インドへのお土産を考える。 最高に美味しい日本のお菓子が喜ばれない謎について




■インド人へのお土産は難しい

出張に行くときや、友人を訪問する時、やっぱり手土産の一つでも持っていかねば…と言うのは洋の東西を問わず同じだと思います。

DANCE OF SHIVA等のイベントをする時、外国アーティストを日本に招聘することがありますが、やっぱり彼らも色々なお土産を持ってきてくれます。

インド人アーティストはクルタ・パジャマを持ってきてくれ、スペイン人アーティストはチョリソとハモンを持ってきてくれましたっけ。フィンランド人アーティストはムーミンのマグカップを持ってきてくれました。

手土産がないと、なんだか申し訳ない気がして、落ち着かないものですよね。また、持っていった手土産が喜んでもらえないとやっぱりちょっとなぁ…と思うものです。

今日は、インド人達の生活習慣や、嗜好を踏まえつつ、インド人へのお土産は何が良いかを考察してみたいと思います。

■肉の姿をしていなくてもダメ

インド人へのお土産ですが、相手の宗教によりますが、基本的に肉系統の食品は避けたほうが無難です。ヒンドゥー教徒であれば、牛肉は駄目ですし、イスラム教徒であれば、豚肉は駄目です。




じゃあ、牛肉と豚肉が入ってなければ良いんだよね…と短絡的に思いがちですが、ここに落とし穴があります。話はそう簡単ではありません。実は…日本で売られている多くの商品には牛やブタ由来の何かが含まれているからです。

10年位前、インドネシアで日本の味の素が、味の素を製造する時の触媒として、ブタ由来の原料を使ったからと言って、社会的に問題になりましたが、この話からわかることは、要は、肉の姿が見えなくても、肉由来の物が使われていればダメなのです。

例えば、こちらのグミ、ココロ。すごい意外ですが実はコレもダメです。


このココロ。とっても大好きなお菓子の一つです。控えめに言ったとしても、日本のグミの傑作の一つだと思います。プチュっとした食感が実に素晴らしく、本当に美味しいですよね。

ばらまき用のお菓子として使えるくらいのお値段ですし、パッケージもきれいで、海外にはない素晴らしい逸品です。

おみやげにピッタリのはずです。

これがダメだなんて、日本人の誰もが想像もしませんよね。その理由は…ゼラチンに牛肉由来の材料が含まれているから。実はティラキタ買付け班、このココロの美味しさに感動してインド人へのおみやげに持っていったことがあります。しかし、プレゼントする瞬間に原材料を説明しようと思って裏面を見たら…

「ドグラさん、これ、今回のお土産だよ。日本で人気のお菓子で、日本にしかない特別なものなんだ」
「おお! ありがとう。これはどんなものなんだ?」
「これはグミなんだけど、口に含むとプチュっと出る果実のような食感が素晴らしく…」
「なるほど! 本当にありがとう」
「んで、気になる材料は…砂糖に、濃縮グレープ果汁に、水飴に、コラーゲンに…あ!!! 大変!! ドグラさん、それ食べちゃダメ!! 一部に牛肉・ゼラチンを含むって書いてある!!
「ななんと!! この形なのに牛が入っているのか? それでは、俺たちは食べられないな…」
「本当にごめん…危なかったね…」

このココロはほんの一例でして、実際にスーパ―に行って、色々な食品の成分表示を見てみると、日本の食品の多くに牛やブタ由来の原料が使われていることが発見できると思います。僕らは普段、全く意識せずそのような食品を食べていますが、宗教的に肉が禁忌であるヒンドゥー教徒やイスラム教徒にとっては大問題です。

ティラキタでネパール人のサラダちゃんが働いてくれてますが、彼女も

「日本の食べ物は後ろを見ないと食べられないんですよ」
「やっぱり?」
「そうです。色々なところに牛エキスって言うのがはいてマス!」

と言います。

なので、食品関係はおみやげとして持っていくのに注意を要します。

■安定&安心のチョコレート

どの国にでも、安心して持っていける定番のお土産はチョコレートです。こんな富士山型したチョコレートはおみやげにピッタリですよね。




日本にしかないブラックサンダーとかも、まずまず喜ばれます。




でも、問題なのがインドは暑い国であるという事。飛行機を降りてすぐにホテルに入り、お土産を手渡しするのであればチョコレートでも問題ないのですが、油断してるとあっという間に溶けて、お土産にならなくなってしまいます。

