなど、お金持ち向けのお店が並んでいます。国際化し、グローバル化するムンバイを肌で感じることができました。
海沿いを抜けると、雰囲気はガラっと変わり、一気に下町っぽくなります。住むにはおしゃれな所の方がいいかもしれませんが、散歩するにはやっぱり下町。知らない街、知らない路地にわくわくしながら進みます。
そんな中、初めて見る職業の人を発見しました! 路上の刺青師です。
刺青師は日本にも普通に居ますが、「路上の刺青師」は初めてです。
刺青って、針で墨を体の中に入れるのですから、やっぱり衛生的なところでないとダメですよね。衛生的な環境を作り、きちんと消毒して彫ってもらうものだと思います。また刺青は一生ものですし、一回入れると消えませんから、安心した環境でゆっくりと入れてもらいたいものです。だから、路上で彫るなんて想像もしていませんでした。

この人が刺青師とお客さん。ちょうど彫り終わった後らしく、彫った所になにか薬みたいなものを塗っていました。その後、お金を払って立ち上がった所で話しかけてみました
パパ 「すいませーーん! これ、刺青ですか?」
刺青師「そうよ! 見ればわかるでしょ?」
パパ 「どんな機械で彫っているんですか?」
刺青師「あ、あなた見たいのね。ちょっと、ちょっと!! あなた待って!」
刺青師のおばちゃん、何を思ったか、さっき刺青を入れ終わったお客さんを呼んで、いきなり入れ始めました! 「え? この人はさっき終わったんじゃないの?」と思うやいなや、何も聞かずにいきなりMのマークを入れだします。

パパ 「ちょっ待って!! この人、終わったんじゃないの?」
刺青師「だって、あなたが見たいっていうから…」
刺青って、一生残るもののはずです。きちんと図案を考えて、きちんと彫っていくもののはずです。なのに、僕が興味本位で見たいだけのためにいきなり彫られるなんて…しかも消毒もしていませんでした。C型肝炎は? HIVは? 大丈夫なのでしょうか…?
足元をふと見ると、彫り機は乾電池で動いていました。彫り機のスイッチなんてありません。乾電池をくっつけると彫り機が動き、離すと止まる。ただそれだけです。そして、その下に、図案集が置いてありました。

どんな図案があるのかな、と思い、図案集を見せてもらうことに…
サイババに、猿の神様ハヌマン。あと、ドゥルガーでしょうか…でも下手すぎます。

シヴァにクリシュナ、そしてハヌマンの別アングル…やっぱり下手すぎます

そして、イーグルにコブラ、オーンのマーク…おばさん、人の体に彫る前に絵の練習した方がいいよ! 幼稚園児レベルだよ!

きっとこのおばさん、刺青の機械を人にもらったか、拾ったかしたんだと思います。自分は絵が下手なんだけど、生きていくために仕方なく刺青を入れているんだと思います。
でも…これはさすがに酷いんじゃないかなぁ、たくましく生きているのは分かるけど、入れられた人、困っちゃうんじゃないかなぁ…と思わずにはいられませんでした。
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