ハルモニウム修理方法 鍵盤が上がらない(戻らない)とき
■ハルモニウム修理 鍵盤が戻らない際の直し方
ハルモニウムはインド版賛美歌キールタンなどに使われる楽器です。日本でほとんど取り扱っているお店のないマイナーな楽器なので、現在国内で修理を行っていると公言しているところがなく、基本的にメンテナンスやトラブルが起こった際は自分で直す必要があります。今回は、ハルモニウムを使っているとたまにある、鍵盤を押すと押されたまま引っかかって戻らなくなってしまうトラブルへの対処法をご紹介します。以前書いた記事はこちらです! ハルモニウム修理方法 ビビリ音(異音)の直し方■ハルモニウムの鍵盤が戻らなくなる理由について
引いているうちにズレてしまい、鍵盤が近づいてしまっていたり、ハルモニウムは木製の楽器なので、湿度の変化で木が膨張して鍵盤の隙間がなくなり、鍵盤が戻らなくなる場合もあります。■鍵盤が主に接触している場所について
このように大まかによくある接触箇所は2箇所。基本的にほとんどが【A:隣の鍵盤との接触】だと思います。簡単な接触の場合は、こちらの写真のように鍵盤を接触箇所と逆方向にグイグイと押してみることで、接触している状態が解消されることもあるので、こちらをまずお試しください。 ■直す手順について
木製のバーを外すと、上にある写真のような状態になります。上部にバネのように反発力のある、針金状のパーツがついています。こちらは鍵盤を押して離したときに元の位置に鍵盤を戻す為のパーツです。この部分を外すと、鍵盤が上部にスーッと外せるフリーの状態になります。上に鍵盤を引き上げると、ついに鍵盤が外れました。接触していた箇所を紙やすりなどで削っていきます。あまり削りすぎるのもよくないので、削っては元の位置に戻してみて、接触が解消しているかを確認しながら、徐々に行って下さい。鍵盤を元の位置に戻した際、無事に動くようになれば修理完了です。こちらは、Aと比べると頻度は低いですが、手前についている木製パーツと鍵盤の先端が干渉して、鍵盤を押し込んだときに鍵盤が下がったまま元に戻らなくなってしまうことがあります。その際は、写真のように前面についている木製パーツの、左右にあるネジを少しだけゆるめて下さい。鍵盤と木製パーツの間に空間ができて、鍵盤が引っかからなくなります。 以上が、鍵盤が引っかかった際の修理方法です。ハルモニウムの機種やメーカーによって分解する手順が少々異なりますが、基本的な考え方は同じです。今回記事のようにトラブルに対応できれば、長年使える楽器なので大切にご使用いただけますと幸いです。