また、チョコレートは無難な代わりに、やっぱり相手からの感謝もそこそこで、役に立つような、立たないような…と言う感じが否めません。

■培われたブランド力のジョニ黒

そんな中、お酒を飲む人がかならず喜ぶのがウィスキーのジョニーウォーカーです。ジョニーウォーカーは赤でも黒でもいいですが、やっぱり箱に入っている黒のほうがいいみたい。




その昔、インドでは輸入されている量の10倍のジョニ赤が売られていると言われていたことがある様に、ジョニーウォーカーは輸入ウィスキーの代名詞的な存在で、その値段以上の神通力を発揮します。輸入品が以前と比べて格段に手に入りやすくなった今でも、まだまだその神通力は健在だと思います。

英国植民地だった名残かどうかは知りませんが、インド人はウィスキーが大好き。日本人だったら最初はビールですが、インド人は最初からウィスキーを飲んでいたりします。ですので、お土産でお酒を持っていくならウィスキーで、ブランドはジョニーウォーカーで決まりです。

ティラキタ買付け班、過去に日本のウィスキーや、バランタイン等、色々なウィスキーを持っていって比較しましたが、やっぱり、ジョニーウォーカーの時が一番嬉しそうな顔をしている気がします。心なしか待遇も変わってくる気がします…

ただ、凄く注意しなければいけないのが、その人がお酒を飲むか飲まないかです。実はこれは実にわかりづらい。

インド人は表向き、お酒を飲まない人でも、奥様や親族に隠れてこっそり飲んだりしますので、直接本人に聞いてみるのが一番ですが…。「俺は飲まないが貰っておく」なんて言って貰う人もいますし…。

宗教的には、あまり薦められていないから、きっと後ろめたいのでしょう。
でも、欲しいのでしょう。

■子持ちの人には
赤ちゃんが生まれたときや、乳幼児がいる時によく持っていくのがこちらのスタイです。このスタイ、子供を育てた経験がある方はご存知だと思いますが、最高に便利な一品ですよね。




でも、こんな便利なものがインドでは手にはいらないんです。日本だったら800円くらいで買えるのに…なので、一回持っていけばずっと使って、持って行ったことを覚えていてくれます。

800円なのに大変効果的なインド人へのお土産の一つだと思います。

■お弁当を作るママには
お弁当を作るインド人のママにはサーモスがお土産として人気です。このサーモス、インドで、知ってる人の間では大人気な商品です。ここ何年も、インドに行くときは…

「ねえ、ヒーラルちゃん。次の2月に行くんだけど、今回はどのサーモスがいい?」
「そうねぇ…」
「あ、日本のAmazonでどんなのがあるかチェックしてみてね」


と、相手の希望を聞いて持っていきます。値段はバレますが、インドで買うとその倍はするそうなので、やっぱり値段以上の効果を発揮する気がします。もちろん、毎日使うもので、毎日自分のことを思い出してくれるっていうのも大きいですよね。





でも、サーモスはインド人の気に入らない点があります。それは、蓋がプラスチック製な所。インド人はステンレスが大好きで、プラスチックはあまり好きではありません。宗教的に汚れがつかない素材が好きということもありますし、そもそも暑い国なので、できるだけ雑菌が繁殖しづらい衛生的なステンレスを好むという側面もあります。

だから、ティラキタで取り扱っているインドの食器はステンレスばかりなのですが…

■インドに駐在している日本人には

インドに駐在している日本人に喜ばれるお土産の一つが日本製のマスクだと思います。インドの大気汚染は、世界で一番だと言われていて、私達がニュースで見て、汚い汚いと言っている上海の数倍の汚染度です。




実際に冬のデリーに行ってみると、自分の周囲2Kmぐらいの所に灰色の空気の壁があるような感じです。その壁は自分を中心とした円筒形で、自分が移動するとついてくる気になります。それぐらい汚い。

街を歩いていると、一日で鼻の穴が真っ黒になるくらい汚い。部屋の中に置いておく空気清浄機のフィルターがすぐに真っ黒になるくらい汚い。そんな汚さです。

ですので、日本製のマスクは「必須の標準装備」として喜ばれます。デリーに在住している人なら、みんな持っているとは思いますが…持っているって言われたら自分が使えばいいので問題ありませんね。





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