革製品の都を通し、ヒンドゥー教とイスラム教のレザー事情を考察する

2018年9月27日     No Comments    Posted under: 買い付けに行ってきました



■革製品の都フェズ

先々週のメルマガで迷宮都市として紹介してきたフェズですが、実はここは革製品の都でもありました。フェズでは革製品だけでなく、金属工芸、陶器など、ありとあらゆる手工芸が盛んなのですが、特に革製品はその種類が豊富です。

ティラキタ買い付け班、世界の色々なところに商品を探しに行きますが、革製品は地域性があり、素敵なものを発見するのがなかなか難しい商品の一つです。

その理由は、革製品は動物の死体の皮を扱うという、根本的な特性のため。革製品を作る職人はまだいいのですが、なめし革を作る仕事は、基本的に忌み嫌われる職業の一つです。

■ヒンドゥー教国での革製品事情

忌み嫌われるその傾向は、牛を聖なる動物として崇め、宗教的な「浄と不浄」を強く意識するヒンドゥー教の国々で特徴的です。Newsweekの記事インド「聖なる牛」の闇市場にもあるように、牛肉を食べたと疑われると、殺害までされるお国柄ですしね。

インドの寺院の中には、革製品の持ち込みが禁止の寺があるなど、そもそも革製品を許容しない文化的な土壌もあります。

この画像は大分極端な例ですが…ウジャインのジャイナ教徒寺院に入るときは、8歳以上の女性についてはジーンズ、Tシャツ、スカート、西洋的な服を着ないこと。ベルト、ジャケット、バッグなどの革製品は持って入ってはいけない。とのこと。

とは言っても、もちろんインドにも革製品はあります。

ティラキタでは取り扱っていませんが、日本の雑貨屋さんでもたまに見かけるコルカタ・シャンティニケタンの革のポーチなどが有名でしょうか。しかしそのバリエーションは少なく、デザインはダサく、シャンティニケタンの革以外に素敵な革製品が見つかるかと言うと…ちょっと思い出すことが出来ません。

■イスラム圏では立派なビジネス

しかし、イスラム教では、革産業は立派なビジネスとして認識されています。フェズの中にはタンネリと呼ばれる皮なめし工房があるのですが、ここでは「タンネリは尽きることのない金鉱である」というもの。

そこには動物の革を宗教的に汚れたものとして扱うヒンドゥー教と、動物の革を身の回りのものを作るための資源として有効に扱う、イスラム教徒の違いが大きく現れています。

そう言えば、インドのお隣のバングラディッシュにも大量の革がありました。

以前レポートした衝撃!! イスラム教の犠牲祭イード・ウル・アザーの様に、バングラデッシュではイスラム教の犠牲祭があり、その時には革が大量に出ます。

犠牲祭の後のバングラディシュは、世界で最も皮が安く手に入る場所として、世界から多くの人達が買い付けに来るそうです。





■フェズでは革産業が盛ん

ここモロッコは地元の人々が使うだけではなく、ヨーロッパからのツーリストが多く、革製品に対する需要が多いのでしょう。そして革を扱う伝統が相まって、フェズでは革製品がメインの産業になったのだと思います。

それではフェズでの、革製品のできるまでを見ていきたいと思います。

革は死んだ動物から剥がれた状態で市内に入ってきます。そしてタンネリショワラ、もしくはタンネリと呼ばれる革製品の皮を染める工房で各種の色に染められます。タンネリとは、この様な革を染めるための色水の入った穴がたくさんある場所のこと。


街の中で革を担いで歩いている人に出会ったので、こっそりと後をつけて、どんなとこに行くかを調べてみました。彼の持っている革は色付け前の革でまだ未完成のものでした。暗い路地を通り、テクテクと歩いていきます。

探偵をしているみたいでちょっとドキドキしながら後をついていきました…



5分位、小道を歩いていったら、一つの工房に辿り着きました。この工房では革の色付けをしていました。革はどぶんと色水につけられる時もあるのでしょうが、この工房ではスポンジに色水を含ませ、手作業で一生懸命、革に色をつけていました。





色を付けられた後に加工が始まります。 大元の型を鉛筆でなぞり、同じ形を作ります。


この方法は非効率ですし、そしてまた、一個一個の形が変わってしまいます。何枚もの皮を同時に重ねて同時に切ったりするか、切るための道具を作ればいいのにと思いますが、ここでは彼らは全て手作りでひとつひとつ丁寧に行なっています。

切って、模様をつけた革が干してありました。どれも大きさが微妙に違うように見えますね。



これはプフを作る工程です。プフの丸い形は、色々な形の革を縫い付けて作りますが、この動画は一つ一つの皮を手で縫っているところです。



モロッコで使われてる皮は水牛の革牛の皮ヤギの皮そしてラクダの革です。

革細工は思ったより難しいものではありません。革を染色し、既定の大きさに切り、穴を開け、そして縫製します。その工程は布で服を作るのと大して変わりはありません。だからこそ、ここフェズでは伝統的な工芸品として作られてきたのでしょう。



こちらが出来上がった製品です。イスラム文様が美しく革の表面に施された、大変美しいバッグでした。


ここモロッコの革製品は、製品として一定のクオリティに達しているように思われます。この様なバブーシュも選べば日本で販売可能なクオリティ物のが手に入ります。

現在、ティラキタではモロッコの革製品の取扱を検討中です。
写真のように、フェズにはイスラムや砂漠の空気を感じる素敵なバッグなどがあるんですよね。

でも、地球の反対側なので、航空券代なども含めると、実際にお客様に買っていただける値段になるかどうか…正直、難しいところなのです。

素敵でもお手頃でないと買って頂けないですし、私達の存在意義もありませんもの。なにせモロッコは地球の反対側です。あまりにも遠いんですよね…遠いとカーゴ代も高いんですよね…

日本でモロッコ雑貨が人気があるにもかかわらずあまり出回っていない理由がわかったような気がします。

いい革製品、将来的に見つかるといいのですが…素敵な商品はなかなか見つからないものなんですよね~。

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