インドで泥棒に怯えた日
皆さん、インドに行くときはお金ってどうやって持って行きますか?
そして、どうやって両替していますか?
普通の旅行者でも、お金の持ち運びや両替などが問題になると思いますが、私たちのように買い付けと言う仕事になると、これが大問題です。
ティラキタを始めてそれなりの年月が経ち、経験を積みましたので、インドに行っても多額の現金を持ち歩くことはなくなりました。ここ最近はインドに買いつけに行く前に送金したり、注文だけして帰国後に送金したりしますので、安全に安心して旅ができるようになったのですが、今のようにノウハウがない、仕事を始めたばかりの頃は本当に危険でした。
商品を仕入れるにはもちろんお金が必要です。ですが、商売をこれから始めると言う事ですので、お店からの信用もなく、後払いなんて出来ません。物と引換に支払うのであればまだいいのですが、アドバンスと言って前払いで全額支払い、商品を受け取るのは一週間後なんて屈辱的な取引条件の時もありました。
なにはともあれ、物を仕入れるということはお金が必要です。
どうやっていいか判らないインドパパ。日本から送金するなんて言う方法を知らなかったインドパパ。普通の旅行者と同じように普通に銀行へ両替に行きました。
パパ 「すいませーん、両替して欲しいんですけど」
銀行員「いくらですか?」
パパ 「3000ドルほど…」
銀行員「……………ちょ、ちょっと待って下さいね」
3000ドルといえばインドルピーに換算すると135000ルピー。5ルピーでチャイが飲め、20ルピーでご飯が食べられるインドで135000ルピーだから、チャイが27000杯分! ご飯が6750食分! 途方もない金額です。
銀行員「すいません。まず別室に…」
銀行の別室に通されるインドパパ。別室に通されるのは成田空港でもよくある事なので、慣れっこです。
銀行員「金種は何ですか?」
パパ 「トラベラーズチェックで1000US$札なんですが」
銀行員「ワンサウザンドダラー!? インポッシブル ジャパニ!」
慇懃に別室に通されたにもかかわらず、そこが銀行にも関わらず、両替はできないと逆ギレするインド人。そんな、出来ないからって怒らなくっても…
仕方なく、別の銀行に行くことにします。銀行を出る時になって、ふと廻りのインド人の視線が気になりだします。大金を持っているとすでに申告してしまっているし、説明したときに廻りのインド人にガン見されているし…どう考えても明らかに自分の身が危ない状況です。
できるだけなんでもないフリをしながら、銀行を出ると一目散に駆け出します。「誰かが俺を狙っている気がする」そんな疑心暗鬼にとらわれます。インドは海外にしては比較的安全な国ですが、それでも大金を持っていると知られた後の安全までは保証されていません。
何軒か銀行を廻った後、ついに両替してくれる銀行を見つけました。その銀行で同じように別室に通され、椅子に座らせられ、そしてお金を渡しました。インド人は渡したトラベラーズチェックを穴が開くまで見て、表裏ひっくり返してよく見て、それから懐中電灯を持って来てもっとよく見ようとしています。
パパ「なんでそんなに見るの?」
銀行員「偽札かどうか確かめているのだ」
あまりにも大金すぎて、本物かどうかの区別がつかないようでした。その後、ブラックライトで紙幣を見分ける機械を持って来て、その次にトラベラーズチェックの会社に電話して、やっとこ使えると確信した模様でした。
銀行員「オーケー ジャパニ。 今、金を持ってくる」
そして待つこと5分…まだ来ません。10分…まだ来ません。「ああ、俺は騙されたんだ」と思いはじめた頃、目の前に現金が現れました。その厚み、20cm。人間をやってて、いまだかつて、こんな厚みのお札を見たことがありません。
お札をかばんに詰めるとパンパンです。かばんからお金がはみ出そうです。それでも何とかしてお金をかばんに詰め、銀行を出ます。かばんをギュウとつかみ、買い付けをしたお店に向かいます。
「いま、ここで強盗にあったら殺されるな」ふとそう思います。廻りのインド人がみんな泥棒に見えます。いい人は一人もいない気がします。気がつくと、脇の下にじっとりと汗をかいていました。そんな思いをしながら、仕入れ先のお店に到着しました。
パパ「お金を持って来たよ」
お店「おお、分かった。そうしたらお金くれよ」
持っているかばんを渡します。
お店「お前、このお金どうした?」
パパ「銀行で両替したよ」
お店「両替して、歩いて持って来たのか」
パパ「そうだよ。怖かったよ」
お店「そんな事しなくっても、銀行をここに呼べるのに…」
パパ「エ! そんな!! 早く言ってよ!」
その日のボクの一日の努力はなんだったんでしょうか…
でも、こんなのインドではよくあること。強盗に遭わなかったからOKです。
そしてその後、インドパパは現金を持ち歩きせず、出来るだけ日本から直接送金するようになりました。だって、それの方が安全ですしね。
安全第一。工事現場でもインドでも、同じです。
そして、どうやって両替していますか?

