バガヴァッド・ギーター
■バガヴァッド・ギーターについて
インド二大叙事詩といえば『マハーバーラタ』と『ラーマーヤナ』。世界史の教科書にも載っているので名前だけはご存知の方も多いはず。
その『マハーバーラタ』の膨大な内容に含まれるのが、『バガヴァッド・ギーター』です。この『バガヴァッド・ギーター(神の歌)』は『マハーバーラタ』の中で最も重要な部分として、古来宗派を問わず聖典として崇められてきました。その宗教的・思想的エッセンスは、インドの思想史に大きな影響を与え、現代にも伝わっています。
『マハーバーラタ』は、親族間の大きな戦争の後、最終的にはみんな死んでしまうという内容で、戦争の悲惨さや人間存在のむなしさが描かれています。
『バガヴァッド・ギーター』は主人公の王子アルジュナと、その親友であるクリシュナとの対話の形式で進んでいきます。親族同士で争わなくてはならなくなったアルジュナは、敵となってしまった親族や師友を目の前にして戦意を喪失し、戦車の上に崩れ落ちてしまいます。それを見たクリシュナは、自分はヴィシュヌ神の化身であるということを告げ、アルジュナに自分の運命を受け入れ、戦うように励まします。インドの諸宗教では、業を断ち切って輪廻の輪から脱すること、つまり解脱が最終目的とされます。クリシュナはその解脱への道はひとつではなく、自らに課せられた行為を全うすることが、神性との一体化への道であると説きます。自らのためでもなく、行為を成すということが、解脱への道であると説きます。
それでもアルジュナは戦うことができず、苦悩します。さらにバガヴァッド(クリシュナ)は、われわれの個我は本来永遠不滅のものであるから、悩むことはない、クシャトリヤ(武人)としての義務を果たせと説きます。行為の結果にこだわらず、ただ行為のみを成すことが、解脱への道であると説きます。神に対し信愛を捧げることで、その人は万物を自己の中に見ることができ、あらゆる執着から離れることができると説きます。
クリシュナはアルジュナの要請によってバガヴァッド(神)としての姿をアルジュナに見せます。それを見たアルジュナはついに戦うことを決心するのでした。これが『バガヴァッド・ギーター』のごく大まかな内容です。
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ティラキタのバガヴァッド・ギータ ラインナップ
参考文献
上村勝彦訳『バガヴァッド・ギーター』 岩波文庫、1992年
菅沼晃著『東洋人の行動と思想 ヒンドゥー教』 評論社、1976年
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