スーパーヒーローな神様たち


原色豊かな
インドのカミサマ
ヴァラナシといえばインドでも随一の聖地で神様の息吹を間近に感じられる場所だ。でもヒンドゥー教の神様たちは日本人の考える神様とちょっと雰囲気が違う。日本では神様といえば神聖なもので、あまり簡単にその姿を人前に現したりしなかったりするものだが、ここの神様たちはとにかくあちこちに出現する。

祠や寺院は言うまでもなく、レストランには何枚も写真や絵がプロマイドのように張られているし、おまけにカレンダーもしっかり神様柄だ。インド人向けのCD屋でVCDを買って見てみたら非常にふくよかな男性が虎皮の衣装を纏って堂々とシヴァ神を演じている。ジャケットは表裏とも大きくシヴァの顔が描かれているのは言うまでもない。ベンガリートラには路上の神様シール屋さんがあちこちに店を構えていて大小様々なサイズとデザインのシールを売ってくれる。時折キリストやスパイダーマンが混じっているが、まあご愛嬌。この街に関して言えば万事こんな感じだ。

そしてそんな神様は意外なところにも現れる。それはインド人達そのものだ。

ある時若いインド人の男の子の写真を撮ってあげる機会があったのだが、彼はその時いつものみんながやるようなボリウッドスター風のポーズではなく楽しそうに
「待って待って、シヴァのポーズやるから!」
と言って足を上げて神妙な表情を作り出した。一枚撮ると
「今度はハヌマーンね!」
と口を膨らませて手を上げた。うん、こちらは分かりやすい。神様ポーズをするのは別に不謹慎だったり罰当たりだったりはしないようだ。子供がやるウルトラマンや仮面ライダーの決めポーズを思い出してしまう。

シヴァのポーズをするおっちゃん
似てる?

別の日にガートを歩いているとコブラ使いを囲んで喋っている一団がいた。近くでガンガーを眺めていたら
「ねえねえ、写真撮ってよ!」
とおっちゃんが話しかけてくる。いいよと言うとコブラ使いからコブラを借りて早速首に巻き始める。
「これ巻いてガンガーをバックにシヴァポーズやるから撮って!」
もう目がきらきらしている。周りのインド人達もノリノリでコブラの位置を直したりもっと手を上げろとかポージングに注文をつけたりしている。ヴァラナシのガートでガンガーをバックに本物のコブラを巻いてシヴァポーズで記念撮影。なんとも贅沢なひとときだ。

信仰の対象でありながら無敵のスーパーヒーロー、ヒンドゥー教をカラフルに彩っているのはそんなちょっとわくわくする神様達だ。
文章:DJ sinX(しんかい)
日本での7年のDJ活動の後、世界各地でプレイするべく2007年から旅を始める。オーストラリア、東南アジアを経て現在インド亜大陸へ。活動はDJだけに留まらず、音楽イベントの開催、「Thanatotherapy」名義にて楽曲作成なども行う。
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