ティラキタを始めてそれなりの年月が経ち、経験を積みましたので、インドに行っても多額の現金を持ち歩くことはなくなりました。ここ最近はインドに買いつけに行く前に送金したり、注文だけして帰国後に送金したりしますので、安全に安心して旅ができるようになったのですが、今のようにノウハウがない、仕事を始めたばかりの頃は本当に危険でした。
商品を仕入れるにはもちろんお金が必要です。ですが、商売をこれから始めると言う事ですので、お店からの信用もなく、後払いなんて出来ません。物と引換に支払うのであればまだいいのですが、アドバンスと言って前払いで全額支払い、商品を受け取るのは一週間後なんて屈辱的な取引条件の時もありました。
なにはともあれ、物を仕入れるということはお金が必要です。
どうやっていいか判らないインドパパ。日本から送金するなんて言う方法を知らなかったインドパパ。普通の旅行者と同じように普通に銀行へ両替に行きました。
パパ 「すいませーん、両替して欲しいんですけど」
銀行員「いくらですか?」
パパ 「3000ドルほど…」
銀行員「……………ちょ、ちょっと待って下さいね」
3000ドルといえばインドルピーに換算すると135000ルピー。5ルピーでチャイが飲め、20ルピーでご飯が食べられるインドで135000ルピーだから、チャイが27000杯分! ご飯が6750食分! 途方もない金額です。
銀行員「すいません。まず別室に…」
銀行の別室に通されるインドパパ。別室に通されるのは成田空港でもよくある事なので、慣れっこです。
銀行員「金種は何ですか?」
パパ 「トラベラーズチェックで1000US$札なんですが」
銀行員「ワンサウザンドダラー!? インポッシブル ジャパニ!」
慇懃に別室に通されたにもかかわらず、そこが銀行にも関わらず、両替はできないと逆ギレするインド人。そんな、出来ないからって怒らなくっても…
仕方なく、別の銀行に行くことにします。銀行を出る時になって、ふと廻りのインド人の視線が気になりだします。大金を持っているとすでに申告してしまっているし、説明したときに廻りのインド人にガン見されているし…どう考えても明らかに自分の身が危ない状況です。
できるだけなんでもないフリをしながら、銀行を出ると一目散に駆け出します。「誰かが俺を狙っている気がする」そんな疑心暗鬼にとらわれます。インドは海外にしては比較的安全な国ですが、それでも大金を持っていると知られた後の安全までは保証されていません。
何軒か銀行を廻った後、ついに両替してくれる銀行を見つけました。その銀行で同じように別室に通され、椅子に座らせられ、そしてお金を渡しました。インド人は渡したトラベラーズチェックを穴が開くまで見て、表裏ひっくり返してよく見て、それから懐中電灯を持って来てもっとよく見ようとしています。
パパ「なんでそんなに見るの?」
銀行員「偽札かどうか確かめているのだ」

銀行員「オーケー ジャパニ。 今、金を持ってくる」
そして待つこと5分…まだ来ません。10分…まだ来ません。「ああ、俺は騙されたんだ」と思いはじめた頃、目の前に現金が現れました。その厚み、20cm。人間をやってて、いまだかつて、こんな厚みのお札を見たことがありません。
お札をかばんに詰めるとパンパンです。かばんからお金がはみ出そうです。それでも何とかしてお金をかばんに詰め、銀行を出ます。かばんをギュウとつかみ、買い付けをしたお店に向かいます。
「いま、ここで強盗にあったら殺されるな」ふとそう思います。廻りのインド人がみんな泥棒に見えます。いい人は一人もいない気がします。気がつくと、脇の下にじっとりと汗をかいていました。そんな思いをしながら、仕入れ先のお店に到着しました。
パパ「お金を持って来たよ」
お店「おお、分かった。そうしたらお金くれよ」
持っているかばんを渡します。

パパ「銀行で両替したよ」
お店「両替して、歩いて持って来たのか」
パパ「そうだよ。怖かったよ」
お店「そんな事しなくっても、銀行をここに呼べるのに…」
パパ「エ! そんな!! 早く言ってよ!」
その日のボクの一日の努力はなんだったんでしょうか…
でも、こんなのインドではよくあること。強盗に遭わなかったからOKです。
そしてその後、インドパパは現金を持ち歩きせず、出来るだけ日本から直接送金するようになりました。だって、それの方が安全ですしね。
安全第一。工事現場でもインドでも、同じです。
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