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バガヴァッド・ギーター

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2007年02月02日

バガヴァッド・ギーター

バガヴァッド・ギーターについて
インド二大叙事詩といえば『マハーバーラタ』と『ラーマーヤナ』。世界史の教科書にも載っているので名前だけはご存知の方も多いはず。

その『マハーバーラタ』の膨大な内容に含まれるのが、『バガヴァッド・ギーター』です。この『バガヴァッド・ギーター(神の歌)』は『マハーバーラタ』の中で最も重要な部分として、古来宗派を問わず聖典として崇められてきました。その宗教的・思想的エッセンスは、インドの思想史に大きな影響を与え、現代にも伝わっています。

『マハーバーラタ』は、親族間の大きな戦争の後、最終的にはみんな死んでしまうという内容で、戦争の悲惨さや人間存在のむなしさが描かれています。

バガヴァッド・ギーター』は主人公の王子アルジュナと、その親友であるクリシュナとの対話の形式で進んでいきます。親族同士で争わなくてはならなくなったアルジュナは、敵となってしまった親族や師友を目の前にして戦意を喪失し、戦車の上に崩れ落ちてしまいます。それを見たクリシュナは、自分はヴィシュヌ神の化身であるということを告げ、アルジュナに自分の運命を受け入れ、戦うように励まします。インドの諸宗教では、業を断ち切って輪廻の輪から脱すること、つまり解脱が最終目的とされます。クリシュナはその解脱への道はひとつではなく、自らに課せられた行為を全うすることが、神性との一体化への道であると説きます。自らのためでもなく、行為を成すということが、解脱への道であると説きます。

それでもアルジュナは戦うことができず、苦悩します。さらにバガヴァッド(クリシュナ)は、われわれの個我は本来永遠不滅のものであるから、悩むことはない、クシャトリヤ(武人)としての義務を果たせと説きます。行為の結果にこだわらず、ただ行為のみを成すことが、解脱への道であると説きます。神に対し信愛を捧げることで、その人は万物を自己の中に見ることができ、あらゆる執着から離れることができると説きます。

クリシュナはアルジュナの要請によってバガヴァッド(神)としての姿をアルジュナに見せます。それを見たアルジュナはついに戦うことを決心するのでした。これが『バガヴァッド・ギーター』のごく大まかな内容です。

ティラキタでは『バガヴァッド・ギーター』をサンスクリット語で読誦したCDを各種扱っております。興味のある方はぜひ検索してみてください。

ティラキタのバガヴァッド・ギータ ラインナップ

参考文献
上村勝彦訳『バガヴァッド・ギーター』 岩波文庫、1992年
菅沼晃著『東洋人の行動と思想 ヒンドゥー教』 評論社、1976年

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2006年03月23日

ブラフマーの活躍の場はタイランド!?

 まずは面白いニュースがあったので、簡単に引用します。

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タイ「最もご利益ある」像破壊 占星術師ら和解呼びかけ
 バンコク中心部で21日未明、タイで「最も御利益がある」と言われるヒンドゥー教の神ブラフマーの像が男にハンマーで破壊された。タクシン首相の退陣要求をめぐる緊張が高まるさなかの出来事に、占星術師らは一斉に「不吉の前兆だ」と警告し、首相と反対派に早期の和解を呼びかけている。

 像はバンコク中心部のほこらにあり、多くの人たちが願掛けに訪れる。「エラワン・プーム」としてガイドブックにも紹介されており、観光客の姿も絶えない名所だ。

 像を打ち砕いた男は逃げようとしたが、周囲の人たちの袋だたきにあって死亡した。

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 バンコクに何度か訪れたことのある方なら、このほこらを見たことがある方も多いのでは? バンコク中心部にあるワールドトレードセンター(WTC)から十字路を挟んで斜め向かいにデパートのそごうがあった(今はたしかつぶれたはず)んですが、その前にあります。いつも願い事をしに来た人と、彼らに花やお祈りグッズを売る商人たちでごった返しています。

 このニュースびっくりしたのは、祀られていたのが「ブラフマー」であったこと。近くのWTCに祀られているのは「ガネーシャ」なんですが、そんなにご利益が無いのか(!?)近くに寄って見ることが出来ました。飾られてる花とか祈ってる人も少なかったもので。比べてエラワンは近寄るのも難しいぐらい人がいることが多く、近くに寄って見た事は無かったんですよね。

 ブラフマーは、ヒンドゥー教三大神の一柱。破壊のシヴァ、維持のヴィシュヌと並んで大きな意味合いを持つ神様の……はずなんですが、本家インドではなぜだかさっぱり人気が無いのです。妻パールバティーや息子ガネーシャ、その他カーリー女神など多彩な話題を抱えるシヴァ。ブッダをも含むあらゆるものに変化するヴィシュヌ。それに比べてブラフマーは?

 ブラフマン・アートマンという言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、ヒンドゥー教の根幹となったヴェーダ哲学において、宇宙の根本原理とされるものです。これを人格化したものがブラフマーとなりました。宇宙の根本ですからバラモン教の時代(おおむね紀元前)においてはともかくも敬われた神様だったんですが、ヒンドゥー教の時代になり目立たない存在となっていきました。ブラフマーにまつわる神話がヴィシュヌの話にされてしまったりというのもあります。
 ちなみに、仏教では「梵天」がブラフマーのこと。悟りを得た仏陀が教えを民衆に広めることを戸惑った時に、一生懸命に仏陀を説得し布教させるようにしたのが、有名な「梵天勧請」というエピソードです。
 ……むむ? このあたりに「仏教国」タイで、ブラフマーがもっともご利益のあるほこらを持つに至った秘密があるのかもしれません。かつてはカンボジア(アンコールワットなど)、インドネシア(今もガルーダが国鳥ですね)までその勢力を伸ばしてきたヒンドゥー文化ですが、その後イスラム勢力などとの戦いにより範囲を狭めます。またその過程で仏教もインド本土では滅びてしまったわけですが、周辺国では根強く残って今に至ります。
 ブッダに仏教を広めるように言ったブラフマーは重要な役割を果たした存在。ヒンドゥー文化の影響濃く、今では仏教が国教のタイ。いい活躍の場が見つかったようですね。


 それはそうと、エラワンの像を壊した男は袋叩きにあって殺されてしまったというのが、またアジアの国らしいというかなんと言うか……。

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